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マルバニッケイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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マルバニッケイ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: クスノキ目 Laurales
: クスノキ科 Lauraceae
: ニッケイ属 Cinnamomum
: マルバニッケイ
C. daphnoides
学名
Cinnamomum daphnoides Siebold et Zucc.
和名
マルバニッケイ

マルバニッケイ(丸葉肉桂、Cinnamomum daphnoides)とは、クスノキ科ニッケイ属の常緑亜高木。別名コウチニッケイ。

概要

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日本固有種で、九州福岡県長崎県鹿児島県)及び南西諸島種子島硫黄鳥島)に分布する。主に海岸林や山頂部等の風衝地に生育し、種子島からトカラ列島にかけて、特徴的な海岸低木林を成立させる。また、庭木などにも利用されており、自生地以外でも見ることができる。

常緑亜高木で、樹高10mに達する。を多数分枝する。若枝は四稜形で絹毛が密生する。は対生または互生、倒卵形で、長さ3~4cm、先端は丸く、革質で、三行脈があり、裏面に絹毛が密生する。花期は5~6月。花序は長梗を有し、絹毛が密生する。果実液果)は楕円形、長さ約9mm、熟すと黒紫色になる。また、ニッケイ属の特徴である芳香も、樹皮と葉にある。

近縁種

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マルバニッケイは、同属で本土に普通に見られるヤブニッケイ等と比べて、葉の大きさが半分かそれ以下とずいぶん小さいのが特徴である。同様に葉の小さいものに奄美大島以南の琉球列島シバニッケイCinnamomum doederleinii Engler )が分布し、マルバニッケイに似ているが葉の裏の毛が少ない。また、奄美大島や慶良間諸島には両者の中間的なケシバニッケイC. doederleinii Engl. var. pseudodaphnoides Hatusima)が分布する。

保護上の位置づけ

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準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト

生育地である下記の地方公共団体が作成したレッドデータブックに掲載されている。

参考文献

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  • 沖縄県文化環境部自然保護課編 『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(菌類編・植物編)-レッドデータおきなわ-』、2006年。
  • 鹿児島県環境生活部環境保護課編 『鹿児島県の絶滅のおそれのある野生動植物-鹿児島県レッドデータブック植物編-』 財団法人鹿児島県環境技術協会、2003年。
  • 島袋敬一編著 『琉球列島維管束植物集覧』 九州大学出版会、1997年。
  • 多和田真淳監修・池原直樹著 『沖縄植物野外活用図鑑 第7巻 シダ植物~まめ科』 新星図書出版、1989年。

外部リンク

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