エレジー (ザ・ナイスのアルバム)
『エレジー』 | ||||
---|---|---|---|---|
ザ・ナイス の スタジオ録音を含む ライブ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
[ライブ音源] 1969年12月19日、20日 ニューヨーク、フィルモア・イースト [スタジオ音源] 1969年夏 ロンドン、トライデント・スタジオ | |||
ジャンル | サイケデリック・ロック、プログレッシブ・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | カリスマ・レコード | |||
プロデュース | The Nice | |||
ザ・ナイス アルバム 年表 | ||||
|
『エレジー』 (Elegy) は、イングランドのロック・バンドのザ・ナイスの5作目のアルバム。解散後の1971年に発表された。
解説
[編集]経緯
[編集]カリスマ・レコードは、ザ・ナイスが解散した直後の1970年5月に前作『ファイヴ・ブリッジズ』を発表。引き続いて1971年4月に未発表音源を編集して本作を発表した。解散時のメンバーのうち、キース・エマーソンは編集に関与していない[1]。
内容
[編集]計4曲の収録曲の内訳は、2曲が1969年12月19日と20日のフィルモア・イーストでのライブ録音、2曲が1969年夏のトライデント・スタジオでの録音。
ライブ録音
[編集]「夢を追って」の原曲はアメリカのシンガーのティム・ハーディンの'How Can We Hang On to a Dream'で、ザ・ナイスは3作目のアルバム『ジャズ+クラシック/ロック=ナイス』でスタジオ録音版を発表した。「アメリカ」は、ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』の挿入歌を演奏だけでカバーした彼等の代表曲の一つで、1968年7月に2作目のシングルとして発表されて英米でヒットした。
「夢を追って」のスタジオ録音版には女性コーラス、「アメリカ」のシングルには当時在籍していたギタリストのデヴィッド・オリストが参加したが、本作にはエマーソンのキーボードを中心としたトリオ演奏が収録された。「夢を追って」の中間部の即興演奏に入る直前に、ベーシストのリー・ジャクソンがボウイング奏法を披露している。
スタジオ録音
[編集]「マイ・バック・ページズ」はボブ・ディランが1964年に発表したアルバム『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン』に収録した曲。冒頭のボーカル部分はピアノ・トリオによるが、ジャクソンのボウイングの後、オルガン・トリオによるブルース演奏に移行し[注釈 1]、その編成のまま最後のボーカル部分に入る。
「パセティーク」はチャイコフスキー作曲の交響曲第六番の第三楽章の改作で、前作『ファイヴ・ブリッジズ』ではシンフォニア・オブ・ロンドンと共演したライブ録音版が収録されたが、本作では彼等だけによるスタジオ録音版が収録された。
収録曲
[編集]- LP
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
---|---|---|---|
1. | 「Hang On to a Dream (夢を追って)」(Live at Fillmore East) | Tim Hardin | |
2. | 「My Back Pages (マイ・バック・ページズ)」 | Bob Dylan | |
合計時間: |
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
---|---|---|---|
1. | 「Pathetique (Symphony No. 6, 3rd Movement) (パセティーク)」 | Tchaikovsky, arranged by The Nice | |
2. | 「America (アメリカ)」(Live at Fillmore East) | Leonard Bernstein, Stephen Sondheim, The Nice | |
合計時間: |
- CD
- Elegy (CD)[注釈 2]
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
---|---|---|---|
1. | 「Hang On to a Dream」(Live at Fillmore East) | Tim Hardin | |
2. | 「My Back Page」 | Bob Dylan | |
3. | 「Pathetique (Symphony No. 6, 3rd Movement)」 | Pyotr Ilyich Tchaikovsky arr. The Nice | |
4. | 「America (2nd Amendment)」(Live at Fillmore East) | Leonard Bernstein/Steven Sondheim arr. Keith Emerson/Lee Jackson/Brian Davison | |
5. | 「Country Pie」(Bonus Track. Recorded for BBC Radio 1's "Sounds of the Seventies") | Bob Dylan | |
6. | 「Pathetique (Symphony No. 6, 3rd Movement)」(Bonus Track. Recorded for BBC Radio 1's "Sounds of the Seventies") | Pyotr Ilyich Tchaikovsky, arr. Emerson, Joseph Eger | |
合計時間: |
- Elegy 『エレジー +2』[注釈 3]
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
---|---|---|---|
1. | 「Hang On to a Dream (夢を追って)」(Live at Fillmore East) | Tim Hardin | |
2. | 「My Back Page (マイ・バック・ページズ)」 | Bob Dylan | |
3. | 「Pathetique (パセティーク)」 | Pyotr Ilyich Tchaikovsky arr. The Nice | |
4. | 「America (アメリカ)」(Live at Fillmore East) | Leonard Bernstein/Steven Sondheim arr. Keith Emerson/Lee Jackson/Brian Davison | |
5. | 「Country Pie (カントリー・パイ)」(Bonus Track. BBC Radio 1 "サウンズ・オブ・ザ・セヴンティーズ"より) | Bob Dylan | |
6. | 「Pathetique (パセティーク)」(Bonus Track. BBC Radio 1 "サウンズ・オブ・ザ・セヴンティーズ"より) | Pyotr Ilyich Tchaikovsky, arr. Emerson, Joseph Eger | |
合計時間: |
評価
[編集]全英アルバム・チャートで最高位5位を記録した[3]。
参加ミュージシャン
[編集]- The Nice
- Keith Emerson – ピアノ、オルガン
- Lee Jackson – ベース・ギター、ヴォーカル
- Brian Davison – ドラムス、パーカッション
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 曲の開始後4分30秒あたりからのオルガンの即興演奏のフレーズは、エマーソンが結成したエマーソン・レイク・アンド・パーマーの『展覧会の絵』に収録された「ブルース・ヴァリエイション」でも演奏された。
- ^ Virgin Records. CASCDR 1030. Bonus Tracks recorded for BBC Radio 1's "Sounds of the Seventies" at the Playhouse Theatre, Northumberland Avenue. Recorded 6th April 1970.
- ^ UICY-25578。ユニバーサルミュージック。SKU: 4988031144077。
出典
[編集]- ^ Hanson (2014), p. 170.
- ^ CD Elegy (Virgin CASCDR 1030)のライナーノーツ。
- ^ Hanson (2014), p. 172.
引用文献
[編集]- Hanson, Martyn (2014). Hang on to a Dream: The Story of the Nice. London: Foruli Classics. ISBN 978-1-905792-61-0