グレゴリー・ケズナジャット
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グレゴリー・ケズナジャット(英語: Gregory Khezrnejat 1984年 - )は、アメリカ合衆国出身の小説家。法政大学グローバル教養学部准教授[1]。博士(国文学)。日本語を母語とせずに日本語で創作を続けている作家の一人。
経歴
[編集]サウスカロライナ州グリーンビルで生まれる。父親はイラン出身[2]。高校時代に日本語と出会う[3]。2007年にクレムソン大学を卒業し、英文学と情報科学の学士号を取得。英語指導助手として日本に渡る[4]。それから10年を京都で過ごし、同志社大学大学院で谷崎潤一郎を研究。2013年に MEXT 研究者として修士号を授与され[5]、2017年に博士後期課程を修了した[6][1][7]。
2021年に『鴨川ランナー』で第2回京都文学賞を受賞しデビュー[8][9]。『開墾地』が第168回芥川龍之介賞の候補となる[10]。2023年、第9回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞を受賞[11]。
研究
[編集]- 菊池 尚代、Harmon II, Dennis、Khezrnejat, Gregory、Kikuchi, Hisayo「研究プロジェクト報告 Online Model United Nations : Development, Implementation, and Validation」『青山学院大学附置情報メディアセンター(青山インフォメーション・サイエンス)』第47巻第1号、2019年、36–43頁、CRID 1520290883574485248、doi:10.34321/21348、NCID AN10532965。
- 「谷崎潤一郎の〈スパイ〉小説」『日本文学』第65巻第2号、日本文学協会、2016年2月10日、33-43頁。ISSN 0386-9903、CRID 1390850313416064128、doi:10.20620/nihonbungaku.65.2_33。
著書
[編集]論文
[編集]単著
- Khezrnejat, Gregory Warren『谷崎潤一郎の〈メルティング・ポット〉:大正・昭和初期の作品における越境的美学』同志社大学、2017年。doi:10.14988/di.2018.0000000134。NDLJP:11117484、甲第866号、博士(国文学)。
- 「体系的知識と断片の美学 : 谷崎潤一郎「痴人の愛」論」『青山語文』第49巻、青山学院大学日本文学会、2019-03-20、95-105頁。CRID 1390853649507690240、doi:10.34321/21086、ISSN 0389-8393。
- "The Transnational in Translation : Reading Hideo Levy’s A Room Where the Star-Spangled Banner Cannot Be Heard in English". GIS journal : the Hosei journal of global and interdisciplinary studies . Faculty of Global and Interdisciplinary Studies, Hosei University, 2021-03: (7) pp.31-44. CRID 1390853651031684864, doi:10.15002/00024298.
- 「それぞれの語感」『跨境 日本語文学研究』16号、高麗大学校日本研究センター、2023、8-10頁。ISSN 2383-5222、CRID 1520298124100270720。掲載誌別題『Border crossings : the journal of Japanese-language literature studies』。
- 「越境なき越境文学」『日本近代文学』108号、日本近代文学会、2023-05、146-149頁。ISSN 05493749、CRID 1520577983788967040。掲載誌別題『Modern Japanese literary studies』。
共著
- 佐藤 貴之、ケズナジャット グレゴリー、福岡 弘彬、李 春草、林 麗婷、真銅 正宏「翻刻 谷口和三郎『明治三十年和泉艦ニテ航海日記』」『同志社国文学』80号、同志社大学国文学会、2014-03-20、141-121頁。CRID 1390009224914318208、doi:10.14988/pa.2017.0000013992、ISSN 03898717。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b “谷崎潤一郎や越境文学を題材に言語と文学の在り方を探究”. 法政フロネシス【HOSEI PHRONESIS】. 法政大学. 2022年12月22日閲覧。
- ^ 母語でないことばで書く人びと 第6回 グレゴリー・ケズナジャット あさひてらす
- ^ “新たな “越境作家” グレゴリー・ケズナジャット『鴨川ランナー』:「日本語と英語、“2人”の違う自分を生きる」”. nippon.com (2021年12月16日). 2022年12月16日閲覧。
- ^ ケズナジャット, グレゴリー(著)、文芸春秋(編)「(839)グレゴリー・ケズナジャッ(作家・法政大学准教授) 日本では普通に電車に乗って自由に移動ができる。楽しそうだなと思いました。」『週刊文春』第65巻第27号、2023年7月20日、80-83頁、CRID 1520015366746067328。
- ^ “KHEZRNEJAT, Gregory :: 法政大学 GIS”. www.hosei.ac.jp. 2024年1月31日閲覧。
- ^ “「鴨川ランナー」グレゴリー・ケズナジャットさんインタビュー 米国出身青年の葛藤、日本語で紡ぐ”. 好書好日. 朝日新聞出版. 2022年12月16日閲覧。
- ^ Khezrnejat 2017, Tanizaki Jun'ichiro's Melting Pot: Transnational Aesthetics in Taisho and Early Showa Era Works.
- ^ 「京都文学賞2部門同時受賞 「鴨川ランナー」でデビュー グレゴリー・ケズナジャットさん:「言語と文化」探り続けて」『東京新聞』東京新聞。2022年12月16日閲覧。
- ^ “GISのGregory Khezrnejat 准教授が「京都文学賞」を受賞!”. :: 法政大学 GIS. 2022年12月16日閲覧。
- ^ 「芥川賞・直木賞の候補作発表…芥川賞候補に米国生まれのケズナジャットさんも」『読売新聞』。2022年12月16日閲覧。
- ^ 「坪内逍遥大賞に池澤夏樹さん 奨励賞にグレゴリー・ケズナジャットさん」『産経新聞』産経新聞 社、2023年9月29日。2023年10月1日閲覧。
- ^ 沈, 恬恬「〈書評〉行到水窮処 : グレゴリー・ケズナジャット『鴨川ランナー』(講談社、2021年)を読む」『日本学報』第42巻、2023年3月31日、88-95頁、CRID 1050859138270277760。
- ^ 長瀬, 海「外国人が経験する「ガイジン扱い」から自他の線引きを見つめ直す : きんようぶんか〔『鴨川ランナー』グレゴリー・ケズナジャット=著〕」『金曜日』第29巻第46号、2021年12月3日、54頁、CRID 1520010381333641344。
- ^ ケズナジャット, グレゴリー「開墾地」『群像』第77巻第11号、講談社、2022年11月、140-174頁、CRID 1520856738289464064、ISSN 1342-5552。
外部リンク
[編集]- Gregory Khezrnejat - J-GLOBAL
- グレゴリー・ケズナジャット (@gwkhez) - X(旧Twitter)