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クロード・レインズ

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クロード・レインズ
Claude Rains
Claude Rains
本名 William Claude Rains
生年月日 (1889-11-10) 1889年11月10日
没年月日 (1967-05-30) 1967年5月30日(77歳没)
出生地 ロンドン
国籍 イギリスの旗 イギリス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
配偶者 イザベル・ジーンズ (1913-1915)
Marie Hemingway (1920-1920)
Beatriz Thomas (1924-1935)
Frances Propper (1935-1956)
Agi Jambor (1959-1960)
Rosemary Clark Schrode (1960-1964)
受賞
トニー賞
演劇主演男優賞
1951年Darkness at Noon
その他の賞
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クロード・レインズClaude Rains, 1889年11月10日 - 1967年5月30日)はイギリス出身の俳優。本名はWilliam Claude Rains。

生涯

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ロンドンスラム街だったクラパム(Clapham, 現ランベス区)生まれ、近隣キャンバーウェル(Camberwell) 界隈育ち。自らの出自に関しては"テムズ川の辺地" (The wrong side of the river Thames) と口にしていた。父親は俳優のフレデリック・ウィリアム・レインズ[1]。子供の頃、12人兄弟姉妹のなか、3人が栄養失調で亡くなった。10歳でロンドンの舞台『Nell of Old Drury』にエキストラとして出演したことから俳優を志し、俳優の呼び出し係となる。学校を辞め、新聞配達や路上教会聖歌隊に加わり生計費を家に入れていた。1911年ヘイマーケット端役として初舞台を踏む。

その後、舞台監督として『青い鳥』のオーストラリア巡業に参加、1914年から一年間、メルボルンシドニーを回り、自身も時折舞台に出演する。帰国後は折からの第一次世界大戦のためイギリス陸軍に従軍、その際、戦闘中に敵の毒ガス攻撃により片目を失明する不幸にあう。

1919年に除隊、シェフィールドの劇団を経てロンドンの舞台に立ち、働きながら王立演劇学校に学び、この頃にジョン・ギールグッドローレンス・オリヴィエと知遇を得る。1920年にサイレント映画に出演、1926年には当時の妻だった女優のビアトリクス・トムソンを伴いニューヨークに行き、妻が主役で彼が端役として夫妻で舞台出演する。

しかしこのアメリカ巡業で実力が認められ、1928年ブロードウェイに主役として出演。1933年にボリス・カーロフの代役として映画『透明人間』に主役の透明人間役として出演。透明ゆえにレインズの顔はスクリーンには出てこなかったが、映画が大当たりし、これによりレインズの名も一躍有名となる。その後ブロードウェイに一度戻るも、ハリウッドに呼ばれ、1934年に『情熱なき犯罪』に殺人に手を染める辣腕弁護士役で主演、本格的な映画俳優としてのキャリアがスタートする。

1935年にワーナー・ブラザースと長期契約、以来個性の強い演技で、準主役ながらも常に主役をも食ってしまうような存在感で人気を得てきた。1939年に『スミス都へ行く』のラストには改心する汚職議員役でアカデミー助演男優賞にノミネート、1943年に『カサブランカ』で要領のいい粋な警察署長役で二度目のノミネート、1945年の『愛の終幕』、1946年の『汚名』でも同賞にノミネートされたが、一度も受賞には至らなかった。他にも1943年にはリメイク版『オペラの怪人』のタイトル・ロールの怪人役で一時的にユニバーサル・ピクチャーズの映画に出演した。

第二次世界大戦後はジョージ・バーナード・ショー自らが脚色した歴史喜劇『シーザーとクレオパトラ』でクレオパトラ役のヴィヴィアン・リー相手にジュリアス・シーザー役で主演。1947年にフリーとなり、映画出演のかたわらニューヨークの舞台に立ち、1951年には舞台『Darkness at Noon』でトニー賞を受賞した。

変わったところでは、1961年にグレン・グールドの演奏でリヒャルト・シュトラウスの『イノック・アーデン』(アルフレッド・テニスン)を録音している。

その後は1962年の『アラビアのロレンス』、1964年の『偉大な生涯の物語』に映画出演、舞台は1963年の出演を最後に退き、1967年に内臓疾患のために世を去った。生涯で結婚は7回、4人目の妻との間に一女をもうけた。

主な出演作品

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公開年 邦題
原題
役名 備考
1933 透明人間
The Invisible Man
透明人間
1934 情熱なき犯罪
Crime Without Passion
リー・ジェントリー
1935 幻しの合唱
Mystery of Edwin Drood
ジョン・ジャスパー
1936 風雲児アドヴァース
Anthony Adverse
ドン・ルイス
1937 流行の王様
Stolen Holiday
ステファン・オーロフ
放浪の王子
The Prince and the Pauper
ハートフォード伯爵
1938 黄金の罠
Gold Is Where You Find It
フェリス大佐
ロビンフッドの冒険
The Adventures of Robin Hood
ジョン
四人の姉妹
Four Daughters
アダム
1939 ゼイ・メイド・ミー・ア・クリミナル
They Made Me a Criminal
モンティ・フェラン刑事
革命児ファレス
Juarez
ナポレオン3世
スミス都へ行く
Mr. Smith Goes to Washington
ペイン上院議員
1940 シー・ホーク
The Sea Hawk
ドン・ジョセ・アルバレス・デ・コルドバ
1941 幽霊紐育を歩く
Here Comes Mr. Jordan
ジョーダン氏
狼男
The Wolf Man
サー・ジョン・タルボット
嵐の青春
Kings Row
アレクサンダー・タワー
1942 夜霧の港
Moontide
Nutsy
情熱の航路
Now, Voyager
ジャキス
カサブランカ
Casablanca
ルノー署長
1943 提督の館
Forever and a Day
アンブローズ
オペラの怪人
Phantom of the Opera
エリック
1944 渡洋爆撃隊
Passage to Marseille
Capt. Freycinet
愛の終幕
Mr. Skeffington
ジョブ・スケフィントン
1945 休暇異変
Strange Holiday
ジョン・スティーヴンソン
誤解
This Love of Ours
ジョセフ
1946 シーザーとクレオパトラ
Caesar and Cleopatra
ユリウス・カエサル
汚名
Notorious
アレクサンダー・セバスティアン
地獄から来た天使/肩の上の天使

Angel on My Shoulder

ニック
愛憎の曲
Deception
アレクサンダー・ホレニウス
1948 情熱の友
The Passionate Friends
ハワード・ジャスティン
1949 欲望の砂漠
Rope of Sand
アーサー
1950 白銀の嶺
The White Tower
ポール
ゼロへの逃避行
Where Danger Lives
ラニントン
1951 小さな英雄の物語
Sealed Cargo
スカルダー
1953 汽車を見送る男
The Man Who Watched the Trains Go By
キーズ・ポピンガ
1956 陰謀のリスボン
Lisbon
マヴロス
1959 太陽の谷
This Earth Is Mine
フィリップ・ランボー
1960 失われた世界
The Lost World
ジョージ・エドワード・チャレンジャー博士
1961 地球最終戦争
Il pianeta degli uomini spenti
ベンソン教授
1962 アラビアのロレンス
Lawrence of Arabia
ドライデン氏
1964 偉大な生涯の物語
The Greatest Story Ever Told
ヘロデ大王

受賞歴

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部門 作品名 結果
アカデミー賞 1940年 助演男優賞 スミス都へ行く ノミネート
1944年 カサブランカ
1945年 愛の終幕
1947年 汚名

参照

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  1. ^ [1] International Stars at War

外部リンク

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