オール・シュック・アップ
『オール・シュック・アップ』 | ||||
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チープ・トリック の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | モントセラト、ロンドン Air Studios[2] | |||
ジャンル | ハードロック、パワー・ポップ | |||
時間 | ||||
レーベル | エピック・レコード | |||
プロデュース | ジョージ・マーティン | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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チープ・トリック アルバム 年表 | ||||
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『オール・シュック・アップ』(All Shook Up)は、チープ・トリックが1980年に発表した5作目のスタジオ・アルバム。
背景
[編集]『蒼ざめたハイウェイ』(1977年)以降のスタジオ・アルバムをプロデュースしてきたトム・ワーマンが外されて、ビートルズとの仕事で知られるジョージ・マーティン(プロデューサー)及びジェフ・エメリック(レコーディング・エンジニア)が起用された[1]。ただし、バン・E・カルロスによれば、レコード会社の方はプロデューサーの変更に対し否定的だったという[1]。「ストップ・ディス・ゲーム」は、当初は「Can't Stop the Music」というタイトルだったが、ヴィレッジ・ピープルを題材とした映画『ミュージック・ミュージック』(原題: Can't Stop the Music)との混同を避けるために改題された[1]。
本作リリース前の1980年8月25日、トム・ピーターソンがバンドを脱退した[5]。
反響
[編集]バンドの母国アメリカでは、Billboard 200で24位に達し、バンドにとって4作目の全米トップ40アルバム(EPを含む)となった[4]。また、シングル「ストップ・ディス・ゲーム」はBillboard Hot 100で48位を記録した[4]。日本盤LPは1980年11月1日に発売され、オリコンLPチャートでは6週トップ100入りし、最高21位を記録した[3]。
評価
[編集]スチュワート・メイソンはオールミュージックにおいて5点満点中2点を付け「チープ・トリック史上初の、全く面白くないアルバム」「T・レックスの一連のヒット曲を想起させるであろう"Baby Loves to Rock"は歓迎すべき曲だが、このアルバムを救うには至っていない」と批判している[6]。一方、David Frickeは1981年3月19日付の『ローリング・ストーン』誌のレビューで5点満点中4点を付け「サウンド及び激情は、バンドが1977年に発表したデビュー・アルバムの、無骨なヘヴィメタルがゴリゴリする様に近い」「チープ・トリックは単に新たなビートルズというだけでなく、ザ・ムーブやエレクトリック・ライト・オーケストラが引き継いできたビートルズ的な英国ポップの伝統と、ザ・フーやヤードバーズに通じるハードロックを、長きにわたり魂を込めて継承してきた一連の流れの最新版である」と評している[7]。また、渋谷陽一は本作の日本盤LPのライナーノーツにおいて「先祖帰りともいえる内容になっている。一枚目の音に近いのだ」と評している[8]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はリック・ニールセン作。
- ストップ・ディス・ゲーム - "Stop This Game" (Rick Nielsen, Robin Zander) - 3:54
- ジャスト・ガット・バック - "Just Got Back" - 2:03
- ベイビー・ラヴズ・トゥ・ロック - "Baby Loves to Rock" - 3:16
- キャント・ストップ・イット - "Can't Stop It but I'm Gonna Try" - 3:30
- ワールズ・グレイテスト・ラヴァー - "World's Greatest Lover" - 4:49
- ハイ・プリースト(オブ・リズミック・ノイズ) - "High Priest of Rhythmic Noise" - 4:10
- ア・タンブリン・ダウン - "Love Comes a-Tumblin' Down" - 3:05
- アイ・ラヴ・ユー・ハニー - "I Love You Honey but I Hate Your Friends" - 3:50
- ゴー・フォー・ザ・スロート - "Go for the Throat (Use Your Own Imagination)" - 3:00
- フー・ザ・キング - "Who D'King" (R. Nielsen, Bun E. Carlos) - 2:15
2006年リマスターCDボーナス・トラック
[編集]- グッド・タイムズ・バッド・タイムズ(シングル・ヴァージョン) - "Everything Works If You Let It"
- デイ・トリッパー(ライヴ・ヴァージョン) - "Day Tripper (Live)" (John Lennon, Paul McCartney)
- キャント・ホールド・オン(ライヴ・ヴァージョン) - "Can't Hold On (Live)"
- グッド・ガール(未発表スタジオ・ヴァージョン) - "Such a Good Girl"
- テイク・ミー・アイム・ユアーズ(未発表スタジオ・ヴァージョン) - "Take Me I'm Yours" (R. Nielsen, R. Zander)
参加ミュージシャン
[編集]脚注・出典
[編集]- ^ a b c d Swanson, Dave (2015年10月24日). “35 Years Ago: Cheap Trick Reach a Turning Point With 'All Shook Up'”. Ultimate Classic Rock. Loudwire Network. 2017年8月26日閲覧。
- ^ Cheap Trick - All Shook Up (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ a b 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』(オリジナルコンフィデンス/1990年/ISBN 4-87131-025-6)p.200
- ^ a b c “Cheap Trick - Awards”. AllMusic. 2016年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月26日閲覧。
- ^ Swanson, Dave (2015年8月25日). “That Time Tom Peterson Left Cheap Trick”. Ultimate Classic Rock. Loudwire Network. 2017年8月26日閲覧。
- ^ Mason, Stewart. “All Shook Up - Cheap Trick”. AllMusic. 2017年8月26日閲覧。
- ^ Fricke, David (1981年3月19日). “All Shook Up - Rolling Stone”. 2017年8月26日閲覧。
- ^ 日本初回盤LP (25・3P-240)、再発CD (MHCP 2016)ライナーノーツ(渋谷陽一、1980年10月3日)