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コロンビアマンモス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コロンビアマンモス
生息年代: 1.5–0.011 Ma
ラ・ブレア・タールピットから発掘された標本
地質時代
更新世 - 完新世
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
上目 : アフリカ獣上目 Afrotheria
: ゾウ目 Proboscidea
: ゾウ科 Elephantidae
亜科 : ゾウ亜科 Elephantinae
: アジアゾウ族 Elephantini
: マンモス属 Mammuthus
: コロンビアマンモス M. columbi
学名
Mammuthus columbi Falconer, 1857
英名
Columbian mammoth

コロンビアマンモス (学名Mammuthus columbi) は哺乳綱長鼻目ゾウ科マンモス属の一種である。マンモス属としては最大かつ最後に現れた種である。

概要

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復元図

コロンビアマンモスは、およそ150万年前にアジアから北米に入ったステップマンモスから進化した。カリフォルニアのチャンネル諸島ピグミーマンモスは、コロンビアマンモスが島嶼化した種と考えられる。

コロンビアマンモスは現在のアメリカ合衆国からメキシコにかけて生息し、カナダなどより北方の地域にはケナガマンモスが生息していた、両者の生息範囲は重複している可能性があり、遺伝的な証拠はそれらが交配したことを示唆している。ラ・ブレア・タールピットなど天然の落とし穴から多数の化石が発掘されている。軟体部の標本は知られていない。

発掘中のコロンビアマンモスの骨たち(サウス・ダコタ州のホットスプリングスのマンモスサイト)

種が絶滅するまでの数千年間、コロンビアマンモスはパレオ・インディアンの狩猟の対象とされ、クローヴィス文化の遺跡からはマンモスの骨やそれを加工した道具・装飾品が発見されている。コロンビアマンモスは更新世の終わりに姿を消した。原因は気候変動や人間による狩猟、またはその両方の組み合わせによる生息地の喪失の結果とみられている。

温暖な気候に生息していたため体毛が密集していたのは喉元や尻尾などごくわずかであり、分厚い皮膚でスミロドンなどの外敵から身を守っていた可能性が高い[1]。またかつてはインペリアルマンモス(Mammuthus imperator )という種も存在するとされていたがこちらは現在はコロンビアマンモスのシノニムないし俗称として扱われる。これは威圧感のある見た目がマンモスの帝王と呼ぶにふさわしいほどだというのが語源である。

長大な牙は著しく湾曲し、時に交差することもあったという。その牙の大きさは現生のアフリカゾウを上回る4メートル以上だったとされ、外敵への威嚇やオス同士の闘争、採食の際に雪や土を払いのける役目があったなどと推測されている。[1][2]またその大きさはショウカコウマンモスナルバダゾウパラケラテリウムと並び陸生哺乳類としては史上最大級で、体重は20トンにも達したという。[1]

人間と5種のマンモスの大きさ比較。
コロンビアマンモスは青色。

脚注

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  1. ^ a b c 『絶滅動物最強王図鑑』学研、2016年7月27日、49頁。 
  2. ^ 川崎悟司イラスト集・インペリアルマンモス(Mammuthus imperator )”. paleontology.sakura.ne.jp. 2024年10月19日閲覧。