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グアイフェネシン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
グアイフェネシン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
発音 [ɡwˈfɛnɪsɪn]
販売名 Mucinex, others
Drugs.com monograph
MedlinePlus a682494
ライセンス US FDA:リンク
胎児危険度分類
  • US: C
法的規制
薬物動態データ
代謝腎臓
半減期1–5 hours[1]
データベースID
CAS番号
93-14-1 チェック
ATCコード R05CA03 (WHO) QM03BX90 (WHO)
PubChem CID: 3516
IUPHAR/BPS英語版 7617
DrugBank DB00874 チェック
ChemSpider 3396 チェック
UNII 495W7451VQ チェック
KEGG D00337  チェック
ChEMBL CHEMBL980 チェック
別名 Glyceryl guaiacolate
化学的データ
化学式C10H14O4
分子量198.216 g/mol
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グアイフェネシン(Guaifenesin)は、気道に絡んだで出しやすくする医薬品去痰薬)である[2]。咳を抑える効果があるかは不明である[2]。6歳未満の子供への使用は勧められない[3]。他の薬と併用されることが多い[2]。米国での投与法は経口である[2]。日本で承認されている用法は皮下または筋肉内注射である[4]

副作用には、めまい、眠気、皮膚発疹、吐き気などがあげられる[5]。妊娠中の人への投与の適正性は研究されていないが、安全とみられる[6]

作用機序は気道分泌物をより液体化し、気道に付き難くする事で効果があると考えられる[2]

グアイフェネシンは、遅くても1933年には医薬品として使用されてきた[7]後発医薬品一般用医薬品として入手できる[2][6]。米国での卸売価格は1投与あたり0.10米ドル未満である[8]

効能・効果

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感冒、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺結核、上気道炎(咽喉頭炎、鼻カタル)における咳嗽および喀痰喀出困難[4]

副作用

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食欲不振(5%未満)、悪心(5%未満)、胃部不快感[4]

薬理作用

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イヌ気管粘膜の刺激による咳嗽に対して持続的な抑制効果が認められる[9]

トレンデレンブルグ氏法による摘出牛気管支筋に対して弛緩作用を示す[10]

ウサギ視床下部電気刺激による疾走反応に対して抑制効果を示す[11]

イヌ摘出気管を用いたin vitroの実験で、気管腺の分泌機能に対して促進作用を示す[12]

出典

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  1. ^ Aluri JB, Stavchansky S (1993). "Determination of guaifenesin in human plasma by liquid chromatography in the presence of pseudoephedrine". J Pharm Biomed Anal. 11 (9): 803–808. doi:10.1016/0731-7085(93)80072-9. PMID 8218524
  2. ^ a b c d e f Guaifenesin Monograph for Professionals” (英語). Drugs.com. American Society of Health-System Pharmacists. 25 March 2019閲覧。
  3. ^ British national formulary : BNF 76 (76 ed.). Pharmaceutical Press. (2018). pp. 295. ISBN 9780857113382 
  4. ^ a b c *フストジル注射液50mg”. www.info.pmda.go.jp. 2021年6月5日閲覧。
  5. ^ Guaifenesin”. Drugs.com. 2019年3月25日閲覧。
  6. ^ a b Weiner, Carl P.; Rope, Kate (2013) (英語). The Complete Guide to Medications During Pregnancy and Breastfeeding: Everything You Need to Know to Make the Best Choices for You and Your Baby. St. Martin's Press. p. PT282. ISBN 9781250037206. https://books.google.ca/books?id=apoTV0TZHRQC&pg=PT282 
  7. ^ Riviere, Jim E.; Papich, Mark G. (2013) (英語). Veterinary Pharmacology and Therapeutics. John Wiley & Sons. p. 287. ISBN 9781118685907. https://books.google.ca/books?id=xAPa4WDzAnQC&pg=PA287 
  8. ^ NADAC as of 2019-02-27” (英語). Centers for Medicare and Medicaid Services. 3 March 2019閲覧。
  9. ^ 柳浦才三「諸種薬物の鎭咳作用に関する薬理学的研究」『日本薬理学雑誌』第54巻第4号、1958年、688-708頁、doi:10.1254/fpj.54.688ISSN 0015-5691 
  10. ^ 塚本忠行 (1949). 医学と生物学 14: 103. 
  11. ^ 柳浦才三ほか (1958). 東京医科大学雑誌 16: 1211. 
  12. ^ 柳浦, 才三、武田, 弘志、三澤, 美和「Glyceryl guaiacolateの気管腺分泌促進作用」『日本薬理学雑誌』第79巻第1号、1982年、57?64、doi:10.1254/fpj.79.57ISSN 0015-5691