タトラT3RF
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タトラT3RF | |
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タトラT3RF(サマーラ) | |
基本情報 | |
製造所 | ČKDタトラ |
製造年 | 1997年 - 1999年 |
製造数 | 8両 |
投入先 | イジェフスク市電、サマーラ市電、ブルノ市電 |
主要諸元 | |
編成 | 1 - 2両編成 |
軸配置 | Bo'Bo' |
軌間 | 1,435 mm、1,524 mm |
電気方式 | 直流600 V(第三軌条) |
設計最高速度 | 65 km/h |
起動加速度 | 1.8 m/s2 |
車両定員 |
着席22人 立席86人(乗客密度5人/m2) 最大160人(乗客密度8人/m2) |
車両重量 | 17.0 t |
編成長 | 14,944 mm(連結器含) |
全長 | 14,000 mm |
全幅 | 2,500 mm |
車体高 | 3,058.5 mm |
床面高さ | 900 mm |
車輪径 | 700 mm |
固定軸距 | 1,900 mm |
台車中心間距離 | 6,400 mm |
軸重 | 4.25 - 7.05 t |
主電動機出力 | 45 kw |
出力 | 180 kw |
制御方式 | 電機子チョッパ制御(IGBT素子) |
制御装置 | TV14形 |
制動装置 | 回生ブレーキ、ドラムブレーキ、ばね式ブレーキ |
備考 | 主要数値は[1][2][3][4][5]に基づく。 |
タトラT3RFは、かつてチェコのプラハに存在した鉄道車両メーカーのČKDタトラが製造した路面電車車両。同社が展開していたタトラT3やタトラT3Rを基に、車体設計や機器の近代化等の変更が施された形式で、2000年に倒産した同社が最後に製造した車両の1つだった[1][2][3][4][6][7]。
概要
[編集]1990年代以降、ČKDタトラは長年製造していたタトラT3の改良型車両であるタトラT3Rを開発し、チェコのブルノ市電やプラハ市電に向けて導入した。これに続き、ロシア連邦の各都市へ向けて製造されたのがタトラT3RFである[1][2][3][8][9]。
インダストリアルデザイナーのパトリック・コタスが設計した新造形の前面デザインや片運転台の車体、電力消費を抑えた電機子チョッパ制御装置など基本的な構造はT3Rに準じていたが、以下の点で差異が存在した[1][2][4]。
- 乗降扉の形状 - 車体の右側に3箇所設置された乗降扉は、T3Rでは両開き式のプラグドアが用いられていたが、T3RFは両開き式の2枚折り戸が設けられていた[1][2]。
- 集電装置 - T3Rは集電装置としてシングルアーム式パンタグラフが搭載された一方、T3RFは菱形パンタグラフが使われた[1][2]。
- 空調 - T3Rには運転室に冷房装置が設置された一方、ロシア連邦に導入されたT3RFには搭載されていなかった。ただしチェコで使用される事になった一部の車両については改造により冷房装置の設置が行われている[1][2][4][3]。
- 制御装置 - ブルノ市電やプラハ市電に導入されたT3Rの制御装置はGTO素子のTV8形であった一方、T3RFはIGBT素子を用い、電力の回収が可能な回生ブレーキに対応したTV14形に変更された[2][10][11]。
運用
[編集]ロシア連邦
[編集]合計8両が製造されたT3RFのうち、ロシア連邦の都市に導入されたのは以下の6両であった[1][3][6]。
- イジェフスク - 最初に製造されたT3RFはイジェフスクの路面電車であるイジェフスク市電向けの車両で、1997年に4両が作られている[3]。
- サマーラ - サマーラの路面電車であるサマーラ市電には1999年に2両のT3RFが導入された。主に2両編成で運行していたが、1両の前面窓ガラスが破損した影響で2019年の時点で両車とも営業運転を離脱している[6]。
チェコ
[編集]当初の計画ではサマーラ市電には4両のT3RFが導入される予定だったが、うち2両は完成後に納入がキャンセルされたため、チェコ・ブルノの路面電車であるブルノ市電で使用される事になった。これに合わせ車内音声装置や車内案内表示装置の搭載、運転台への冷房装置の設置、主電動機の交換などブルノ市電での運用に合わせた各種改造が実施され、2002年から2両編成を組んで営業運転に使用されている[2][3][5]。
関連形式
[編集]- タトラT3R "イシュ"(Tatra T3R «Иж») - イジェフスク市電に在籍するタトラT3のうち、2001年に2両に対して更新工事を実施した形式。タトラT3RFに類似した車体を有しており、2007年には制御装置をチェコのセゲレツが開発したTVプログレス(TV Progress)およびロシア連邦のカノープス(Канопус)製の機器へと交換している。ただし2021年時点で両車とも運用を離脱している[12][13]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h “Tramcar T3RF Model Basic Features”. SKD Trade. 2020年4月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i Martin Hemzal (2008年7月15日). “Rekonstrukce tramvají T3”. BMHD.cz. 2020年4月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g Robin, Vysoký (2002). “Nové vozy T3RF pro Brno”. Městské doprava (5): 19–21.
- ^ a b c d ČKD Praha Holding, a.s. Tramwaj Typu T3R (PDF) (Report). 2020年4月13日閲覧。
- ^ a b Bc. Martin Šiler; doc. Ing. František Bartes, CSc. (2018). NÁVRH INOVAČNÍ STRATEGIE TRAMVAJOVÝCH VOZIDEL DPMB (Report). VYSOKÉ UČENÍ TECHNICKÉ V BRNĚ. p. 63. 2020年4月13日閲覧。
- ^ a b c Дарья Дубровских (2019年3月21日). “Трамвай желаний”. Челябинский Обзор. 2020年4月13日閲覧。
- ^ “Licences” (英語). SKD TRADE a.s.. 2020年4月13日閲覧。
- ^ “Vozidla brněnské městské dopravy”. Dopravní podnik města Brna. 2020年4月13日閲覧。
- ^ “tramwaje - T3” (チェコ語). Opravna tramvají. 2020年4月13日閲覧。
- ^ Bc. Martin Šiler; doc. Ing. František Bartes, CSc. (2018). NÁVRH INOVAČNÍ STRATEGIE TRAMVAJOVÝCH VOZIDEL DPMB (Report). VYSOKÉ UČENÍ TECHNICKÉ V BRNĚ. pp. 62–63. 2020年4月13日閲覧。
- ^ Harry Hondius (2008年9月3日). “Cegelec alive to world-wide expansion”. Railway Gazette. 2020年2月4日閲覧。
- ^ “Tatra T3R “Izh””. Urban Electric Transport. 2021年10月13日閲覧。
- ^ “Модернизация трамваев в Ижевске. 💔Tatra T3K«Иж» с низкопольной вставкой”. Yandex (2020年9月15日). 2021年10月13日閲覧。