コンテンツにスキップ

シンガポールの夜は更けて

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「シンガポールの夜は更けて」
橋幸夫シングル
初出アルバム『恋のメキシカン・ロック/橋幸夫ベストヒット14
(LP・SJV-290)』
B面 南十字に涙して
リリース
ジャンル 歌謡曲
時間
レーベル ビクター (SV-496)
作詞・作曲 佐伯孝夫(作詞)
吉田正(作曲)
チャート最高順位
  • 月間1位(『明星』第42回)
橋幸夫 シングル 年表
霧氷
(1966年10月15日)
シンガポールの夜は更けて殺陣師一代
(1967年1月20日)
テンプレートを表示

シンガポールの夜は更けて』は、1966年12月10日にビクターより発売された橋幸夫の85枚目のシングル (SV-496)[1]。橋が主演する同名の映画の主題歌となっている(後述)。

概要

[編集]
  • 作詞は佐伯孝夫、作・編曲は吉田正で、橋の両恩師による楽曲である。12月5日に「霧氷」で2度目のレコード大賞を受賞した橋が、受賞直後にリリースした楽曲となる。当時はレコード大賞の発表は12月の上旬が通例であった。
  • 海外を対象とした橋の楽曲は、「恋のメキシカン・ロック」「夢見るジェーン」「東京-パリ」などいくつかあるが、本楽曲が海外をテーマとした最初の楽曲となる。
  • 佐伯の歌詞は「シンガポール」を6回使用し、その他に「ナイトクラブ」「シーサイド」「エトランセ」などカタカナを使用して「ロマンチックな旅情」[2]を演出している。また楽曲制作と並行して、同名での映画作成も制作された。
  • 海外(シンガポール)を対象にしたため、曲づくりのため、橋と吉田は10月初旬、現地を旅行し、吉田はそこで楽曲を練った[2]。印象的なイントロはこの時生まれた。また楽曲制作と並行して、同名での映画作成も制作された。
  • ジャケットは二つ折りで、見開き頁に歌詞が掲載されているが、「シンガポールの夜は更けて」については楽譜も記載されている。4頁(裏面)には、橋が吉田とシンガポールを旅行した際のスナップ写真が3枚掲載されている。
  • ランキングは『明星』第42回で「霧氷」を押さえて月間1位(「霧氷」は9位)、同月の『平凡』では「霧氷」が1位で、本楽曲はまだベスト10に顔を出していない。
  • c/wは「南十字に涙して」。この曲も同じく佐伯孝夫作詞、吉田正作曲で、映画『シンガポールの夜は更けて』の主題歌となっている。

収録曲

[編集]
  1. シンガポールの夜は更けて
    作詞:佐伯孝夫、作・編曲:吉田正
  2. 南十字に涙して
    作詞:佐伯孝夫、作・編曲:吉田正

収録アルバム

[編集]

この曲は、初期のLP盤アルバムには収録されているが、CDでリリースされたベストアルバムへの収録はない。記念アルバムやCD-BOXには収録されている。

  • 記念アルバムでの収録は以下のとおり
    芸能生活45周年記念盤『歌の架け橋』2005/12(VICL-61843〜5)DISC-2
    芸能生活50周年記念盤『道程(みちのり)』2010/6(VIZL-584)DISC-1(ニューボーカル)
  • CD-BOXでの収録は以下のとおり
    『橋幸夫大全集』(CD-BOX 6枚組) [1993年9月20日発売] DISC-5
    『橋幸夫のすべて』(CD-BOX 5枚組) [2011年2月8日発売] DISC-4
    『橋幸夫ベスト100+カラオケ15』(CD-BOX 5+1枚組) [2015年10月28日発売] DISC-5

映画

[編集]
シンガポールの夜は更けて
Under the Stars of Singapore
監督 市村泰一
脚本 成澤昌茂
桜井義久
原作 成澤昌茂
製作 沢村国男
出演者 橋幸夫
由美かおる
音楽 小川寛興
撮影 小杉正雄
編集 杉原よ志
製作会社 松竹
公開 日本の旗 1967年1月2日
上映時間 93分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

1967年1月2日に松竹系で公開された。1時間33分[3]。カラー。

橋と由美かおるの初共演作であり、彼らはこの後も『バラ色の二人』(1967年4月15日公開)、『恋のメキシカンロック 恋と夢と冒険』(1967年8月19日公開)と、同じ年に公開された松竹映画で連続共演している。監督は、橋の主演映画を何作も担当してきた市村泰一。

橋は百発百中の腕を持つというクレー射撃場の指導員・三崎敦役で、由美はマレー踊りの臨時教師としてシンガポールから来日した東華飯店の娘・王明芳役で出演。敦は明芳から自分の異母妹・白蘭がシンガポールの彼女の店で踊り子をやっていたことを聞いて驚き、現地に向かう。しかし妹は非業の死を遂げており、ここから彼女の死の真相に迫っていくストーリー。

スタッフ

[編集]
  • 製作:沢村国男
  • 原作:成澤昌茂
  • 脚本:成澤昌茂、桜井義久
  • 監督:市村泰一
  • 撮影:小杉正雄
  • 美術:芳野尹孝
  • 音楽:小川寛興
  • 録音:鈴木正男
  • 照明:佐久間丈彦
  • 編集:杉原よ志
  • スチール:梶本一三

出演者

[編集]

同時上映

[編集]

映像ソフト

[編集]

1997年9月20日に一度本作を収録したVHSビデオソフトが松竹ホームビデオから発売されたが、その後はビデオソフト化されていない。

出典

[編集]
  1. ^ 「シングルレコード・ディスコグラフィティ」橋幸夫・小野善太郎共著『橋幸夫歌謡魂』ISBN 4-948735-16-7 ワイズ出版(東京)1993/6 168-209頁参照
  2. ^ a b 月刊『明星』第2付録(歌本) 集英社(東京)1967/2 90頁参照
  3. ^ 橋幸夫、小野善太郎『橋幸夫歌謡魂』1993年、292頁。 

外部リンク

[編集]