ターリク・イブン・ズィヤード
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ターリク・イブン・ズィヤード(アラビア語: طارق ابن زياد, ラテン文字転写: Ṭāriq ibn Ziyād 生年不詳 - 720年)は、イベリア半島を征服したウマイヤ朝の軍人。
生涯
[編集]ターリク・イブン・ズィヤードの前半生はほとんど不明だが、北アフリカのベルベル人とされる[1]。
ターリクはウマイヤ朝のカリフであるワリード1世に仕え、モロッコに駐屯していたが、711年4月29日に北西アフリカのアラブ人太守であるムーサ―・イブン・ヌサイル(英語: Musa ibn Nusayr)の命令によりムスリム軍の指揮官としてイベリア半島に上陸した[2][3]。この上陸地点はアラビア語では彼の名にちなんで、ジャバル・ターリク(ターリクの山、جبل طارق Jabal Ṭāriq)と呼ばれ、スペイン語のジブラルタルの語源となっている。
上陸後、ターリクは船団を燃やし、不退転の覚悟を示したといわれる。7月19日に西ゴート王国の王ロデリックをグアダレーテ河畔の戦いで敗死させ、コルドバ (スペイン)やトレドなどの都市を占領しイベリア半島を征服した。征服後、知事に任命されたが、間もなくダマスカスに召喚され、そこで余生を終えた[4]。
脚注
[編集]- ^ Ibn Khaldoun: History of the Berbers and the Muslim dynasties in northern Africa, ed. Berti, Algiers, 2003, p. 230.
- ^ The preaching of Islam: a history of the propagation of the Muslim faith By Sir Thomas Walker Arnold, pg. 259.
- ^ W.M.ワット:イスラーム・スペイン史,p.16.
- ^ Reilly, Bernard F. (2009). The Medieval Spains. New York: Cambridge University Press. pp. 52. ISBN 9780521397414
参考文献
[編集]外部リンク
[編集]- Government of Gibraltar, [1]
- Ibn Abd-el-Hakem, Medieval Sourcebook: The Islamic Conquest of Spain
- Edward Gibbon, History of the Decline and Fall of the Roman Empire Chapter 51