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サフラワー油

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
原料となるベニバナ
原料となるベニバナ
油はベニバナの種子を絞って採る
油はベニバナの種子を絞って採る

サフラワー油(サフラワーゆ、Safflower oil)は、ベニバナ種子から採取される油脂紅花油(べにばなゆ)、サフラワーオイルとも呼ばれ、主に食用油として用いられる。 ひまわり油であるサンフラワー油と誤記されやすい。

歴史

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ベニバナは色素原料として古くから栽培されてきたが、食用油原料として用いられるようになったのは近代に入ってからである。1950年頃からアメリカで商業生産が始まったが、当時は塗料ワニスなどの原料として利用された。工業用としては1960年代頃から生産が増えた安価な大豆油に代わられ、サフラワー油の用途は食用へと変化していった。

日本には1958年にサラダ油として販売が始まった。当時日本にはベニバナに対する関税の規定がなく、価格面で大豆油と対抗できた。1957年に、オレイン酸を主成分とするベニバナの変種が発見され、のちに品種改良によりハイオレイック(高オレイン酸)油として生産されるようになった。1990年代に入るとリノール酸の摂りすぎの弊害[1]が指摘され、従来の高リノール酸タイプからハイオレイックタイプへの転換が進んだ。

用途

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食用

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日本ではリノール酸に対するかつての健康イメージもあり、主に家庭用高級食用油として、大豆油や菜種油に比べ高価格で販売されている。日本での消費量は年間約6万トン前後で推移している。水素添加すると粗い結晶が生じるため、そのままではマーガリンなどには適さないが、綿実油の添加によりある程度防止できる。

サフラワー油の栄養価
サフラワー油(salad or cooking, high oleic (primary safflower oil of commerce) )
100 gあたりの栄養価
エネルギー 3,699 kJ (884 kcal)
0 g
糖類 0 g
食物繊維 0 g
100 g
飽和脂肪酸 7.541 g
トランス脂肪酸 0.096 g
一価不飽和 75.221 g
多価不飽和 12.82 g
0.096 g
12.724 g
0 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(0%)
0 µg
(0%)
0 µg
0 µg
チアミン (B1)
(0%)
0 mg
リボフラビン (B2)
(0%)
0 mg
ナイアシン (B3)
(0%)
0 mg
パントテン酸 (B5)
(0%)
0 mg
ビタミンB6
(0%)
0 mg
葉酸 (B9)
(0%)
0 µg
ビタミンB12
(0%)
0 µg
コリン
(0%)
0.2 mg
ビタミンC
(0%)
0 mg
ビタミンD
(0%)
0 IU
ビタミンE
(227%)
34.1 mg
ビタミンK
(7%)
7.1 µg
ミネラル
ナトリウム
(0%)
0 mg
カリウム
(0%)
0 mg
カルシウム
(0%)
0 mg
マグネシウム
(0%)
0 mg
リン
(0%)
0 mg
鉄分
(0%)
0 mg
亜鉛
(0%)
0 mg
マンガン
(0%)
0 mg
セレン
(0%)
0 µg
他の成分
水分 0 g
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)
サフラワー油(salad or cooking, high oleic (primary safflower oil of commerce) )(100g中)の主な脂肪酸の種類[2]
項目 分量(g)
脂肪 100
飽和脂肪酸 7.541
10:0(カプリン酸 0.093
16:0(パルミチン酸 4.86
18:0(ステアリン酸 1.915
20:0(アラキジン酸 0.384
22:0(ベヘン酸 0.289
一価不飽和脂肪酸 75.221
16:1(パルミトレイン酸 0.095
18:1(オレイン酸 74.742
20:1 0.288
多価不飽和脂肪酸 12.82
18:2(リノール酸 12.724
18:3(α-リノレン酸 0.096

画材

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油絵に使われるサフラワー油
油絵に使われるサフラワー油

サフラワー油は乾性油であり、精製したものは油絵の溶き油としても用いられる。亜麻仁油と比べると乾燥が遅く、塗膜の強度は劣るが、比較的黄変しにくい。こちらの用途には固まりやすい高リノール酸タイプが適する[3]

性質

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脚注

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参考文献

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  • 藤田哲『食用油脂 : その利用と油脂食品』幸書房、東京、2000年。ISBN 4-7821-0173-2 
  • 山嶋哲盛『サラダ油が脳を殺す :「錆び」から身体を守る』河出書房新社、2012年。ISBN 978-4-309-25269-8 

関連項目

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