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ジカルボン酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ジカルボン酸(ジカルボンさん、dicarboxylic acid)は、2つのカルボキシ基をもつ有機化合物のことである。ジカルボン酸の分子式は HOOC−R−COOH と書くことができる(Rはアルカンアルケンアルキンなどから誘導される2価の置換基)。ジカルボン酸はナイロンポリエチレンテレフタラートのような高分子共重合に使われる。

性質

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一般にジカルボン酸は、モノカルボン酸と同じような化学的性質や反応性を示す。しかし、ひとつのカルボキシル基がイオン化すると、もうひとつカルボキシル基のイオン化は比較的起こりにくくなる。これは、生成するカルボキシラートイオンどうしの静電気的な反発によるものである。また、構造上2つのカルボキシル基が接近している場合は分子内脱水縮合反応を起こし、環状のカルボン酸無水物をつくる。

主なジカルボン酸

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慣用名 IUPAC 示性式 構造式
シュウ酸 エタン二酸
マロン酸 プロパン二酸
コハク酸 ブタン二酸
グルタル酸 ペンタン二酸
アジピン酸 ヘキサン二酸
ピメリン酸 ヘプタン二酸
スベリン酸 オクタン二酸
アゼライン酸 ノナン二酸
セバシン酸 デカン二酸
フタル酸 ベンゼン-1,2-ジカルボン酸
o-フタル酸
イソフタル酸 ベンゼン-1,3-ジカルボン酸
m-フタル酸
テレフタル酸 ベンゼン-1,4-ジカルボン酸
p-フタル酸

関連項目

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