カーディ公式
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物理学では、ブラックホールのエントロピーを計算するために、カーディ公式(Cardy formula)が重要である。近年、この公式はBTZブラックホールのエントロピーの計算に現れるのみならず、AdS/CFT対応やホログラフィック原理の検証にも表れるようになっている。
Cardy (1986) は、この公式を発見し、(1+1)-次元の共形場理論(CFT)のエントロピーを次のように与えた。
ここに c は中心電荷、L0 は全エネルギーと系の半径の積 ER で、c/24 のシフトはカシミール効果により引き起こされる。ここで、c と L0 は、この共形場理論のヴィラソロ代数を形成する。Verlinde (2000) は、この公式を任意次元である (n + 1) 次元に拡張したので、この公式をカーディ・ヴァーリンデ公式(Cardy-Verlinde formula)とも呼ぶ。次の計量を持つ反ド・ジッター空間を考える。
ここに R は n 次元球面の半径である。この双対共形場理論はAdS空間の境界となっている。双対共形場理論のエントロピーは、この公式により次のように与えることができる。
ここに、Ec はカシミール効果で、E は全エネルギーである。上の公式は、最大エントロピーを Ec = E のときに与える。
これはまさしく、ベッケンシュタイン境界である。
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- Cardy, John (1986), Operator content of two-dimensional conformal invariant theory, Nucl. Phys. B, 270 186
- Carlip, Steven (2005), Conformal Field Theory, (2+1)-Dimensional Gravity, and the BTZ Black Hole, arXiv:gr-qc/0503022, Bibcode: 2005CQGra..22R..85C, doi:10.1088/0264-9381/22/12/R01
- Verlinde, Erik (2000). "On the Holographic Principle in a Radiation Dominated Universe". arXiv:hep-th/0008140。