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クンシラン属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クンシラン属
ウケザキクンシラン(Clivia miniata
クンシラン(Clivia nobilis
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperm
階級なし : 単子葉類 Monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ヒガンバナ科 Amaryllidaceae
亜科 : ヒガンバナ亜科 Amaryllidoideae
: ハマエンサス連 Haemantheae
亜連 : クンシラン亜連 Cliviinae
: クンシラン属 Clivia
学名
Clivia Lindl.
タイプ種
Clivia nobilis L.
和名
クンシラン属(君子蘭属)
  • 本文参照

クンシラン属(クンシランぞく、Clivia) は南アフリカ共和国スワジランドに産するヒガンバナ科の属の一つ。観葉植物クンシランウケザキクンシランを含む。学名からクリビア属とも言う。

概要

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ミラビリス種(C. mirabilis )を除き森林の薄暗い場所に自生する。「ラン」とつくが「ラン科」ではない。クロンキスト体系ではユリ科に含める。

他のヒガンバナ亜科の植物の多くは地中に鱗茎を形成するが、本属と近縁のクリプトステファヌス属Cryptostephanus)では太い根を張るのみで鱗茎はない、根の様子だけみれば遠縁ではあるがアガパンサス亜科のムラサキクンシラン属Agapanthus)のものによく似ている。他家受粉による種子で育つ。発芽から開花までは2-3年ほどかかる。それゆえ、種子で増やすと個体差が大きい。

日本には明治時代に渡来した。ヨーロッパでは花を楽しむものとされていたが、日本では万年青などと同様にの美しさを楽しむようになった。それゆえ、古典園芸植物に分類される[1][2]

クンシラン属周辺の系統樹の例

ハマエンサス連

アポドリリオン属, ゲチリス属, ハマエンサス属, スカドクサス属 など

クリプトステファヌス属

C. haemanthioides

C. vansonii

クンシラン属

C. caulescens

C. gardenii

ウケザキクンシラン

クンシラン

下位分類

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クンシラン属は6種認められる[3][4]

栽培される種

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 (Clivia miniata

南アフリカ共和国スワジランドに自生、メキシコユカタン半島周辺に導入されている種。花は濃い橙色で花は上向きに咲く。近年は黄色の花のものも見出され、育種も進んでいる[5]

 (Clivia nobilis

南アフリカ共和国に自生する種。英名はブッシュリリー。ちなみに、クンシランとは本来、本種を示す和名であったが、ウケザキクンシラン (Clivia miniata)が普及するにつれウケザキクンシランをクンシランと呼ぶのが一般となった[6]

その他の種

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  • Clivia caulescens R.A.Dyer
  • Clivia gardenii Hook.
  • Clivia miniata (Lindl.) Bosse
  • Clivia mirabilis Rourke
  • Clivia nobilis Lindl.
  • Clivia robusta B.G.Murray et al.
  • Clivia × nimbicola

ギャラリー

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出典

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  1. ^ GKZ植物事典・ウケザキクンシラン(受け咲き君子蘭)”. gkzplant.sakura.ne.jp. 2025年2月21日閲覧。
  2. ^ GKZ植物事典・クンシラン”. gkzplant.sakura.ne.jp. 2025年2月21日閲覧。
  3. ^ Plants of the World Online | Kew Science” (英語). Plants of the World Online. 2025年2月21日閲覧。
  4. ^ WFO Plant List | World Flora Online”. wfoplantlist.org. 2025年2月21日閲覧。
  5. ^ Clivia miniata (Lindl.) Verschaff. | Plants of the World Online | Kew Science” (英語). Plants of the World Online. 2025年2月21日閲覧。
  6. ^ Clivia nobilis Lindl. | Plants of the World Online | Kew Science” (英語). Plants of the World Online. 2025年2月21日閲覧。