カヒル級コルベット
カヒル級コルベット | |
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基本情報 | |
種別 | コルベット |
運用者 | オマーン海軍 |
就役期間 | 1996年 - 現在 |
前級 | ドファール級 |
次級 | ハリーフ級 |
要目 | |
基準排水量 | 1,185トン |
満載排水量 | 1,450トン |
全長 | 94.5 m |
幅 | 11.07 m |
吃水 | 3.25 m |
機関方式 | CODAD方式 |
主機 |
クロスリー-ピルスティク16PA6 V280STC ディーゼルエンジン×4基 |
推進器 | 可変ピッチ・プロペラ×2軸 |
出力 | 32,000馬力 |
速力 | 31ノット |
航続距離 | 5,500海里 (12kt巡航時) |
乗員 | 135名 |
兵装 |
・62口径76mm単装速射砲×1基 ・90口径20mm単装機銃×2基 ・クロタル短SAM 8連装発射機×1基 ・エグゾセMM40 SSM×8発 |
レーダー |
・MW-08 3次元式 ・1007型 航法用 |
電子戦・ 対抗手段 |
・DR-3000S電波探知装置 ・古野FD527方向探知機 ・スーパーバリケード 12連装デコイ発射機×2基 |
カヒル級コルベット(英語: Qahir-class corvette)は、オマーン海軍のコルベットの艦級。イギリスのヴォスパー・ソーニクロフト社のヴィジランス型の設計を採用している。ムヒート計画型(Project Muheet)、あるいは83号計画型(Project Type 83)とも称される[1][2][3][4]。
来歴
[編集]オマーンはアラビア半島の東端に位置し、アラビア海(インド洋)とオマーン湾に面するほか、石油ルートとして著名なホルムズ海峡の航路もオマーン領海内を通ることから、イギリスより小さい程度の小国ながら、海軍力の整備が求められている。特にホルムズ海峡の分離通航帯での航路哨戒は重要任務とされる。ドファール解放戦線に対する対反乱作戦(ドファールの反乱)では、キャラバン隊妨害のための艦砲射撃を行っていたものの、これは有効性が不明瞭で、むしろ地上部隊への後方支援が重要であった[1]。
1980年代より、艦隊の近代化が着手された。まず1980年より、ヴォスパー・ソーニクロフト社のヴィタ型高速戦闘艇4隻が発注され、1982年よりドファール級として就役を開始した。大型水上戦闘艦としては、アメリカ海軍を退役したノックス級フリゲートの取得が検討されたものの、これは実現せず、1992年4月5日、やはりヴォスパー・ソーニクロフト社のヴィジランス型コルベット2隻が発注された。これによって建造されたのが本級である[1][2][3][4]。
設計
[編集]上記の経緯より、本級はヴィジランス型の設計を採用している。これは同社の輸出用コルベットとしては第2世代にあたる新しい設計であった[注 1][3]。設計にあたっては、ステルス性への配慮が全体に導入された。アルミニウム合金製の上部構造物はレーダー反射断面積低減を図った形状となっており、電波吸収体も広範に塗布されている[2]。また煙突には赤外線放射の低減措置が導入された[4]。
主機としては、16気筒のクロスリー-ピルスティク16PA6 V280STCディーゼルエンジン4基をCODAD方式で組み合わせて、KaMeWa社製の可変ピッチ・プロペラを駆動する方式とされた[2]。また電源としては、MTU RV183 TF51ディーゼルエンジンを原動機とする主発電機(出力400キロワット)3基と、MTU 6V183 AA51ディーゼルエンジンを原動機とする非常発電機(出力70キロワット)1基が搭載された。なお燃料搭載量は156トン、清水搭載量は19トンである。減揺装置としてフィンスタビライザーを備えている[4]。
装備
[編集]分散システム化されたSEWACO-FD戦術情報処理装置を搭載し[4]、リンクYによる戦術データ・リンクに対応したほか、衛星通信装置も搭載された[1][2]。
レーダーとしては3次元式のMW-08と航法用のケルビン-ヒューズ1007が、また電波探知装置(ESM)としてはDR-3000S1が搭載された[4]。ソナーはもたないが、ATAS曳航ソナーの追加装備を織り込んだ設計となっている。この場合、艦尾側に8トンの重量が追加されることになるが、艦の運動性能の悪化や艦尾甲板のヘリコプター甲板への干渉といった悪影響はないものとされる[2]。
艦砲として、艦首甲板の甲板室上に62口径76mm単装速射砲(76mmスーパーラピッド砲)を備えるほか、艦橋直後両舷に90口径20mm単装機銃(GAM-BO1)を備える。砲の射撃指揮のため、艦橋上にSTING追尾レーダーが設置されている。また後部上部構造物の後端部にはクロタル個艦防空ミサイルの8連装発射機が、DRBV-51Cミサイル射撃指揮装置はその直前に設置された。艦橋直前にはエグゾセM40艦対艦ミサイルの4連装発射筒2基が設置された。対潜兵器はもたないが、上記のATAS曳航ソナーとあわせて、短魚雷発射管の搭載も織り込んだ設計となっている[2][4]。
艦尾甲板はヘリコプター甲板とされており、シュペルピューマ級のヘリコプターの運用にも対応できる。ただし格納庫はもたない[2][4]。
同型艦
[編集]# | 艦名 | 造船所 | 起工 | 進水 | 就役 |
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Q-31 | カヒル・アル・アムワジ SNV Qahir Al Amwaji |
ヴォスパー・ソーニクロフト (ウールストン, イギリス) |
1993年5月21日 | 1994年9月21日 | 1996年9月3日 |
Q-32 | アル・ムアッサー SNV Al Mua'zzar |
1994年4月4日 | 1995年9月26日 | 1997年4月13日 |
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]参考文献
[編集]- Friedman, Norman (2012). British Destroyers & Frigates - The Second World War & After. Naval Institute Press. ISBN 978-1591149545
- Gardiner, Robert (1996). Conway's All the World's Fighting Ships 1947-1995. Naval Institute Press. ISBN 978-1557501325
- Saunders, Stephen (2009). Jane's Fighting Ships 2009-2010. Janes Information Group. ISBN 978-0710628886
- Wertheim, Eric (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press. ISBN 978-1591149545