タリスカー蒸留所
地域:アイランズ | |
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所在地 | スカイ島カーボスト(Carbost) |
所有者 | ディアジオ |
創設 | 1830年 |
現況 | 現行 |
水源 | Carbost / Cnoc nan Speireag (Hawk Hill) |
蒸留器数 |
2基のウォッシュ・スチル 3基のスピリット・スチル |
Talisker | |
熟成期間 |
10年 18年 25年 30年 35年 |
タリスカー蒸留所(Talisker distillery)とは、スカイ島に1830年に設立されたウイスキーの蒸留所。現在、スカイ島に存在する唯一の蒸留所である。
タリスカー(Talisker)とは古ノルド語で「傾いた大岩」を意味する「Thalas Gair」が由来である[1]。
特徴
[編集]タリスカー蒸留所ではアイランズモルトとしてはめずらしく[2]、1928年まではアイルランド式の3回蒸留が行われていた[3]。そのためにポットスチルは、2基のウォッシュ・スチルに対し3基のスピリット・スチルが設置されている。20世紀初頭には2回蒸留に改められたが、モルトの個性を維持した体制になっている。
タリスカー蒸留所の特徴のひとつにラインアームの独特なデザインがある[3]。ポットスティルから垂直に向かい、水平に伸びたのちにもう一度直角に下るU字型のねじれがあり、還流を促すためにくぼみの基部にピュリファイヤー・パイプが取り付けてある[2]。蒸留されたウイスキーは伝統的なワーム・タブとよばれるコイル状の冷却槽で液化されている。
タリスカー蒸留所の最大生産能力は190万リットルであり[2]、シングルモルトの他にジョニー・ウォーカーなどにブレンディングモルトを供給されている。タリスカーは小説家ロバート・ルイス・スティーヴンソンが「酒の王者」と評したことが知られている[4]。
沿革
[編集]近隣のアイグ島から渡来したヒュー・マカスキルとケニス・マカスキルの兄弟が、スカイ島西岸にある土地を農地として借用した。当時の農家は、農業のついでに自家蒸留を営むことが多く、免許を得た7箇所以外にも無免許の蒸留所が多数存在した。マカスキル兄弟も数名の農業者達と協力して、まずはフィスカヴェイグに蒸留所を建造しようとしたが失敗した。次に、ハーポート湖の湖畔にあるカーボストに建設する計画を立て、1830年、3000ポンドの費用を費やしてタリスカー蒸留所は建造された。
その後、地元の神父ロデリック・マクラウドとの対立など、紆余曲折があり、タリスカー蒸留所は1000ドルで売却され、様々な人のもとをたらい回しにされながら、1880年代、ロデリック・ケンプの所有するところとなり、現在に至っている。タリスカー蒸留所は1925年にen:Distillers Companyに買収され、Distillers Companyは1986年にギネスに買収されたため、1997年以降はディアジオが所有している。
脚注
[編集]- ^ ブランドストーリー - タリスカー オンライン
- ^ a b c マイケル・ジャクソン 『ウイスキー・エンサイクロペディア』土屋希和子・Jimmy山内・山岡秀雄訳 小学館 2007年 ISBN 9784093876681 pp.126-127.
- ^ a b 邸 2005, pp. 114–117.
- ^ “KING OF DRINKS”. タリスカー オンライン. 2016年11月20日閲覧。
出典
[編集]- 吉村宗之 『うまいウイスキーの科学』 SBクリエイティブ〈サイエンス・アイ新書〉、2010年 ISBN 978-4797355567
- 公式サイトによる蒸留所沿革説明
- 邸景一、旅名人編集室(編)、2005、『スコッチウイスキー紀行:モルトの故郷を歩く』第3刷、日経BP企画〈旅名人ブックス〉 ISBN 4861300991