コンテンツにスキップ

クレイグの補間定理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

クレイグの補間定理: Craig's interpolation theorem)は論理学における定理であり、論理体系によってその定義が異なる。William Craig が1957年、一階述語論理について証明したのが最初である。クレイグの補題とも。

命題論理の場合

[編集]

命題論理版は以下のように定義される。

恒真式であるとき、論理式 の全ての命題変数が の両方に出現する場合で、かつ

も恒真式なら、

の「補間(interpolant)」と呼ぶ。

単純な例として、次の式に対して は補間である。

命題論理でのクレイグの補間定理は、含意

が恒真式なら、常に補間が存在する、というものである。

証明

[編集]

クレイグの補間定理は以下のような方法で証明できる。

応用

[編集]

クレイグの補間定理は、一貫性の証明、モデル検査モジュール仕様の証明、モジュールオントロジーの証明などに使われる。

参考文献

[編集]
  • Hinman, P. (2005年). Fundamentals of Mathematical Logic. A K Peters. ISBN 1-568-81262-0 
  • Dov M. Gabbay and Larisa Maksimova (2006年). Interpolation and Definability: Modal and Intuitionistic Logics (Oxford Logic Guides). Oxford science publications, Clarendon Press. ISBN 978-0198511748 
  • Eva Hoogland, Definability and Interpolation. Model-theoretic investigations. PdD thesis, Amsterdam 2001.
  • W. Craig, Three uses of the Herbrand-Gentzen theorem in relating model theory and proof theory, The Journal of Symbolic Logic 22 (1957), no. 3, 269-285.

外部リンク

[編集]
  • 永島孝「補間定理」『一橋論叢』第100巻第3号、日本評論社、1988年9月、353-366頁、doi:10.15057/12638ISSN 00182818NAID 110000315382