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カール・フリードリヒ・ガイザー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カール・フリードリヒ・ガイザー
Carl Friedrich Geiser
生誕 (1843-02-26) 1843年2月26日
ランゲンタール英語版ドイツ語版
死没 (1934-03-07) 1934年3月7日(91歳没)
キュスナハト英語版ドイツ語版
国籍 スイス
研究分野 数学代数幾何学
出身校 チューリッヒ工科大学
ベルン大学
博士論文 Beiträge zur synthetischen Geometrie (1866)
博士課程
指導教員
ルートヴィヒ・シュレーフリ
他の指導教員 カール・ヴァイエルシュトラス
レオポルト・クロネッカー
プロジェクト:人物伝
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スネアドラムに入れられたガイザー。

カール・フリードリヒ・ガイザー[注釈 1]: Carl Friedrich Geiser (1843-02-26) 1843年2月26日1934年3月7日(1934-03-07) )は、スイス数学者。ガイザー対合[1]とガイザーの極小曲面で知られる[2][3]

生い立ちと経歴

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ガイザーの父は肉屋兼宿屋。著名なスイスの数学者ヤコブ・シュタイナーは、ガイザーの大おじにあたる。1859年から1861年までの4学期、ガイザーはチューリッヒ工科大学に学び、その後、1863年までの4学期でベルリンカール・ヴァイエルシュトラスレオポルト・クロネッカーに学んだ。両親からの支援が十分でなかったことから、ガイザーは家庭教師を始めた。生徒の一部はヴァイエルシュトラスとクロネッカーの紹介によるものだった。1863年に2人の下を離れ、スイスに帰国した後、チューリッヒ工科大学で私講師になった。1866年、ベルン大学にてルートヴィヒ・シュレーフリの下で博士号を獲得した[3][4]。工科大学にて、ガイザーは テオドール・ライエ英語版ドイツ語版とともに、急逝したヨーゼフ・ヴォルフガンク・フォン・デシュヴァンデン(Joseph Wolfgang von Deschwanden, 1819 – 1866)の後任としてチューリッヒ工科大学で一時的に教授職を勤め、1867年にヴィルヘルム・フィードラーに引き継いだ。ガイザーは1863年にすでに大学教授資格を取得していた。1863年からチューリッヒ工科大学で純粋数学と応用数学の私講師を務め、1869年に professor extraordinarius(英: extraordinary professor)に昇格し、1873年にさらに高等数学と総合幾何学の professor ordinarius(ordinary professor)になった[注釈 2]。また、1881年から1887年、1891年から1895年の間は学長も務めた[5]

ガイザーは代数幾何学微分幾何学不変式論英語版を教えた。また、代数幾何学と極小曲面の研究を発表した[3]。  1896年から1900年7月まで、アルベルト・アインシュタインはチューリッヒ工科大学に在籍していた。アインシュタインはガイザーの講義に出席することもあり、ガイザーの Infinitesimalgeometrie コースに魅了されたことを晩年に回想している。このコースで、ガイザーはガウスの曲面理論について講義した。1912年にアインシュタインは、一般相対性ガウス曲面の類似性について、"決定的なアイデア"を思いついたとされる[3]

研究結果においてのみならず、ガイザーはスイスの教育体制の発展へも大きく貢献した。この際彼は(親類のシュタイナーなど)著名な政治家・数学者の伝手を頼った。 ガイザーはシュタイナーのNachlass英語版ドイツ語版から、未発表の講義メモと論文を出版した[3]。ガイザーとフェルディナント・ルーディオ英語版は1897年にチューリッヒで開催された国際数学者会議の主要主催者だった[6]

1888年、ガイザーはレオポルディーナ外国人会員に選出された。スイス数学会英語版ドイツ語版フランス語版は1911–12年の会合で、ガイザーを名誉会員とした[3]

出版物

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モノグラフ

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記事

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脚注

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注釈

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  1. ^ ガイザー(Geiser)はガイゼルとも書かれた。
  2. ^ 1913年に体調を崩して、名誉教授として引退した。総合幾何学教授の後任はヘルマン・ヴァイルが務めた。

出典

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  1. ^ Bayle, Lionel; Deauville, Arnaud. "Birational involutions of P2". arXiv:math/9907028
  2. ^ Odehnal, Boris (2017). “On algebraic minimal surfaces”. KoG 20 (20): 61–78. http://master.grad.hr/hdgg/kog_stranica/kog20/Odehnel-KoG20.pdf. 
  3. ^ a b c d e f O'Connor, John J.; Robertson, Edmund F., “Carl Friedrich Geiser”, MacTutor History of Mathematics archive, University of St Andrews, https://mathshistory.st-andrews.ac.uk/Biographies/Geiser/ .
  4. ^ Carl Friedrich Geiser - Mathematics Genealogy Project
  5. ^ Fuchs, Thomas (23 November 2006). “Geiser, Carl Friedrich”. Historisches Lexikon der Schweiz. 2025年2月8日閲覧。
  6. ^ Carl Friedrich Geiser and Ferdinand Rudio: the men behind the first International Congress of Mathematicians (PhD thesis) (Thesis).

参考文献

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