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トリアナイト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トリアナイト
マダガスカル Ambatofotsy(en)産の貫入双晶トリアナイト結晶 (大きさ: 1.6 x 1.4 x 1.3 cm)
分類 酸化鉱物
シュツルンツ分類 4.DL.05
化学式 酸化トリウム英語版、 ThO2
結晶系 立方晶系
対称 Fm3m
単位格子 a = 5.595 Å; Z = 4
晶癖 立方体結晶 (ふつう砕石質の堆積物中ではある程度丸みを帯びている)
双晶 {111}面を双晶面とする貫入双晶
へき開 弱い、不明瞭
断口 不規則、不平坦状、亜貝殻状
モース硬度 6.5 - 7
光沢 樹脂光沢、亜金属光沢
暗灰色、黒褐色
条痕 灰色、緑灰色から黒色
透明度 不透明、厚さの薄い場合は半透明
比重 9.7
光学性 等方性
屈折率 n = 2.20 – 2.35
文献 [1][2][3]
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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トリアナイト(: thorianite)は、希少なトリウム酸化鉱物英語版である。 組成式はThO2で表される[4]。 放射性元素であるトリウムを主成分とするため、放射性鉱物である。結晶構造は等軸晶系であり、モース硬度は6.5から7。別称をトリアン石[5]方トリウム鉱[6]とも。

トリアナイトはもともと1904年Ananda Coomaraswamy英語版によって閃ウラン鉱であるとされていた[7]が、Wyndham Dunstan英語版により新種の鉱物であると認められた[8]トリウムが含まれる割合が大きいことにちなみ命名された。ウランランタンセリウムプラセオジムネオジムの酸化物も同様に含有する。

原子核崩壊によるヘリウムが存在するため、ピッチブレンドよりその放射線はやや弱いが、ガンマ線のため遮蔽は難しい。スリランカにある沖積層の宝石砂礫層で広く見られ、ほとんどの場合、水により摩耗し、小さく、重量があり、黒色を呈する結晶として産する。最大規模の結晶は一般に1.5 cm程度である。マダガスカルでは6 cmにも及ぶ結晶が報告されている。[要出典]

化学的性質

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トリアナイトは、色や比重、組成によって次の3種類に分類される[9]

  • αトリアナイト
  • βトリアナイト
  • γトリアナイト

トリアナイトと閃ウラン鉱は合成鉱物および天然鉱物において完全な固溶体を形成する[10]2つの鉱物種はTh:U = 1:1の組成比で分離し[訳語疑問点]、ウランおよびトリウムはそれぞれ最大で46.50%、87.9%の組成を占めることができる[11]。 トリウムは希土類元素(主にセリウム、Ce)によって8質量%程まで置換される[10][12]ほとんどの場合、セリウムは4価のカチオン(Ce4+)として存在する。 合成鉱物においてはCeO2 - PrO2 - ThO2 - UO2の完全連続固溶体を形成することが知られる。 少量の(Fe3+)やジルコニウム(Zr)もまた同形置換することがある。 存在するPbは大抵が原子核崩壊に由来する。[要出典]

出典

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  1. ^ Handbook of Mineralogy
  2. ^ Mindat.org
  3. ^ Webmineral data
  4. ^ Frondel, C. (1958). Systematic Mineralogy of Uranium and Thorium. United States Government Printing Office 
  5. ^ トリウム”. 倉敷市立自然史博物館. 2017年8月1日閲覧。
  6. ^ 日本大百科全書(ニッポニカ)『方トリウム鉱』 - コトバンク、2017年8月1日閲覧。
  7. ^ Coomaraswamy, A.K. (1904). “Uraninite”. Spolia Zeylanica Pt. 6 (2): 57. 
  8. ^ Dunstan, Wyndham R. (1904-03-31). “The occurrence of Thorium in Ceylon”. Nature 69 (1796): 510–511. Bibcode1904Natur..69..510D. doi:10.1038/069510d0. 
  9. ^ Kobayashi, M. (1912). “On the composition of thorianite”. Tohoku Imp. Univ. Sci. Repts. 1 (Ist Ser): 201–206. 
  10. ^ a b Palache, C.; H. Berman; C. Frondel (1944). Dana's System of Mineralogy, Volume 1. John Wiley and Sons, New York. pp. 620–622 
  11. ^ Heinrich, E. W. (1958). Mineralogy and Geology of Radioactive Raw Materials. McGraw-Hill 
  12. ^ Graham, A. R. (1955). “CERIANITE CeO2: A NEW RARE-EARTH OXIDE MINERAL”. Am. Mineral. 40. 

外部リンク

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  • ウィキメディア・コモンズには、トリアナイトに関するカテゴリがあります。