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スウィートハーツ (キャンディ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スウィートハーツ

スウィートハーツ(Sweethearts)は、小さなハート型の砂糖菓子であり、アメリカ合衆国において特にバレンタインデーの前後に販売される。それぞれに、"Be Mine"(私のものになって)、"Kiss Me"(キスして)、"Call Me"(私に電話して)、"Miss You"(あなたがいないと寂しい)などの様々なメッセージがプリントされている。

スターク・キャンディ・カンパニー英語版が製造販売を始め、1988年に同社を買収したネッコ英語版(New England Confectionery Company)が引き続き販売を行った。ネッコ社は年間80億個を製造していた[1]。ネッコ社の破綻に伴い、2018年以降はスパングラー・キャンディ・カンパニー英語版が販売している。ブラークス英語版の"Conversation Heart"など、類似の製品が他社からも販売されており[2]、イギリスにもラブハーツ英語版(Love Hearts)という名前の類似の製品がある。

歴史

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1847年、オリバー・R・チェイス(Oliver R. Chase)が、今日のネッコ・ウェハース英語版に似た砂糖菓子の製造を始めた[3]。当時は、格言が書かれた紙がパッケージに封入されていた[4]。オリバーの兄弟のダニエル・チェイスは、菓子の表面に、食紅でスタンプのようにメッセージをプリントする機械を発明し、1866年からこの菓子に様々な格言をプリントして販売を始めた。特に結婚に関連する格言が多かったことから、この菓子は結婚式の参列者への贈り物としてよく使われた[4]。ハート型の菓子は1901年から販売された。当時はハート型以外にも野球ボール、蹄鉄、時計など、様々な形のものが作られていた[4]

"LOL"とプリントされたスウィートハーツ

1990年代、ネッコ社のヴァイスプレジデントのウォルター・マーシャルは、古臭い文言を更新して新しいものにしようと考えた。この際に登場した"Fax Me"は注目を集め、ネッコ社には、新しい文言の提案が毎年数百件も寄せられるようになった。文言は、アメリカの若い世代の志向に合わせて改訂され続けている[4]

ネッコ社ではスウィートハーツを一年中製造販売しているが、9月から、パッケージや菓子の色を、バレンタインデー向きのものに変えている[1]

2010年、それまでのパステルカラーから鮮やかな色に変え、新しい味を追加した。しかし、これらは一部のファンからは不評だった[5][6]

2018年、ネッコ社は破産した。工場は閉鎖され[7]、同社が保有する商品のブランドは売却された。スウィートハーツの権利はスパングラー・キャンディ・カンパニー英語版が購入した[8]。スパングラー社は、ネッコ社のスウィートハーツの製造設備を自社工場に移設したが、2019年のバレンタインデーには間に合わなかった[9]。2020年、スパングラー社によりスウィートハーツが復活し、味も2010年の変更前のものに戻された。しかし、製造施設の問題で、印刷できる文言の種類が減っていた[10]

2022年2月14日、「バレンタインデー」がTwitterトレンドで1位になり、そのサムネイルの画像にスウィートハーツが使用された。しかし、販売されていない日本ではスウィートハーツになじみがなく、その見た目が違法薬物のMDMAに似ていることから話題となり、日本のTwitterトレンドに「MDMA」がランクインした[11]

脚注

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  1. ^ a b Dispatch, Lisa Abraham, The Columbus. “Candy hearts celebrating 150 years of sweetness”. The Columbus Dispatch. 2022年2月18日閲覧。
  2. ^ EGKOLFOPOULOU, MISYRLENA; Benveniste, Alexis; Bloomberg News (2019年2月13日). “With Candy-Heart Maker Necco Out of Business, Other Confectioners Vie for Valentine's Day Love”. Fortune. http://fortune.com/2019/02/13/candy-hearts-valentines-day/ 2019年2月14日閲覧。 
  3. ^ NECCO History Archived 2006-05-06 at the Wayback Machine.
  4. ^ a b c d Sweethears”. Necco. 2010年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月18日閲覧。
  5. ^ Gray, Joe (January 26, 2010). “Pining for old Sweethearts”. The Stew. http://leisureblogs.chicagotribune.com/thestew/2010/01/pining-for-old-sweethearts.html 
  6. ^ Floyd, Jacquielynn (February 12, 2010). “Conversation Hearts overhaul is tough for some fans to swallow”. The Dallas Morning News. 2022年2月18日閲覧。
  7. ^ Mettler, Lyn (2019年1月22日). “This classic Valentine's Day candy may be missing from store shelves this year”. The Today Show. 2019年1月23日閲覧。
  8. ^ Ewers, Josh (September 21, 2018). “Spangler Candy buys Sweethearts, NECCO, Canada Mints and New Era campus”. The Bryan Times. 2019年1月23日閲覧。
  9. ^ Lucas, Amelia (January 23, 2019). “America's favorite Valentine's Day candy is unavailable this year”. CNBC. https://www.cnbc.com/2019/01/23/americas-favorite-valentines-day-candy-is-unavailable-this-year.html 
  10. ^ Valentine's Sweethearts Candies Return This Year With Some New Changes” (英語). Time. 2022年2月18日閲覧。
  11. ^ バレンタインデーだというのにTwitterトレンドに「MDMA」 “バレンタイン”サムネ画像が誤解生む 実は150年以上の歴史あるキャンディー”. ねとらぼ (2022年2月14日). 2022年2月18日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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