ジピコリン酸
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ジピコリン酸[1] | |
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ピリジン-2,6-ジカルボン酸 | |
別称 2,6-ピリジンジカルボン酸 | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 499-83-2 |
PubChem | 10367 |
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特性 | |
化学式 | C7H5NO4 |
モル質量 | 167.1189 |
融点 |
248-250 ℃ |
危険性 | |
主な危険性 | 刺激性(Xi) |
Rフレーズ | R36/37/38 |
Sフレーズ | S26 S36 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ジピコリン酸(ジピコリンさん、dipicolinic acid)は、細菌の芽胞の乾燥重量の5~15%を占める有機化合物である[2][3]。芽胞が持つ耐熱性に関係した物質と考えられている[4][2] 。
しかしながら、ジピコリン酸が欠乏しているが耐熱性をもつ変異種が分離されており、他の耐熱機構が存在することが示唆されている[5]。
好気性バシラス属と嫌気性クロストリジウム属の2つの細菌の属が芽胞を作ることが知られている[6]。
ジピコリン酸は、納豆に含まれ、抗菌作用を有し、溶連菌、ビブリオ、O-157などへの強い抗菌効果が認められている。納豆湿質量100gに対し20mg前後のジピコリン酸が含まれている[7]。
脚注
[編集]- ^ 2,6-Pyridinedicarboxylic acid - Sigma-Aldrich
- ^ a b Sliemandagger, TA., Nicholson, WL. (2001). Role of Dipicolinic Acid in Survival of Bacillus subtilis Spores Exposed to Artificial and Solar UV Radiation. Applied and Environmental Microbiology 67(3). 1274-1279
- ^ Sci-Tech Dictionary. McGraw-Hill Dictionary of Scientific and Technical Terms, McGraw-Hill Companies, Inc.
- ^ Madigan, M., J Martinko, J. Parker (2003). Brock Biology of Microorganisms, 10th edition. Pearson Education, Inc., ISBN 981-247-118-9.
- ^ Prescott, L. (1993). Microbiology, Wm. C. Brown Publishers, ISBN 0-697-01372-3.
- ^ Gladwin, M. (2008). Clinical Microbiology Made Ridiculously Simple, MedMaster, Inc., ISBN 0-940780-81-X.
- ^ 須見洋行, 大杉忠則, 「納豆および納豆菌中の抗菌成分ジピコリン酸」『日本農芸化学会誌』 73巻 12号 1999年 p.1289-1291, doi:10.1271/nogeikagaku1924.73.1289
関連項目
[編集]- ピリジンジカルボン酸 - ジピコリン酸の異性体の一覧
- ピコリン酸
- ニコチン酸