チェロソナタ (ラフマニノフ)
表示
チェロ・ソナタ ト短調 作品19 | |
---|---|
セルゲイ・ラフマニノフ | |
形式 | ソナタ形式 |
調、拍子 | ト短調、 |
テンポ | 速度指定なし |
作曲年 | 1901年 |
出版年 | 1901年 |
制作国 | ロシア |
作品番号 | 19 |
献呈 | アナトーリー・ブランドゥコーフ |
プロジェクト:クラシック音楽 Portal:クラシック音楽 |
セルゲイ・ラフマニノフの《チェロ・ソナタ ト短調》作品19は、1901年に作曲されたチェロソナタ。ラフマニノフは本作においてピアノは単なる伴奏ではなく、チェロとピアノが対等な関係にあると考えていた。このため、初版は『ピアノとチェロのためのソナタ』と題されている。
本作は、ラフマニノフが完成させた最後の大規模な室内楽曲となった。
概要
[編集]ラフマニノフは1900年までの3年間を、あまり生産的でなく過ごした。このような状況に至ったのは、《第1交響曲》が初演の後で酷評されてからだった。それからのラフマニノフは鬱病に苛まれ、ニコライ・ダーリ博士の催眠療法を受けている。1900年にラフマニノフは《ピアノ協奏曲 第2番》に取り組んだ後、速やかに《チェロ・ソナタ》に着手したのであった。
本作は、作曲者の友人アナトーリー・ブランドゥコーフに献呈され、1901年12月2日にブランドゥコーフと作曲者自身のピアノによってモスクワで初演されている[1]。ブランドゥコーフは《悲しみの三重奏曲 第1番》(1892年完成)の初演者でもあった。初演後、ラフマニノフは改訂を加えたとみられ、初版には「1901年12月12日」と記載されている[2]。
楽曲は以下の4楽章から成る。
- レント – アレグロ・モデラート(ト短調)
- アレグロ・スケルツァンド(ハ短調)
- アンダンテ(変ホ長調)
- アレグロ・モッソ(ト長調)
演奏時間は約35分強(1楽章反復あり)の大作。
主要な音源
[編集]- 1947年 エドモンド・クルツ、ウィリアム・カペル
- 1956年 ダニイル・シャフラン、ヤコフ・フリエール
- 1956年 ザラ・ネルソヴァ、アルトゥール・バルサム
- 1958年 ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ、Alexander Dedyukhin
- 1967年 ポール・トルトゥリエ、アルド・チッコリーニ
- 1979年 ダニイル・シャフラン、アントン・ギンスブルク
- 1984年 リン・ハレル、ウラジミール・アシュケナージ(第1楽章呈示部の反復を割愛)
- 1990年 ヨーヨー・マ、エマニュエル・アックス
- 1994年 トルルス・モルク、ジャン=イヴ・ティボーデ
- 2002年 スティーブン・イッサーリス、スティーヴン・ハフ
- 2004年 ナターリヤ・グートマン、エリソ・ヴィルサラーゼ
- 2005年 ミッシャ・マイスキー、セルジオ・ティエンポ
- 2006年 ゴーティエ・カピュソン、ガブリエラ・モンテーロ
- 2006年 アレクサンドル・クニャーゼフ、ニコライ・ルガンスキー
- 2007年 アレクサンダー・イヴァシュキン、ルステム・ハイルディノフ
- 2008年 ダヴィド・ゲリンガス、Ian Fountain
- 2012年 伊藤悠貴、ソフィア・グルャク(ラフマニノフ・チェロ作品全集録音)
- 2012年 ソル・ガベッタ、オルガ・ケルン
- 2021年 ゴーティエ・カピュソン、ユジャ・ワン
アレンジ
[編集]ロシアのピアニスト、アルカーディ・ヴォロドスは第3楽章をピアノ独奏用に編曲しており、録音も残している。
脚注
[編集]- ^ Norris, Geoffrey (1993). The Master Musicians: Rachmaninoff. New York City: Schirmer Books. pp. 11, 19, 33, 38, 40, 123, 124, 168, 177. ISBN 0-02-870685-4
- ^ Classical Archives