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サキシマヌマガエル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サキシマヌマガエル
サキシマヌマガエル標本(北九州市立自然史・歴史博物館所蔵、大阪市立自然史博物館展示)
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 両生綱 Amphibia
: 無尾目 Anura
: ヌマガエル科 Dicroglossidae
: ヌマガエル属 Fejervarya
: サキシマヌマガエル F. sakishimensis
学名
Fejervarya sakishimensis Matsui, Toda et Ota, 2007[1]
和名
サキシマヌマガエル[1]
英名
Sakishima rice frog[2]

サキシマヌマガエル学名: Fejervarya sakishimensis)は、ヌマガエル科に分類されるカエルの1種。

2007年に、東南アジアから中国、日本にかけて広く分布する Fejervarya limnocharis から区別され、新種として記載された[3][注 1]

分布

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日本固有種で、宮古諸島池間島宮古島伊良部島下地島来間島)及び八重山諸島石垣島竹富島小浜島西表島波照間島)に自然分布する[2]

また、これらの島嶼から、大東諸島北大東島南大東島)、宮古諸島(多良間島)、八重山諸島(黒島与那国島)に移入していることがわかっている[2]。与那国島には1920年代前半に、大東諸島には1921年ごろ及び1970年代に移入されたと考えられている[2]

特徴

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体長は、雄が41〜57mm、雌が50〜69mm[2]

体色には個体差があり、灰褐色から茶褐色で、不定形な暗色の斑紋が見られる。また、背面の皮膚には隆条突起や小さな顆粒状突起が散在する[4]。背側線はないが、明瞭な背中線を持つ個体もいる[4]

水田、河川や山中に生息する[4]。側溝や庭先に見られることもあり、雨天時には水辺から遠く離れて活動することもある[4]

食性は動物食で、夜間に小型の無脊椎動物などを食べる[4]。ヌマガエルより警戒心が強く、動きも俊敏、跳躍力も強い[4]

ヌマガエルと比較し、頭胴長が長く、頭胴長に対する頭長や鼻間距離等の割合が小さい点などが異なっている[3]。また、背中線を持ち、背側線がなく、腹が白いこともヌマガエルと異なる[2]。また、水辺近くに生息するヌマガエルとは異なり、水系から離れた森林域にも生息する[2]

繁殖期は3-8月[4] で、3300-3800個[4] の卵を産む。雄は夜間の水辺で鳴き、雌を呼ぶ。雌は止水地や流れの穏やかな河川、側溝や一時的な水溜まりなどの水辺に少量ずつ複数回に分けて産卵し、卵は卵は水草や水底に付着する[4]

ヌマガエルと比較し、頭胴長が長く、頭胴長に対する頭長や鼻間距離等の割合が小さい点などが異なっている[3]。また、背中線を持ち、背側線がなく、腹が白いこともヌマガエルと異なる[2]。また、水辺近くに生息するヌマガエルとは異なり、水系から離れた森林域にも生息する[2]。また、繁殖行動はヌマガエルに似るものの、雄の鳴き声はヌマガエルとは異なる[2]

脚注

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注釈

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  1. ^ その後、中国、台湾、日本産のものが Fejervarya kawamurai として記載されている。ヌマガエルを参照。

出典

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  1. ^ a b 日本爬虫両棲類学会日本産爬虫両生類標準和名(2014年11月9日改訂版)』(2015年5月5日閲覧)
  2. ^ a b c d e f g h i j 国立研究開発法人国立環境研究所「サキシマヌマガエル」『侵入生物データベース』(2015年5月5日閲覧)
  3. ^ a b c Matsui, Masafumi, Mamoru Toda, Hidetoshi Ota, "A New Species of Frog Allied to Fejervarya limnocharis from the Southern Ryukyus, Japan (Amphibia: Ranidae)." Current Herpetology, Vol. 26, No. 2, 2007, pp.65-79.
  4. ^ a b c d e f g h i 高田榮一・大谷勉『原色爬虫類・両生類検索図鑑』北隆館、2011年6月1日、198頁、ISBN 978-4-8326-0756-9