コンテンツにスキップ

クイーンコーラルクロス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クイーンコーラルクロス
船体に記されたマリックスラインのロゴ
基本情報
船種 フェリー
船籍 日本の旗 日本
所有者 鉄道建設・運輸施設整備支援機構
マリックスライン
運用者 マリックスライン
建造所 内海造船瀬戸田工場
母港 鹿児島新港
信号符字 JD4951(無線局免許状
IMO番号 9919125
MMSI番号 431018246
経歴
進水 2021年
竣工 2021年
就航 2021年11月
現況 就航中
要目
総トン数 7,914 トン
載貨重量 3,776 トン
全長 145.88 m
全幅 24.0 m
深さ 14.0 m
喫水 6.25 m(構造喫水)
機関方式 ディーゼル
主機関 S.E.M.T.-Pielstick 16PC2-6B型
出力 12,000 kW
最大出力 16,316 馬力
航海速力 21.0ノット
旅客定員 655名
積載能力 10フィートコンテナ246基、20フィートコンテナ8基
車両搭載数 トラック30台、乗用車44台
テンプレートを表示

クイーンコーラルクロス」 (QUEEN CORAL CROSS) は、マリックスラインが運航しているフェリー

解説

[編集]

鹿児島 - 奄美 - 那覇を運航していた「クイーンコーラル8」の老朽化により代船として建造されたフェリーである[1]。「クイーンコーラルクロス」という名前は一般公募で選ばれ[2]、船名のCROSSは "Comfortability, Reliability Originality Safety Seven destinations" の略で「快適、信頼、創造、安全、寄港する7地域」の意味がある[3]2021年11月17日から18日にかけて鹿児島港と那覇港を往復するトライアル運航を行った[4]のち、同年11月20日から同区間を定期就航している[5][6]

航路

[編集]

船内

[編集]

内装は笠井統太がデザインし[7]、テーマを「Origin」(原点・起点)・「Odyssey」(知的探求)・「Overture」(序曲)として基本に立ち返った明快な配置や動線を意識し機能美を求めたものとし、4階を2等室中心とし3階に上等客室やパブリックスペースを集めた構造とした[7]

4階
  • 2等寝台(10室)
  • 2等室(24室)
  • シャワー室
  • メイクルーム
  • ビューシート
3階
  • 特等室(3名×2室 通常2名、ソファベッドによる3名対応[7]
  • 1等室(1名×6室、2名×4室、コネクティングルーム可能2名×2室)
  • 2等寝台(通常5室、バリアフリー対応2室)
  • 2等室(通常4室、バリアフリー対応4室)
  • アトリウム - 青を基調に円形の吹き抜けを設けた[7]
  • 案内所
  • 売店
  • レストラン
  • シャワー室
  • ペットルーム
  • キッズコーナー
  • メイクルーム

事故・トラブル

[編集]
  • 2024年1月8日、那覇発鹿児島行き上り定期便として運航中、沖永良部島和泊港入港時にエンジントラブルで制動不能となり、岸壁奥の消波ブロックに衝突した。乗員乗客および岸壁作業員に怪我はなかったが、海上保安庁による現場検証およびエンジン修理のため沖永良部以降の区間は運航打ち切りとなり、乗客は翌日以降他社船または航空便へ振り替えとなった。奄美海上保安部による船体調査で船首バルバスバウ右舷側上部に凹損および破口ならびに右舷側下部に亀裂、左舷側下部に擦過傷が確認され[8]、10日までメーカー技術者によるエンジン修理を行ったのち11日鹿児島に回航[9]、16日鹿児島運輸支局による船舶検査、17日船員法に基づく立ち入り監査を実施し、18日の鹿児島発那覇行き(下り定期便)から営業運航に復帰した[10]
  • 2024年5月21日、鹿児島発那覇行き下り定期便が鹿児島出港後、錦江湾内喜入沖にてエンジントラブルが発生し、引き返して修理後約4時間15分遅れで運航再開[11]
  • 2024年9月12日朝、メーカーによるプロペラの定期点検中に部品の不具合が発見され、ドック入りとなった[12]

脚注

[編集]
  1. ^ “奄美航路に新船「クイーンコーラルクロス」 試験航海に密着”. MBCニュース (南日本放送). (2021年11月18日). https://www.mbc.co.jp/news/article/2021111800052897.html 2021年11月20日閲覧。 
  2. ^ マリックスライン、新造船名は「クイーンコーラルクロス」に決定”. WEB CRUICE. 海事プレス社 (2021年6月28日). 2021年11月20日閲覧。
  3. ^ Queen Coral Cross: Καθελκύστηκε το νεότευκτο της Marix Line” (ギリシア語). ARXIPELAGOS (2021年6月28日). 2021年11月20日閲覧。
  4. ^ “クイーンコーラルクロス20日から定期就航”. 奄美新聞. (2021年11月19日). https://amamishimbun.co.jp/2021/11/19/34830/ 2021年11月20日閲覧。 
  5. ^ “マリックス新船、あす就航 奄美航路、大型化でより快適に”. 南海日日新聞. (2021年11月19日). https://www.nankainn.com/local/マリックス新船、あす就航-奄美航路、大型化でよ 2021年11月20日閲覧。 
  6. ^ 新造船クイーンコーラルクロス就航レセプション・一般見学会開催自粛 及び「オンライン見学会開催」のご案内”. マリックスライン (2021年11月8日). 2021年11月20日閲覧。
  7. ^ a b c d 離島航路長距離フェリー クイーンコーラルクロス - プニップクルーズ中村辰美「船体解剖図NEO」(イカロス出版 2023年)
  8. ^ 運輸安全委員会 貨客船兼自動車渡船クイーンコーラルクロス衝突(消波ブロック)事故調査報告書” (pdf). 国土交通省運輸安全委員会 (2024年3月27日). 2024年12月29日閲覧。
  9. ^ 和泊港着岸時に衝突、運航停止のフェリー「クイーンコーラルクロス」エンジン復旧 11日昼にも鹿児島新港へ試運転」『南日本新聞』2024年1月11日。2024年12月29日閲覧。
  10. ^ 燃料供給されずエンジン停止、フェリー着岸時に衝突 制御装置の不具合が原因、船舶検査で安全確認 クイーンコーラルクロス18日運航再開へ 和泊港事故」『南日本新聞』2024年1月17日。2024年12月29日閲覧。
  11. ^ エンジントラブルによる運航遅延のご案内”. マリックスライン (2024年5月21日). 2024年12月29日閲覧。
  12. ^ クイーンコーラルクロス 機器故障による欠航について”. マリックスライン (2024年9月12日). 2024年12月29日閲覧。

外部リンク

[編集]