ケトテリウム
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ケトテリウム属 Cetotherium | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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Cetotherium riabininiの骨格標本
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地質時代 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
中新世前期 - 鮮新世後期 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Cetotherium Brandt, 1843 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
種 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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ケトテリウム (Cetotherium) は新生代中新世前期 - 鮮新世後期にかけて生息したヒゲクジラの絶滅した属である。
分類
[編集]鯨偶蹄目 - ヒゲクジラ亜目 - ケトテリウム科に属する。このケトテリウム科はナガスクジラ科の祖先を含むとされる。北アメリカ、ヨーロッパ、アジアの海に生息した[1]。
2010年代には、現生のヒゲクジラ類における最小種であり、もっとも生態情報が不明とされるコセミクジラが、従来のコセミクジラ科ではなくてケトテリウム科に属する可能性が示唆されたため、ケトテリウムとの近縁性が強い可能性もある[2][3]。
形態
[編集]体長約4mと小型のクジラである。現生のコククジラあるいはナガスクジラの小型版といった姿であったと推定される。吻部の骨は平坦であり、下面に鯨ひげに養分を運ぶ血管の孔が並ぶ[1]。このヒゲはかなり短く荒かったとされ、おそらくはオキアミやプランクトンあるいは小型の魚などをこしとり、食料としていたと推定されている。頭骨は対象形で噴気孔は二つであったとされる[4]。また、上顎を形成する骨が後方へくさび上に伸長するのが独特な形態である。このクジラの属するケトテリウム科は雑多な系統の寄せ集めであったが、現在[いつ?]この特徴を共有するクジラのみをケトテリウム科とし、単系統の分類群となる様再構成が行われつつある[5]。
脚注
[編集]- ^ a b 冨田幸光 2002, p. 123.
- ^ Fordyce, R. E.; Marx, F. G. (2013). “The pygmy right whale Caperea marginata: the last of the cetotheres”. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences 280 (1753): 1–6. doi:10.1098/rspb.2012.2645. PMC 3574355. PMID 23256199 .
- ^ “'Extinct' whale found: Odd-looking pygmy whale traced back 2 million years”. CSMonitor.com (April 23, 2012). 2024年1月15日閲覧。
- ^ リチャードソン 2005, p. 185.
- ^ 村山司 2008, pp. 40–41.
参考文献
[編集]- 冨田幸光『絶滅哺乳類図鑑』伊藤丙雄、岡本泰子、丸善、2002年。ISBN 4-621-04943-7。
- 村山司『鯨類学』東海大学出版会〈東海大学自然科学叢書〉、2008年。ISBN 978-4-486-01733-2。
- ヘーゼル・リチャードソン、デイビッド・ノーマン(監修)『恐竜博物図鑑』出田興生(訳)、新樹社〈ネイチャー・ハンドブック〉、2005年。ISBN 4-7875-8534-7。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 川崎悟司イラスト集・ケトテリウム - ウェイバックマシン(2004年10月27日アーカイブ分)