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テディ (小説)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テディ
Teddy
作者 J・D・サリンジャー
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
ジャンル 短編小説
初出情報
初出ザ・ニューヨーカー
1953年1月31日
出版元 コンデナスト社
刊本情報
収録ナイン・ストーリーズ
出版元 リトル・ブラウン社
出版年月日 1953年
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テディ」(原題: Teddy)は、J・D・サリンジャーの短編小説。 『ザ・ニューヨーカー1953年1月31日号に掲載された。短編集『ナイン・ストーリーズ』(1953年)の9番目に収められている。

神童テディの子供離れした言動は後の『ハプワース16、一九二四』におけるシーモア・グラースに通じる。作者が後年傾倒を強めていく、神秘主義東洋思想輪廻といったテーマが用いられている。またラストシーンは複数の解釈ができる[1]

あらすじ

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ヨーロッパ旅行からアメリカに客船で帰国中の10歳の少年テディ(シオドア・マカードル)は舷窓から顔を出して父親に注意されている。テディは妹ブーパーに父親のカメラを渡したといい、妹を連れ戻してこいと言われ、部屋を出る。船内を探し、スポーツデッキで妹を見つけ、後でプールで落ち合おうと言う。

テディは一人でサンデッキに座ると、自分で書いたノートを読み、記述を書き加える。

それは今日起るか、またはぼくが十六歳になる一九五八年二月十四日に起る。こんなことは口にするさえ愚劣である。

そこにボブ・ニコルソンという教育学者の若い男がやって来る。二人は以前にジムで出会っている。テディはヨーロッパの大学でインタビューを受けていたと言い、詩[2]や神について子供離れした言葉でニコルソンと話す。そして自分の前世インド聖者だった言う。ニコルソンは、ボストンで学者たち討論した際、彼らの死期について予言したという噂を尋ねる。テディは場所や日時に気をつけたほうがいいと言っただけだと答え、死ぬのはみんな何千回もやっている、自分は五分後に、水が入ってないプールを覗いて後ろから妹に押されて死ぬかもしれないが、そんなのは悲劇でもないという。

会話が終わるとテディはデッキを去る。ニコルソンはしばらくした後テディの後を追いかける。プールの入口に入ろうとした時、ニコルソンは幼い女の子の悲鳴を聞く[1]

主な日本語訳

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脚注

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  1. ^ a b 「予言」通り、テディが妹に突き落とされて死んだという解釈が一般的だが、反対に、テディが妹を突き落としたという解釈もある(ポール・アレクサンダー『サリンジャーを追いかけて』田中啓史、DHC、176頁)(ケネス・スラウェンスキー『サリンジャー 生涯91年の真実』田中啓史訳、晶文社、369頁)。
  2. ^ 松尾芭蕉の「やがて死ぬけしきは見えず蝉の声」「この道や行く人なしに秋の暮」を引用している。