シェリング・プラウ
シェリング・プラウ(Schering-Plough Corporation)は、かつて存在したアメリカ合衆国の大手製薬会社である。
本社をニュージャージー州・ケニルワースに置き、医薬品事業のほか「ドクター・ショール」ブランドでのフットケア事業、および「コパトーン」ブランドでのスキンケア事業も行っていた。
2009年、同じくニュージャージー州を拠点とする製薬会社であるメルク(Merck & Co.)に吸収合併されて消滅した。
概要
[編集]前史
[編集]- プラウ社
エイブ・プラウ(Abe Plough)により1908年、テネシー州・メンフィスに設立され、急成長を遂げてメイベリン(現在はロレアル傘下)やコパトーンも傘下に収めた。
- シェリング社
1851年、ドイツに設立された「シエーリング (Schering AG)」が始まりである。
- アメリカ合衆国のシエーリング
- ドイツ本国のシェーリング
- ドイツのシエーリングは2006年、バイエル(Bayer AG) に統合され、バイエル・シェーリング・ファーマ(Bayer Schering Pharma )となった。
歴史
[編集]シェリング・プラウは1971年、シェリング社(アメリカ合衆国)とプラウ社の合併によって設立された。初代会長はプラウ社の創設者、エイブ・プラウであった。
2007年、婦人科向け医薬品に強みを持つ製薬会社・オルガノン(Organon)社を、オランダのアクゾ・ノーベル社から144億ドルで買収して統合した。
しかしながら2009年11月、同じくニュージャージー州に本社を置くアメリカ合衆国の製薬会社・メルク社(Merck & Co.)に買収されて消滅した。
日本での事業
[編集]日本法人としてシェリング・プラウ株式会社があり、本社を大阪市に置いていた。
2008年(平成20年)7月には、シェリング・プラウ本体によるオランダの製薬会社・オルガノンの吸収合併に伴い、同社の日本法人であった日本オルガノンの事業を統合した。
しかしながら、シェリング・プラウ本体がメルク(Merck & Co.)に買収された翌年である2010年(平成22年)10月1日、メルクの日本法人であった万有製薬に統合されて消滅した。統合後の新会社は、MSD (Merck Sharp and Dohme) 株式会社として東京・九段北に本社を置いて営業している。
扱っていた主な製品
[編集]- クラリチン(抗ヒスタミン剤、アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎治療薬)
- イントロン・ペグイントロン(インターフェロンα・C型肝炎治療薬)
- レベトール(抗ウイルス薬・C型肝炎患者向け、上記のインターフェロン製剤と併用で使われる)
- ナゾネックス(点鼻ステロイド薬、アレルギー性鼻炎治療薬)
- アズマネックス(吸入ステロイド薬、気管支喘息治療薬)
- ゼチーア(コレステロール吸収阻害剤、高コレステロール血症治療薬)
外部リンク
[編集]- Merck & Co., Inc. グローバルサイト
- MSD (Merck Sharp & Dohme) 株式会社 日本法人サイト