ディナダン
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ディナダン卿(Sir Dinadan)は、アーサー王物語に登場する円卓の騎士のメンバー。兄弟にラ・コート・マルタイユこと、ブルーノ卿がいる。
自身の武勇の程は円卓の騎士の中ではたいしたことがなく、槍試合では負けることが多い。だが話術に優れた明るく屈託のない性格から、たびたび他の騎士や貴婦人を笑わせている。恋愛沙汰に関しては相当疎い。
そんなに武勇に秀でているわけでないため、ディナダン卿を主人公とする話よりも、誰か他の騎士を主人公とするエピソードに道化役、あるいはよき仲間として登場することが多い。
特に、トリスタン卿とはかなり親しい仲であり、トリスタン卿がらみのエピソードが多い。例えば、トリスタンに対してコーンウォールのマーク王が酷い扱いをしているのを知って、マーク王に対してラモラック卿をけしかけて痛い目にあわせたり、マーク王をひどく貶める悪口の詩を作曲し、ハープ弾きに演奏させたりしていた。
しかし、彼のユーモラスな軽口は、モードレッドにとっては嘲笑や皮肉と同義だった。
Le Morte d'Arthurは散文詩 "Tristan "の物語を悲劇的で暴力的な結末へと導く。コーンウォールから戻ったディナダンはアーサー王を説得し、再びマークを王位に就けた裁定を覆す。しかし、ディナダンは他の二人の円卓の騎士、モードレッドとアグラヴェインに待ち伏せされ、殺される。モードレッドとアグラヴェインはディナダンを嫌っていたが、ラモラックと親しかったからだ。ランスロットの異母弟エクター・ド・マリスは瀕死の重傷を負ったディナダンを発見し、キャメロットに連れて行ったが、ランスロットの腕の中で息絶えた。