オーストラリアワニ
オーストラリアワニ | |||||||||||||||||||||||||||
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保全状況評価[1][2] | |||||||||||||||||||||||||||
LOWER RISK - Least Concern (IUCN Red List Ver.2.3 (1994)) ワシントン条約附属書II
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Crocodylus johnsoni Krefft, 1873 | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Australian freshwater crocodile Johnston's crocodile | |||||||||||||||||||||||||||
分布
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オーストラリアワニ(濠太剌利鰐、Crocodylus johnsoni)はクロコダイル属に分類されるワニの一種。特定動物。別名ジョンストンワニ。危険を感じると走って(ギャロップで)逃げ去ることで有名である[3]。
分布
[編集]オーストラリア(西オーストラリア州北東部、クイーンズランド州北西部、ノーザンテリトリー北部)固有種
形態
[編集]全長200-300 cm。体色は褐色で、暗色の斑紋がまばらに入る。
口吻は細長く基部の2-3倍で、コブや皮膚の隆起はない。後頭部に並ぶ鱗(後頭鱗板)、頚部に並ぶ鱗(頸鱗板)は共に4枚ずつある。前肢には水掻きがないが、後肢では水掻きが発達している。
生態
[編集]河川や池沼といった淡水域に主に生息するが、汽水域で見られることもありイリエワニと同所に生息することもある。同じオーストラリアに分布する汽水域に生息するイリエワニ(Saltwater crocodile)に対し、Freshwater crocodile(淡水のワニ)の英名で呼ばれることもある。ワニの中では俊敏で、体を持ち上げて短距離であれば飛び跳ねるようにして走る。その速度は最高で時速16km程度にもなり、丸太のような障害物も軽々と飛び越えてしまう[3]。こうしたギャロップ走法には、身体の柔軟性が関係しているようで、バウンド時の力を利用して歩幅が大きくなったりしている[4]。これはオコジョやチーターのような敏捷な哺乳類の一部と共通しており、今は絶滅した陸棲ワニ類(セベクスなど)の身体能力を探る手がかりでもある。
天敵としてはイリエワニや卵を捕食するオオトカゲが挙げられる。またニシキヘビによって丸呑みにされた例も報告されている[5]。
食性は動物食で魚類、小型哺乳類、昆虫類、甲殻類等を食べる。成長の度合いによって食餌は変化し、全長60cm以下の幼体の頃は無脊椎動物やカエルなどを積極的に狙う一方で、大きくなるとそれらよりも魚、カメ、ヘビなどに狙いを切り替える。鳥類や中〜大型哺乳類のような“大物”は、イリエワニなどによって消費されてしまうため、上記の“小物”を主食にしているらしい[6]。また身体が大きくなるにつれて、陸上よりも水辺の動物を餌にする割合が高くなる[7]。
同様の変化は他のワニ類(例えば南米の種)でも知られている[8]。
繁殖形態は卵生で、8-9月に水辺に穴を掘り15-30個の卵を産む。卵は11月頃に孵化する。孵化した幼体の鳴き声を頼りにメス(母親以外のメスでも)が巣を掘り起こして、幼体が地上に出るのを手助けすることが知られている。
人間との関係
[編集]皮が革製品に利用される。近年は乱獲により生息数が減少したため生息地では保護されている。さらに人間が持ち込んだ外来種のオオヒキガエルを誤って捕食し、耐性がないために、その強力な毒で命を落とす個体も多く、時には大量死も発生してしまう[9]。
2019年1月、タウンズビルが水害に襲われた際には、冠水に乗じてオーストラリアワニが市街地へ侵入する可能性が危惧された[10]。
脚注
[編集]- ^ “CITES Appendices I, II and III”. 2015年2月21日閲覧。
- ^ Crocodile Specialist Group (1996). " Crocodylus johnsoni". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2014.3. International Union for Conservation of Nature.
- ^ a b Galloping in Crocodylus johnstoni-a reflection of terrestrial activity? (GRAHAME JW Webb:1982)
- ^ Asymmetrical gaits of juvenile Crocodylus johnstoni, galloping Australian crocodiles(S Renous, J‐P Gasc:2002)
- ^ 「See a python swallow an Australian freshwater crocodile whole」https://www.australiangeographic.com.au/topics/wildlife/2020/07/see-a-python-swallow-an-australian-freshwater-crocodile-whole/
- ^ Ontogenetic dietary partitioning by Crocodylus johnstoni during the dry season(Anton D Tucker:1996)
- ^ Crocodylus johnstoni in the McKinlay River Area, NTI Variation in the diet, and a new method of assessing the relative importance of prey. (GJW Webb:1982)
- ^ Food habits, ontogenetic dietary partitioning and observations of foraging behaviour of Morelet's crocodile (Crocodylus moreletii) in northern Belize(Steven G Platt:2006)
- ^ Invasive cane toads (Bufo marinus) cause mass mortality of freshwater crocodiles (Crocodylus johnstoni) in tropical(Australia Mike Letnic:2008)
- ^ “「100年に1度」の洪水で2万世帯に浸水危機、ワニやヘビも街へ”. CNN (2019年2月4日). 2019年2月10日閲覧。
参考文献
[編集]- 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社、1984年、151頁。
- 『爬虫類・両生類800図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、158頁。
- 『小学館の図鑑NEO 両生類はちゅう類』、小学館、2004年、141頁。