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クリントン男爵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クリントン男爵
Baron Clinton
Argent semée of cross crosslets fitchy sable, in a chief azure two mullets or pierced gules (Clinton), charged with an inescutcheon quarterly; 1st, Argent, on a fess azure three dexter gauntlets appaumée or (Fane); 2nd, Argent, a chevron between three spindles sable (Trefusis); 3rd, azure, three bear's heads couped argent, muzzled gules, a cross crosslet argent for distinction (Forbes of Pitsligo); 4th, Or, a bend gules surmounted by a fess chequy azure and argent, in chief crescent azure a canton ermine for difference (Stuart)[1]
創設時期1298年2月6日
創設者エドワード1世
貴族イングランド貴族
初代ジョン・ド・クリントン
現所有者22代男爵ジェラルド・フェイン=トレフューシス
相続人チャールズ・フェイン=トレフューシス
相続資格初代男爵の子孫[1]
現況存続
邸宅ヒーントン・サッチュビル (ハイッシュ)英語版
旧邸宅
モットーすべては神よりもたらされる
(Tout vient de Dieu)[1]

クリントン男爵英語: Baron Clinton)は、イングランド貴族男爵位。

ジョン・ド・クリントン1298年に叙されたのに始まる。議会招集令状英語版による爵位であるため、男子なき場合に姉妹間に優劣のない女系継承が行われる。そのため数度にわたって停止(abeyant)と女系継承が繰り返され、クリントン家からフォーテスキュー家、ロール家、ウォルポール家、トレフューシス家(ヘプバーン=ステュアート=フォーブス=トレフューシス家に改姓)、フェイン家(フェイン=トレフューシス家に改姓)へと移った。2016年現在の爵位保持者は22代クリントン男爵ジェラルド・フェイン=トレフューシスである。

歴史

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ウォリックシャーマックスストック英語版の領主ジョン・ド・クリントン(1258頃-1310頃)が、1299年2月6日議会招集令状英語版でクリントン男爵として議会に召集されたのに始まる[2][3]

下って9代男爵エドワード・クリントン(1512–1585)は、テューダー朝の宮廷に長く仕えたため、1572年5月4日勅許状リンカーン伯爵に叙された。以降クリントン男爵位は5代リンカーン伯(13代クリントン男爵)の代までリンカーン伯位の従属爵位となった[4][5]

初代クリントン男爵から5代リンカーン伯エドワード・クリントン(-1692)まで直系での継承が続いていたが、5代リンカーン伯には子供がなかったため、彼の死とともに男系男子に限定される勅許状による爵位であるリンカーン伯位は2代リンカーン伯(10代クリントン男爵)ヘンリー・クリントン英語版(1541–1616)に遡っての分流であるフランシス・クリントン(1635–1693)に継承された。一方男子なき場合に姉妹間に優劣のない女系継承が可能である議会召集令状による爵位であるクリントン男爵位は彼の叔母(4代リンカーン伯・12代クリントン男爵セオフィラス・クリントン英語版(1600–1667)の娘)3人の間で優劣が決められず停止(abeyant)となった[2][6]

しかし1721年3月16日に至ってその三人のうちの一人のマーガレット(-1688頃)の娘ブリジット・フォーテスキュー(1666-1708)の息子にあたるヒュー・フォーテスキュー(1696–1751)が第14代クリントン男爵に確定した[2][7]。彼はその後の1746年7月5日グレートブリテン貴族爵位クリントン伯爵(Earl Clinton)とデヴォン州におけるキャッスルヒルのフォーテスキュー男爵英語版(Baron Fortescue, of Castlehill in the County of Devon)に叙せられた。子供のない彼の死後、クリントン伯爵位は廃絶したが、フォーテスキュー男爵位は特別継承規定(special remainder)で異母弟マシュー・フォーテスキューに継承されている。一方クリントン男爵位は同母妹マーガレット・フォーテスキュー(1695-1760)と4代リンカーン伯の三人の娘の一人アラベラの息子サミュエル・ロール(1646-1719)の娘にあたるマーガレット・ロール英語版(1709–1781)の間で優劣が決められず停止となった[2]

しかし1760年3月14日にマーガレット・フォーテスキューが子供無く死去したことでマーガレット・ロールが15代クリントン女男爵に確定[2]。彼女はイギリス初代首相初代オーフォード伯爵ロバート・ウォルポールの息子である2代オーフォード伯爵ロバート・ウォルポール(1701-1751)と結婚していたため、彼女の死後には彼女と2代オーフォード伯の間の息子である3代オーフォード伯ジョージ・ウォルポール(1730–1791)が16代クリントン男爵位を継承した[2][8]。子供のない3代オーフォード伯の死後、オーフォード伯位は叔父ホレス・ウォルポール(1717-1797)が継承したが、クリントン男爵位は休止(dormant)となった。

しかし1794年2月27日には、4代リンカーン伯の娘アラベラの娘ブリジット(1648-1721)の息子サミュエル・トレフューシス(1676-1724)の曾孫にあたるロバート・トレフューシス英語版(1764–1797)が17代クリントン男爵に確定した[2][9]。その後21代までクリントン男爵位はトレフューシス家の男系男子によって継承されていく。20代クリントン男爵チャールズ・トレフューシス英語版(1834–1904)1868年に勅許をえて「ヘプバーン=ステュアート=フォーブス=トレフューシス(Hepburn-Stuart-Forbes-Trefusis)」に改姓している[2][10]。21代クリントン男爵チャールズ・ヘプバーン=ステュアート=フォーブス=トレフューシス英語版(1863–1957)には女子2人しかなかったため、彼の死後、長女ハリエット・フェイン(1887-1958)と次女フェネラ・ボーズ=ライアン(1889-1966)の間で停止となった[2][11]

しかし他の共同相続人の賛成により1965年3月18日には長女ハリエットの長男チャールズ・フェイン(1911-1940)の長男ジェラルド・フェイン(1934-)が22代クリントン男爵に確定した。この継承に際して彼は姓を「フェイン=トレフューシス」に改姓している。2016年現在の爵位保持者も彼である[2][12]

歴代当主一覧

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クリントン家

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フォーテスキュー家

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  • 初代クリントン伯・第14代クリントン男爵ヒュー・フォーテスキュー (1696–1751) 先代の叔母の孫。1721年に停止解除。1749年にクリントン伯に叙される。彼の死後に停止

ロール家

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ウォルポール家

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トレフューシス家

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フェイン=トレフューシス家

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脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b c Mosley, Charles, ed (2003). Burke's Peerage, Baronetage & Knighthood (107 ed.). Burke's Peerage & Gentry. pp. 823–824. ISBN 0-9711966-2-1 
  2. ^ a b c d e f g h i j Heraldic Media Limited. “Clinton, Baron (E, 1298/9)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2016年7月5日閲覧。
  3. ^ Lundy, Darryl. “John de Clinton, 1st Lord Clinton” (英語). thepeerage.com. 2016年7月5日閲覧。
  4. ^ Heraldic Media Limited. “Lincoln, Earl of (E, 1572)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2016年7月5日閲覧。
  5. ^ Lundy, Darryl. “Edward Clinton, 1st Earl of Lincoln” (英語). thepeerage.com. 2016年7月5日閲覧。
  6. ^ Lundy, Darryl. “Edward Clinton, 5th Earl of Lincoln” (英語). thepeerage.com. 2016年7月5日閲覧。
  7. ^ Lundy, Darryl. “Hugh Fortescue, 1st and last Earl Clinton” (英語). thepeerage.com. 2016年7月5日閲覧。
  8. ^ Lundy, Darryl. “George Walpole, 3rd Earl of Orford” (英語). thepeerage.com. 2016年7月5日閲覧。
  9. ^ Lundy, Darryl. “Robert George William Trefusis, 17th Lord Clinton” (英語). thepeerage.com. 2016年7月5日閲覧。
  10. ^ Lundy, Darryl. “Charles Henry Rolle Hepburn-Stuart-Forbes-Trefusis, 20th Baron Clinton” (英語). thepeerage.com. 2016年7月5日閲覧。
  11. ^ Lundy, Darryl. “Charles John Robert Hepburn-Stuart-Forbes-Trefusis, 21st Baron Clinton” (英語). thepeerage.com. 2016年7月5日閲覧。
  12. ^ Lundy, Darryl. “Gerald Nevile Mark Fane Trefusis, 22nd Lord Clinton” (英語). thepeerage.com. 2016年7月5日閲覧。