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コロッケそば

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コロッケうどんから転送)
コロッケそば
コロッケそば(箱根そば
名代富士そば」の食品サンプルケース。中央左上に「コロッケそば/うどん」がある(2006年撮影)

コロッケそば(コロッケ蕎麦)は、コロッケトッピングしたそば

概要

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主に関東立ち食いそば駅そばチェーンそば店で提供される、安価なメニューとして知られる[1][2][3][4]。比較的マイナーな料理だが、一定数のファンがいる[2][5][6][7]

明確な定義や調理法は決まっていない。そばは温かいかけそば、コロッケはポテトコロッケを用いるのが一般的だが[1][3]、ポテトコロッケでない場合や[1]「冷やしコロッケそば」「コロッケうどん」も存在する[8]

食べ方も決まっておらず、汁が染みたコロッケを崩さないように食べる人もいれば、崩してポタージュのようにする人、半分は崩さず半分は崩す人もいる[5][9]。別皿に移して食べる人もいる[5][10]

店側にも利点があり、コロッケは冷凍食品として広く普及していることや[5]、コロッケは天ぷらなど他の揚げ物に比べ、作り置きしても味が落ちにくいことが挙げられる[4]精肉店がコロッケをラードで揚げるのに対し、そば屋は植物油で揚げており、それゆえそばに合うさっぱりしたコロッケになる、とも言われる[11][6]

歴史

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コロッケそば(銀座 そば所 よし田)
コロッケそば(大阪 潮屋 梅田店)

コロッケそばの起源は定かでない[12][7]

明治時代にはすでに存在していたが、当時はポテトコロッケでなく「鶏肉のつくね素揚げ[1]」(「揚げしんじょ」とも言われる[5])を乗せたそばを指していた。1898年明治31年)雑誌『太陽』に掲載された斎藤緑雨の随筆『ひかえ帳』に最古の言及がある[13][1]。そこで言及されている東京日本橋浜町にあったそば屋「吉田」は、21世紀現在も銀座で「そば所 よし田」として続いており、当時のコロッケそばを食べることができる[1][14]

ポテトコロッケのそばは、1965年昭和40年)創業の「箱根そば」が、遅くとも1972年(昭和47年)の下北沢店オープン時から提供しており[5]、関東で普及するきっかけになったと言われる[2]。「箱根そば」では伝統的にカレー味のポテトコロッケを用いている[2][9]

大阪新梅田食道街にある「潮屋 梅田店」も、1969年(昭和44年)の創業以来、カレー味で提供している[2][5]。しかし関西ではコロッケそば自体が普及しなかった[2][5]。普及しなかった理由は、関西ではうどん文化が主流だったため[9]、あるいはコロッケに合わない薄口の汁が主流だったため[2][5]、とされる。

「箱根そば」や「潮屋 梅田店」が提供を開始した時期は、高度経済成長期の末期にあたり、冷凍技術が浸透し、屋台そばが駅そばに置き換わり、洋食の一般化が進んだ時期でもあった[5]

名代富士そば」もコロッケそばを提供しており、2021年には「東京名物 コロッケそばを広めようの会」という広報企画を立ち上げている[5]

2011年東洋水産カップ麺マルちゃん ほくほくのコロッケそば」を発売[15]2016年HOKUOが「箱根そばコロッケパン」を発売[16]2023年NewDaysが「蕎麦屋のコロッケそば風おにぎり」を発売[17]2024年セブンイレブンチルド食品のコロッケそばを発売した[18]

受容

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落語家柳家喬太郎は、コロッケそば好きが高じて、古典落語時そば」のでコロッケそばについて語ることで知られる[11][5]。このネタのしまいに喬太郎は擬人化されたコロッケたちを演じる。

1988年のアニメ『機動警察パトレイバー アーリーデイズ』第5話には、主人公がコロッケそばを食べるシーンがある[19]2023年、「名代富士そば」が同作の35周年に合わせコラボ企画を開催[19]。翌年も開催した[20]

YouTuberエッセイスト酒村ゆっけは、「心が枯れそうなときに救ってくれたご飯」として、仕事終わりの深夜に食べた「名代富士そば」のコロッケそばを挙げている[21]

声優大西亜玖璃は、好物の「名代富士そば」のコロッケそばやコロッケうどんを食べたことをSNSで度々発信しており、大西のファンが富士そばに来店することも増えたことに対し、富士そば公式ツイッターが感謝のツイートをした[22]

関連項目

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脚注

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  1. ^ a b c d e f 近代食文化研究会 (2022年9月8日). “これがコロッケ!?明治時代の姿を残す銀座の「元祖コロッケそば」とは”. アーバンライフメトロ. メトロ アド エージェンシー. 2023年9月27日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g 張英壽 (2015年8月19日). “【関西の議論】関西人未知の「コロッケそば」実は大阪がルーツ? 創業半世紀の老舗がJR大阪駅前にあった!!”. 産経WEST. 産経デジタル. 2023年9月27日閲覧。
  3. ^ a b 土原亜子 (2017年9月29日). “立ち食い蕎麦マニアが“コロッケそば”に辿り着く理由とは?”. 食楽web. 徳間書店. 2023年9月27日閲覧。
  4. ^ a b 立ち食いそばで最強か?「コロッケそば」ファンが語る数々の魅力”. マネーポストWEB. 小学館 (2020年12月13日). 2023年9月27日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l 宮畑譲「こちら特報部 コロッケそばを「B級」「東京」推し麺に」『東京新聞』中日新聞東京本社、2022年6月27日、朝刊、20–21面。2023年9月27日閲覧。
  6. ^ a b 坂崎仁紀 (2020年7月21日). “東京圏で「コロッケそば」を食べるならこの人気店“6選”――コロッケそば「6つのナゾ」とは”. 文春オンライン. 文藝春秋. 2023年9月27日閲覧。
  7. ^ a b マッキー牧元「東京・食のお作法(第5回)コロッケそばのお作法」『本の話』16(5) (通号 180) 2010.5、文藝春秋、国立国会図書館書誌ID:10678219 p.51
  8. ^ 「冷やしコロッケそば・うどん」が待望の初登場!!『箱★1グランプリ』で人気投票1位を獲得した「コロッケそば・うどん」の冷やしバージョンと、期間限定冷やしそば2品を4月22日から販売中!!』(プレスリリース)小田急レストランシステム、2019年4月26日https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000042301.html2023年9月27日閲覧 
  9. ^ a b c うどん文化の関西人も唸らせる!箱根旅行で絶対に食べたい「元祖コロッケそば」”. アサ芸プラス. 徳間書店 (2023年8月1日). 2023年9月27日閲覧。
  10. ^ 静岡・三島 全国屈指のコロッケそばで食べ方を極める”. ドランク塚地のふらっと立ち食いそば. BS日本 (2023年6月5日). 2023年9月27日閲覧。
  11. ^ a b 坂崎仁紀 (2019年8月20日). “老舗そば屋にはない ポテトコロッケをのせた「コロッケそば」はありか、なしか問題”. 文春オンライン. 文藝春秋. 2023年9月27日閲覧。
  12. ^ 岡田哲『コムギ粉料理探究事典』東京堂出版、1999年、142頁。ISBN 9784490105186 
  13. ^ コロッケ蕎麦」『和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典』https://kotobank.jp/word/%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%B1%E8%95%8E%E9%BA%A6コトバンクより2023年9月28日閲覧 
  14. ^ 泉麻人 (2017年3月24日). “よし田コロッケそば伝説”. GINZA OFFICIAL. 銀座インフォメーションマネジメント. 2023年9月27日閲覧。
  15. ^ 「マルちゃん ほくほくのコロッケそば」発売(東洋水産)」『日本食糧新聞』日本食糧新聞社、2011年12月7日、10面。2023年9月29日閲覧。
  16. ^ コロッケそばをパン化、フランスパンを天そば化 小田急グループ”. 乗りものニュース. メディア・ヴァーグ (2016年3月11日). 2023年9月27日閲覧。
  17. ^ NewDays「スゴおに」2周年 特別商品と無料引換クーポンキャンペーン開始”. ORICON NEWS (2023年6月1日). 2023年9月27日閲覧。
  18. ^ 【セブン】低価格路線で399円!驚きの「コロッケそば」を食べてみた【うれしい値】(ネタフル) - エキスパート”. Yahoo!ニュース. 2024年10月21日閲覧。
  19. ^ a b 名代富士そばと「パトレイバー」がコラボ!! “コロッケそば”をフィーチャー”. ASCII.jp. 角川アスキー総合研究所 (2023年8月1日). 2023年9月27日閲覧。
  20. ^ 『機動警察パトレイバー』富士そばとのコラボが9月6日~9月30日まで開催。劇場版のビジュアルをオマージュしたコラボポスターを公開。コロッケそばは……いつだって最高だよ。 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com”. ファミ通.com. 2024年10月21日閲覧。
  21. ^ 酒村ゆっけ、『無職、ときどきハイボール』ダイヤモンド社、2021年、Kindle の位置No.497-498。ISBN 978-4478111093 
  22. ^ 富士そば公式、大西亜玖璃が食べる定番メニュー特定 ファン多く来店で感謝→本人反応で再び感謝”. ORICON NEWS (2023年1月11日). 2023年10月4日閲覧。