コンテンツにスキップ

ゲームのかんづめ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ゲームのかんづめ
ジャンル オムニバス
対応機種 メガCD[MCD]
メガドライブ(お徳用)
開発元 セガ
発売元 セガ
人数 1〜2人(作品により異なる)
メディア [MCD]:CD-ROM
ダウンロード(お徳用)
発売日 1994年3月18日(Vol.1、2同時発売)
1995年6月1日(お徳用)
デバイス ファイティングパッド6B[1]対応
バックアップRAMカートリッジ[2]対応
その他 Vol.1、Vol.2:ゲーム図書館配信版
お徳用:セガチャンネル配信版
テンプレートを表示

ゲームのかんづめ』(サブタイトル「SEGA GAME CAN」)は、1994年3月18日セガから発売されたメガCDオムニバスゲームソフト。過去にセガ・ゲーム図書館で配信されたセガのアーケードゲームメガドライブ移植版のゲーム図書館配信版ソフト、ミニゲームを収録している。

「かんづめ」と題されているとおり、CD-ROMがアルバムCDサイズのに入っているのが特色。販売時には、缶はプラスチック製のソフトパックに封入されていた。赤い缶の「Vol.1」、青い缶の「Vol.2」に分「缶」された2作が同時にリリースされた。

概要

[編集]

もともと、個々のゲームはオンラインソフトの先駆けと言える「セガゲーム図書館」の専用タイトルだった。当時はブロードバンドが普及する遥か前で、大多数の一般層はコンピュータをネットに繋ぐ環境が無かったこともあり、オフラインでも遊べるように、これらのゲームをまとめて市販化したのが本作である。Vol.1と2でタイトル数が違うが、当時のアナログ回線で配信できるゲームとなると相当軽量なものとして制作しなければならなかった事情もあり、その制約もあってこの収録バランスとなったようである。各ゲームは『ゲームのかんづめ』に収録されるに当たって、BGMがCD音源を使用したものになったり、Vol.1のフリッキーがAC版をベースとした挙動になったりなどのリメイクが施された。

なお、その後いくつかのアーケード移植タイトルは海外MD(GENESIS)での単体販売、SS『SEGA AGES/メモリアルセレクション』への(AC版)同梱収録、ドリームライブラリによる配信など、様々な形で現在に至って適宜復活している。

1995年6月には、当時セガが一部のCATVで展開していたゲーム配信サービス・「セガチャンネル」用に、前記2作より『ファンタシースターII テキストアドベンチャー』以外を全作収録した『ゲームのかんづめ お徳用』がリリースされた。内容は「セガゲーム図書館」で配信されていたオリジナル版に準じており、タイトル画面も含めたBGMはメガドライブの内蔵音源を使う形式であった。

特殊なリリース形式のため、一般ユーザーには殆ど『お徳用』の存在は知られていなかったが、約24年後の2019年9月、セガ自ら手掛けリリースされる復刻系ゲーム機・メガドライブ ミニにプリインストールされる42作品の一つとして、この『お徳用』が収録された。ゲーム映像以外のビジュアルは缶に印刷したタイトルロゴ程度しか無かったため、移植を担当したエムツーのデザイナーが描き下ろしたイラストがメガドライブ(カートリッジ版)のパッケージを模す形で使われている[3]

ゲーム

[編集]

タイトル画面やゲームセレクト画面には林原めぐみのナレーション(『お徳用』にはナレーション無し)を得たアニメチックな女性キャラクターが登場。プレイヤーが指示されている方向キーとスタートボタン以外のキーを押すと、このキャラクターが「(ボタンの名前)ボタンじゃないのー」と喋り、やんわりと窘める。一部ゲームのハイスコアとゲーム進度、エディットマップ(ピラミッドマジック)のセーブに対応している。

収録されているゲームタイトルは以下の通り。

VoL.1収録タイトル

[編集]
多数ホビーPC、コンシューマ機へ移植されているタイトル。それまでの歴代ハード上ではAC版に最も近かった移植だが、BGMがシンセナイズドされている。
  • 〇パドルファイター -大宇宙一のエアホッケー野郎!-
8キャラクターセレクト、7ポイント先取型の対戦エアホッケー。
  • 〇ハイパーマーブルス
10ラウンド制 対戦型で、球状のプレイヤーでプレーヤーフィールドから相手を電磁フィールドへ弾き飛ばし破壊。フィールドに残った者が勝者となる。
  • ピラミッドマジック総集編(1、2、3、スペシャル)
アクションパズルゲーム。第1部からはじまり、2部→3部→スペシャルの4部構成。5ステージ毎のセーブポイントでシナリオ進度のセーブ、オリジナルで作成したマップのセーブが最大8つ可能。
『お徳用』には総集編ではなく、1作目のみが収録されている[4]
ファンタシースターIIの以下4名のそれぞれの視点でのシナリオを収録。HP制。
シルカの冒険
アーミアの冒険
ヒューイの冒険
ユーシスの冒険

VoL.2収録タイトル

[編集]
  • 死の迷宮
ローグタイプの自動生成型ダンジョンRPG[5]GGドラゴンクリスタル』のシステムを使用。海外での単品MDタイトル「Fatal Labyrinth」としてリリースされている。迷宮の中に落ちているアイテムを拾いながら進んでいく。隠し扉や空腹の概念があり、体力がゼロになると4フロア毎の区切りの最初のステージに戻される。
題材であるスポーツのミニゲーム化。仕掛けが凝っている全18ホール。
  • メダルシティ
30枚のメダルを元手にポーカー、スロット、ブラックジャックで十万枚のメダル獲得を目指すミニゲーム[5]。パスワードコンティニュー制。
  • 16t
ループ制マップのアクションゲーム。マイキャラ名、ストーリーが著名ゲームメーカーリリースにしては奇抜なつくりとして語り草となっている[5]。主人公のアップル がいきち(メガドライブミニ収録版では「だいきち」に変更されている[5])を操作しながら、16tの重りを使用して上部ルーレット状になっているジェネレーターから排出される敵を重りでの自滅を避けつつ潰していく[5]。全21面。
「16t」は同社ファンタジーゾーンの16tボムやモンティパイソンの一部スケッチが元ネタとなっている。
  • 〇ロボットバトラー
パーツパワーアップ制のロボットアクションゲーム。3コンティニュー制。
  • ※テディーボーイブルース
当時新人アイドルの石野陽子(現石野よう子)の同名デビューシングルがリリースされ、ゲームとアーティストのタイアップの先駆けとなったアクションゲーム。
同名ACからの移植だが、収録された配信版はグラフィックはMDへ合せてあるものの、ゲームシステムをマイカードMkIII版移植ベースとしたもの。全30ステージで、BGMの曲調が版権上の問題で変更されている。3コンティニュー制。スコアは1億点でリセットされる。
  • アウォーグ
サイバーうちわを仰ぐ浮力で、悪の要塞を攻略する縦スクロールアクションゲーム[5]。ライフ、残機制。
  • ※イカスぜ!恋のどきどきペンギンランドMD
こちらも同名ACからのMkIII版が移植ベース。マップ最上部から卵を表示されるゲージの高さを越さないよう床を削りながら割らず/ゲンゴロウに割らせずに最下部のペンコの家まで降ろしていく。4ステージ毎のパスワードコンティニュー制。
  • ファンタシースターIIテキストアドベンチャー
ファンタシースターIIの以下4名のそれぞれの視点でのシナリオを収録。HP制。
ネイの冒険
ルドガーの冒険
カインズの冒険
アンヌの冒険

お徳用収録タイトル

[編集]
  • 〇キスショット
メニューには表示されない隠しゲーム[6]。メニュー画面で「メダルシティ」にカーソルを合わせ、A・B・Cボタンを全て押した状態でスタートすると起動する。
CPU対戦と2人対戦が可能なビリヤードナインボールボウラードの2種類のルールで遊べる。

関連項目

[編集]
本作が資料室資料として収められている。
ゲーム図書館時代のゲームが配信されていた。
こちらでも同様にゲーム図書館時代のゲームを引き継ぐ形で移植したうえで配信。一部ゲームがBGM等で機能制限されているようである。

脚注

[編集]
  1. ^ 関連・周辺機器 | メガドライブ | セガハード大百科 | セガ
  2. ^ 関連・周辺機器 | メガCD | セガハード大百科 | セガ
  3. ^ okunariのツイート(1119094304054464512)
  4. ^ 収録不可なら『メガドラミニ2』は作られなかったかもしれないタイトルとは? 第3弾タイトルの経緯や版権秘話も”. 電撃オンライン (2022年7月15日). 2022年7月19日閲覧。
  5. ^ a b c d e f 【特集】【メガドラミニ全タイトルレビュー!】「ゲームのかんづめ お徳用」”. GAME Watch. 株式会社インプレス (2019年10月4日). 2022年4月2日閲覧。
  6. ^ 株式会社インプレス (2019年9月18日). “「メガドラミニ」発売前夜!豪華ゲストが集う生配信「『メガドライブミニ』おまけ話」 「ゲームのかんづめ」には隠しタイトルあり!「メガドラタワー ミニ」には資料集&ポスターが付属”. GAME Watch. 2022年5月3日閲覧。

外部リンク

[編集]