コンテンツにスキップ

ジェームズ軍

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジェームズ軍(Army of the James)
活動期間 1864年4月 - 1865年
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
軍種 アメリカ陸軍北軍
兵科
主な戦歴 南北戦争
指揮
著名な司令官 ベンジャミン・フランクリン・バトラー
エドワード・オード
テンプレートを表示

ジェームズ軍(Army of the James)は、南北戦争後期にバージニア州で活動した北軍で、その名前はジェームズ川に由来する。バージニア・ノースカロライナ軍管区(Department of Virginia and North Carolina)の管轄下にある部隊から構成されていた。

歴史

[編集]

北軍のバージニア軍管区とカロライナ軍管区は1863年に統合された。これら軍管区の管轄下にあった部隊は、第18軍団として組織された。1864年4月、南部軍管区(Department of the South)から第10軍団が異動になり、この2個軍団でジェームズ軍が構成された。ベンジャミン・フランクリン・バトラー少将が軍司令官に任じられた。

ユリシーズ・グラント中将のオーバーランド方面作戦中の1864年、バトラーはバージニア州ピーターズバーグリッチモンドに対する攻撃を何度か実施したが、成功しなかった。コールドハーバーの戦いでは、第18軍団はポトマック軍の支援に派遣され、ピーターズバーグ包囲戦にも参加した。ピーターズバーグ包囲戦中、ジェームズ軍は主にリッチモンドを包囲していた。

ジェームズ軍司令官としてのバトラーの唯一の成功は、1864年9月のチャフィン農園の戦いでの勝利であり、ハリソン砦も含めて、リッチモンドを防衛する南軍を打ち破った。12月、軍の組織変更が行われ、第10軍団と第18軍団は解散され、黒人兵士から構成される第25軍団と、白人兵士で構成される第24軍団に再編された。また、バージニア軍管区とノースカロライナ軍管区は再び分割された。これら部隊はフィッシャー砦遠征軍団(ort Fisher Expeditionary Corps)を編成してフィッシャー砦(Fort Fisher)へ向かった。バトラーは軍管区司令官としての立場を利用して遠征軍団の指揮をとったが、第一次フィッシャー砦の戦いFirst Battle of Fort Fisher)での敗北後、グラントはエドワード・オードをジェームズ軍司令官に任命した。

オードのリーダーシップの下、ジェームズ軍は目覚しい成功を収めた。第25軍団はピーターズバーグへの最後の突撃に参加し、第25軍団は陥落したリッチモンドに入城した最初の部隊となった。オードと第24軍団はアポマトックス・コートハウスまで南軍を追跡し、ロバート・E・リー大将の退路を遮断した。その後、ジェームズ軍は南軍北バージニア軍の降伏に立ち会った。

歴代軍司令官

[編集]

主な戦闘と作戦

[編集]

戦闘序列

[編集]

チャフィン農園の戦いの戦闘序列

[編集]

ジェームズ軍司令官:ベンジャミン・フランクリン・バトラー少将

軍団 師団 旅団

第10軍団
David B. Birney少将

第1師団
アルフレッド・テリー准将

  • 第1旅団(4個歩兵連隊)
  • 第2旅団(5個歩兵連隊)
  • 第3旅団(5個歩兵連隊)

第2師団
Robert Sanford Foster准将

  • 第1旅団(4個歩兵連隊)
  • 第2旅団(5個歩兵連隊)
  • 第3旅団(6個歩兵連隊)

第3師団 編成未了

  • 第1旅団(1個歩兵連隊、4個黒人連隊)

砲兵部隊

  • 砲兵旅団(9個砲兵連隊)

第18軍団
エドワード・オード少将(負傷)
Charles Adam Heckman准将
Godfrey Weitzel少将

第1師団
ジョージ・スタナード准将
Gilman Marston准将

  • 第1旅団(4個歩兵連隊)
  • 第2旅団(4個歩兵連隊)
  • 第3旅団(4個歩兵連隊)

第2師団
Charles Adam Heckman准将
Harrison S. Fairchild大佐
Charles Adam Heckman准将

  • 第1旅団(3個歩兵連隊)
  • 第2旅団(2個歩兵連隊)
  • 第3旅団(2個歩兵連隊)

第3師団
Charles Jackson Paine准将

  • 第1旅団(3個黒人連隊)
  • 第2旅団(3個黒人連隊)
  • 第3旅団(2個黒人連隊)

砲兵部隊

  • 砲兵旅団(13個砲兵連隊)

騎兵部隊

騎兵師団
August Kautz准将

  • 第1騎兵旅団(2個歩兵連隊)
  • 第2騎兵旅団(2個歩兵連隊)
  • 1個砲兵中隊

アポマトックス方面作戦の戦闘序列

[編集]

北軍戦闘序列

軍団

北軍総司令官
ユリシーズ・グラント中将

ポトマック軍
ジージ・ミード少将

ジェームズ軍
エドワード・オード少将

シェナンドー軍
フィリップ・シェリダン少将

  • 騎兵軍団

ジェームズ軍戦闘序列

軍団 師団 旅団

バーミュダ・ハンドレッド防衛部隊
George Lucas Hartsuff准将

歩兵師団
Edward Ferrero准将

  • 第1旅団(3個歩兵連隊、1個重砲中隊)
  • 第2旅団(2個重砲中隊)
  • 砲兵部隊(1個野砲中隊)

独立旅団
Joseph Bradford Carr准将

  • ポカホンタス砦(3個騎兵連隊、1個重砲中隊)
  • ハリソンズ・ランディング(1個歩兵連隊、1個黒人騎兵連隊)
  • ポーハタン砦(1個歩兵連隊、2個騎兵中隊、1個重砲中隊)

砲兵部隊

  • 4個野砲中隊、2個重砲中隊

第24軍団
ジョン・ギボン (将軍)少将

第1師団
Robert S. Foster准将

  • 第1旅団(5個歩兵連隊)
  • 第3旅団(5個歩兵連隊)
  • 第4旅団(5個歩兵連隊)

第3師団
Charles Devens准将

  • 第1旅団(6個歩兵連隊)
  • 第2旅団(7個歩兵連隊)
  • 第3旅団(5個歩兵連隊)

独立師団
John W. Turner准将

  • 第1旅団(3個歩兵連隊)
  • 第2旅団(3個歩兵連隊)
  • 第3旅団(3個歩兵連隊)

砲兵部隊

  • 4個野砲中隊、2個重砲中隊

第25軍団
Godfrey Weitzel少将

第1師団
August Kautz少将

  • 第1旅団(4個黒人歩兵連隊)
  • 第2旅団(4個黒人歩兵連隊)
  • 第3旅団(4個黒人歩兵連隊)
  • 随伴旅団(2個黒人歩兵連隊)
  • 騎兵部隊(1個黒人騎兵連隊)

第2師団
William Birney准将

  • 第1旅団(3個黒人歩兵連隊)
  • 第2旅団(4個黒人歩兵連隊)
  • 第3旅団(2個黒人歩兵連隊)

砲兵部隊

  • 8個野砲中隊

騎兵

騎兵師団
ラナルド・S・マッケンジー准将

  • 第1騎兵旅団(2個騎兵連隊)
  • 第2騎兵旅団(3個騎兵連隊)
  • 砲兵部隊(1個砲兵中隊)

参考資料

[編集]

外部リンク

[編集]