ギフト包装
ギフト包装は、何かを贈る際にそれを包むことである。包装紙はギフト包装に用いられる紙である。また、贈り物を包むのではなく、代わりに化粧箱やギフトバッグを用いることもできる。包装した贈り物や箱に入れた贈り物はリボンで閉じられ、装飾としてリボンが結ばれることもある。
歴史
[編集]紀元前2世紀ごろには、古代中国で紙が発明された[1][2][3]。南宋王朝では、金銭は紙包という封筒の一種に入れられた。金銭はこのようにして王朝から政府の役人へと配布された。中国の『天工開物』という文献によると、包装紙は粗く、藁と竹繊維からつくられていた[4][5]。
ホールマーク・カーズの創立者であるホール兄弟(ローリー・ホール、ジョイス・ホール)がギフト包装を考え出したわけではないが、ギフト包装に革新をもたらし、現在の形にした。20世紀において、贈り物を包む際に飾り付けることが一般的になったのにはホール兄弟が関わっており、ジョイス・ホールは、「ローリーがフランス製の封筒用の裏紙を陳列ケースの上の部分に貼り付けたことが、贈り物の包装に装飾をするビジネスの始まりであった。」と述べている[6]。
心理学
[編集]贈り物に従来通りの包装がなされているほうが、受け取った人は好意的に思うことが分かっている[7][8][9]。
ごみ問題
[編集]アメリカでは、祝日に発生するごみは年間で500万トンにおよび、400万トンは包装紙とレジ袋である[10][11][12]。ごみを減らすためにグリーン・ギフティングの一環として、包装紙を再利用できるように丁寧に贈り物を開けたり、また繰り返し使えるようにバッグを代わりに使う場合がある。その他にも、包装紙の代わりとして古新聞を使うこともある[13]。
文化
[編集]西洋
[編集]アメリカにおいて、現在の柄付きの包装紙が市場に登場したのは1917年のことであり、そこにはホールマーク・カーズの創立者であるホール兄弟が関係している。その時、ミズーリ州カンザスシティにあったホール兄弟が経営する文房具店において、従来包装紙として使われていた単色の白、赤、緑の薄葉紙が売り切れてしまい、代わりにフランスから輸入した封筒用のカラフルな裏紙を売り始めた。その後も新しいデザインを広め続け、1930年代にはリボンを付けるなどしたことで有名になり、ホールマーク・カーズはアメリカのギフト包装における大企業の1つであり続けている[9][14]。
アジア
[編集]日本では、包装紙や化粧箱が一般的に用いられる。しかし風呂敷もまた、特に包装紙より環境に優しいということで注目を集めている[16]。
韓国では、贈り物を包むのにポジャギ(物を包むために用いられる韓国の伝統的な布)が用いられることがある。イェダンポは婚礼用のポジャギであり、新婦から新郎への引出物を包むのに用いられる[17][18][19]。
参考文献
[編集]- ^ Needham, Joseph; 銭 存訓 (1985). Science and Civilisation in China: Volume 5, Chemistry and Chemical Technology, Part 1, Paper and Printing. Cambridge University Press. p. 38. ISBN 978-0-521-08690-5
- ^ “紙のあれこれ | 紙の歴史”. 日本製紙連合会. 2018年10月4日閲覧。
- ^ 銭 存訓 著、久米 康生 訳『中国の紙と印刷の文化史』財団法人 法政大学出版局、2007年3月9日、45頁。ISBN 978-4-588-37113-4。
- ^ Needham & 銭 存訓 1985, pp. 122–123
- ^ 朱 寧嘉、植田 憲、宮崎 清「中国技術古書『天工開物』にみられるものづくりの指針」『デザイン学研究』第58巻第6号、一般社団法人 日本デザイン学会、2012年、69-78頁、doi:10.11247/jssdj.58.6_69、2018年10月4日閲覧。
- ^ Regan, Patrick (2009-12-15). Hallmark: A Century of Giving. Andrews McMeel Publishing. p. 45. ISBN 978-0-7407-9240-3 2018年10月5日閲覧. "As J.C. Hall stated: "The decorative gift-wrapping business was born the day Rollie placed those French envelope linings on top of that showcase.""
- ^ “The Psychology Behind Wrapping Paper”. The Guardian (Guardian News and Media Limited). (2010年12月20日) 2018年10月4日閲覧。
- ^ Howard, Daniel J. (1992). “Gift‐Wrapping Effects on Product Attitudes: A Mood‐Biasing Explanation”. Journal of Consumer Psychology (Society for Consumer Psychology) 1 (3). doi:10.1016/S1057-7408(08)80036-8.
- ^ a b “The History Of Gift Wrap”. National Public Radio, Inc (2017年12月23日). 2018年10月9日閲覧。
- ^ “Waste Redution & Recycling: Waste Facts and Figures”. Clean Air Council. 2007年10月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年12月15日閲覧。
- ^ Erway, Cathy (2009年1月22日). “If You Must Wrap, Remember...”. HuffPost (Oath, Inc) 2018年10月10日閲覧。
- ^ “The ULS Report - November-December 1997 - Vol. 4 No. 6”. Partners for Environmental Progress (1997年). 2000年6月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年10月10日閲覧。
- ^ Peale, Lilly (2016年12月15日). “Green Gifting”. NYU Sustainablog. New York University. 2018年10月10日閲覧。
- ^ Trex, Ethain (2013年12月21日). “Who invented wrapping paper?”. THE WEEK (The Week Publications, Inc) 2018年10月9日閲覧。
- ^ “Chinese New Year Traditions”. HISTORY. A&E Television Networks, LLC (2018年8月21日). 2018年10月12日閲覧。
- ^ “Minister Koike created the "Mottainai Furoshiki" as a symbol of Japanese culture to reduce wastes”. 環境省 (2006年4月3日). 2007年12月15日閲覧。
- ^ “Bojagi”. Korea.net. Korean Culture and Information Service. 2008年5月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年1月19日閲覧。
- ^ “06 ポジャギ大行進?”. Pojagi NAVI. 金 仁淑. 2018年10月11日閲覧。
- ^ “韓国の美 ポジャギ教室”. NPO法人 日韓文化交流会. 2018年10月11日閲覧。
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