コンテンツにスキップ

シッダールタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シッダールタ
著者ヘルマン・ヘッセ
ドイツ
言語ドイツ語
出版日1922年

シッダールタ』(原題:Siddhartha. Eine indische Dichtung)は、ドイツの作家ヘルマン・ヘッセノーベル文学賞受賞)の長編小説で、1922年に出版。

1919年から1922年にかけ、スイスのモンタニョーラで執筆された。釈迦の出家以前の名前を借りて、求道者の悟りの境地に至るまでの苦行や経験を描いている。1972年にコンラッド・ルークス監督で映画化された。

梗概

[編集]

紀元前6世紀のインド。父親、母親、友人…全ての人からの寵愛を受けるシッダールタは、それらの物から自分の幸福を満たすことはできないと悟り、沙門の道を選ぶ。沙門の先達とともに行動をともにするが、多くのことを経験したのち、沙門道では自分は救われないと感じる。その頃、涅槃に達した仏陀という人がいるという話を聞き、仏陀のところへ赴く。仏陀が悟りに達していることは認めながら、教えの中に一点の不完全さを指摘し、弟子になる道を選ばず、衆生の中へ入っていく。遊女カマーラを知り、事業に従事して成功するが、満足を得られず、川にたどり着く。川から学んだシッダールタは、一切をあるがままに愛する境地に到達する。

日本語訳

[編集]
  • シッタルタ (三井光弥訳、新潮社、1925)
  • 悉達多 (手塚富雄訳、「ヘッセ全集」三笠書房、1939、新版1963)
  • ジッタルタ 印度の譚詩 (芳賀檀訳、人文書院、1952)、のち新版「著作集」
  • 内面への道 シッダールタ (高橋健二訳、新潮社「ヘッセ全集」、1958、新版1982)
    • 「シッダールタ」(新潮文庫、1959、改版1971、再改版1992、新装2012)
      • 「シッダールタの旅」、竹田武史構成・写真(新潮社、2013)。高橋訳を用いた小版写真集
  • シッダールタ (秋山英夫訳、世界文学全集 講談社、1975)
  • シッダールタ (岡田朝雄訳、草思社、2006/草思社文庫、2014)
  • シッダールタ(ヘルマン・ヘッセ全集12、日本ヘルマン・ヘッセ友の会・研究会編訳、臨川書店、2007)