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グラッドストン準男爵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
7代準男爵ウィリアム・グラッドストンの紋章

グラッドストン準男爵: Gladstone Baronetcy)は、連合王国準男爵位。実業家で下院議員を務めたジョン・グラッドストン1846年に叙せられたのに始まる。

歴史

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初代準男爵となるジョン・グラッドストン(1764–1851)は、リヴァプールの穀物貿易商として財を成し、西インド、英領ギアナ、英領ジャマイカなどにおいて広大なサツマイモ耕地、コーヒー耕地を所有し、黒人奴隷を酷使して莫大な利益をあげた[1][2][3]。また1818年から1826年までホイッグ党、後トーリー党下院議員を務めた[4]1846年7月18日には連合王国準男爵位の(キンカーディン州におけるファスク=バルフォアのグラッドストン)準男爵(Gladstone Baronetcy of Fasque and Balfour in the County of Kincardine)に叙せられた[5]

初代準男爵の四男ウィリアム・エワート・グラッドストン(1809-1898)は、自由党の政治家として出世し、19世紀後半に4度にわたって首相を務めたことで知られるが、2代準男爵位を継いだのは初代準男爵の長男トマス・グラッドストン英語版(1804–1889)であり[6]、彼の死後はその息子ジョン・ロバート・グラッドストン英語版(1852–1926)が3代準男爵を継承した[7]。3代準男爵には子供がなかったので、彼の死後には初代準男爵の三男ジョン・ニールソン・グラッドストン英語版(1807-1863)の子サー・ジョン・イヴリン・グラッドストン英語版(1855–1945)が4代準男爵を継承した[8]

4代準男爵には男子がなく、彼の死後、初代男爵の四男ウィリアム・エワート・グラッドストン(首相)の孫であるアルバート・チャールズ・グラッドストン英語版(1886–1967)が5代準男爵を継承した[9]。5代準男爵の死後、その弟チャールズ・アンドリュー・グラッドストン英語版(1888–1968)が準男爵位を請求したが、使用する前に死去した[10]

その後、彼の息子サー・アースキン・ウィリアム・グラッドストン(1925-2018)が7代準男爵を継承した。彼はパブリックスクールの教師を経てイギリス・スカウト連盟総長英語版として活躍し、1999年ガーター勲章を受勲した[11]。現在の当主は7代準男爵の息子サー・チャールズ・アンガス・グラッドストン英語版(1964-)である。

(ファスク=バルフォアのグラッドストン)準男爵 (1846年)

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系図

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初代准男爵
ジョン・グラッドストン
(1764-1851)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
第2代准男爵
トマス英語版
(1804-1889)
 
ジョン英語版
(1807-1863)
 
ウィリアム
(英国首相)
(1809-1898)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
第3代准男爵
ジョン英語版
(1852-1926)
 
第4代准男爵
ジョン英語版
(1855-1945)
 
スティーブン
(1844-1920)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
第5代准男爵
アルバート英語版
(1886-1967)
 
第6代准男爵
チャールズ英語版
(1888-1968)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
第7代准男爵
ウィリアム
(1925-2018)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
第8代准男爵
チャールズ英語版
(1964-)
 

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ 永井柳太郎 1929, p. 5-8.
  2. ^ 神川信彦 2011, p. 21-23.
  3. ^ 尾鍋輝彦 1984, p. 14.
  4. ^ 永井柳太郎 1929, p. 7-8.
  5. ^ Lundy, Darryl. “Sir John Gladstone, 1st Bt.” (英語). thepeerage.com. 2018年1月1日閲覧。
  6. ^ Lundy, Darryl. “Sir Thomas Gladstone, 2nd Bt.” (英語). thepeerage.com. 2018年1月1日閲覧。
  7. ^ Lundy, Darryl. “Sir John Robert Gladstone, 3rd Bt.” (英語). thepeerage.com. 2018年1月1日閲覧。
  8. ^ Lundy, Darryl. “Sir John Evelyn Gladstone, 4th Bt.” (英語). thepeerage.com. 2018年1月1日閲覧。
  9. ^ Lundy, Darryl. “Sir Albert Charles Gladstone of Fasque and Balfour, 5th Bt.” (英語). thepeerage.com. 2018年1月1日閲覧。
  10. ^ Charles Mosley, editor, Burke's Peerage, Baronetage & Knightage, 107th edition, 3 volumes (Wilmington, Delaware, U.S.A.: Burke's Peerage (Genealogical Books) Ltd, 2003), volume 2, page 1558.
  11. ^ Lundy, Darryl. “Sir Erskine William Gladstone of Fasque and Balfour, 7th Bt.” (英語). thepeerage.com. 2018年1月1日閲覧。

参考文献

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  • 尾鍋輝彦『最高の議会人 グラッドストン』清水書院清水新書016〉、1984年。ISBN 978-4389440169 
    • 新版『最高の議会人 グラッドストン』清水書院「新・人と歴史29」、2018年。ISBN 978-4389441296
  • 神川信彦君塚直隆解説『グラッドストン 政治における使命感』吉田書店、2011年。ISBN 978-4905497028 
  • 永井柳太郎グラッドストン実業之日本社、1929年https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1187734