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エドワード・ファーロング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Edward Furlong
エドワード・ファーロング
エドワード・ファーロング
2024年撮影
本名 Edward Walter Furlong
生年月日 (1977-08-02) 1977年8月2日(47歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国カリフォルニア州グレンデール
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
身長 170cm
職業 俳優
ジャンル 映画
活動期間 1991年 -
配偶者 レイチェル・ベラ(2006年 - 2009年)
主な作品
ターミネーター』シリーズ
ペット・セメタリー2
母の贈りもの
リトル・オデッサ
グラスハープ/草の竪琴
判決前夜/ビフォア・アンド・アフター
I love ペッカー
アメリカン・ヒストリーX
デトロイト・ロック・シティ
ウォールストリート・ダウン
受賞
MTVムービー・アワード
ブレイクスルー演技賞
1992年ターミネーター2
その他の賞
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エドワード・ウォルター・ファーロング: Edward Walter Furlong1977年8月2日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州出身の俳優。主に1991年公開のSFアクション映画ターミネーター2』のジョン・コナー役で知られている。

経歴

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カリフォルニア州グレンデール出身。父とは面識がなく、母のエレアノル・タフォヤは青年センターの職員でありメキシコの血を引いていた[1]。推測によればおそらく他にロシアネイティブアメリカンの血を引いているという[2]。母はのちにモイゼス・トーレスと再婚し、父親が違う弟ボビー・トーレスがいる。母のもとで暮らすのを拒み、叔母と叔父であるナンシー・タフォヤとショーン・ファーロングによって育てられた。

映画『ターミネーター2』に出演するまで演技の経験は全く無く、ある日バスケットボールをしている最中、キャスティングディレクターの目に止まり、1991年に映画『ターミネーター2』で映画デビュー。1996年にはカルバン・クラインの広告モデルを務めた[3]。 2019年公開のターミネーターシリーズ最新作『ターミネーター:ニュー・フェイト』に28年ぶりに出演することが発表されるが、実際の出番は冒頭のわずか2分程度であり、ターミネーター2当時の自身の顔をボディダブルの役者に合成しただけの出演であった。本人はそのことに不満のコメントを出している。

日本での人気

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日本での人気はアメリカを凌ぐものがあり、多様な商品が発売された[4]。日本でのみ「Hold on Tight」というアルバムで歌手デビューしており[5]、アルバムのなかでドアーズの「People Are Strange」をカバーをしている。さらに1992年頃、東洋水産の「ホットヌードル」のCMに学ラン姿で今村雅美と共演した。

私生活

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2000年秋、薬物依存症(マリファナとコカイン)とアルコール依存症のため1ヶ月リハビリ施設に入るが、退院して数日後には元の状態に戻った[6]パリス・ヒルトンと訪れたクラブで泥酔して失態を起こし[7]、2001年には薬物の過剰摂取で病院に運ばれ[6]、退院した直後リハビリ施設に向かう前に麻薬パーティを行い[8]、1ヶ月の治療の後、今度は無免許運転の4時間後に飲酒運転で事故を起こして1日に2度逮捕される結果となった[9]。俳優としては『アメリカン・ヒストリーX』などで映画出演を続けていたものの、『ターミネーター3』への出演はならなかった。2004年夏、映画『Jimmy and Judy』撮影中に、スーパーマーケットで販売用のロブスターを水槽から逃がそうとして逮捕された。このときもアルコール臭く足元はふらついていたという[10]

2006年4月、映画『Jimmy and Judy』の撮影で知り合った女優のレイチェル・ベラ英語版と結婚。同年の9月21日に、レイチェルとの間に第1子のイーサン・ペイジ・ファーロングが誕生した[11]。しかし2009年7月6日に妻のレイチェル・ベラがロサンゼルス地裁に離婚申し立てをしたので離婚へと進んでいる[12]

その後、離婚裁定中にエドワードがレイチェルの家の前を何度も車で通ったり、自殺をほのめかしたり、親権争いの際に薬物検査を受けることを拒否したことなどが引き金となって、2010年11月、レイチェルに対する3年間の接近禁止命令を受けた[13]。しかし『グリーン・ホーネット』ロサンゼルスプレミアに出席した翌日の2011年1月11日に、妻への接近禁止令違反により逮捕された。12日には7万5000ドルを支払って保釈されている。またロサンゼルス裁判所の判事は、同年10月、エドワードが十分な養育費を支払っていないとして、1万5000ドルの支払いを命じた[14]

2012年10月30日にはロサンゼルス国際空港で恋人のモニカ・キーナに暴力を振るったとして逮捕された[15] [16]ため、新作映画『ミスレッド(原題) / Misled』の役を失うことになった[17]。12月には当時6歳になる息子からコカイン反応が検出され、その責任をめぐってエドワードとレイチェルは法廷で争いになったが司法はレイチェルの勝訴とし、エドワードと息子が2人きりで会うことを禁止した[18]。また、11月21日および2013年1月13日にもモニカ・キーナへの暴力で逮捕された[19][20] ため、新作映画『アザー・プランズ(原題) / Other Plans』の主演を降ろされた[21]

2013年2月には再びレイチェルへの接近禁止命令違反で逮捕[22] され、3月に180日の禁固刑判決を受けた[23]。同年5月16日にも同罪で逮捕され[24] 一時保釈金を支払って釈放されたが、検察側の働きかけで保釈金が増額され、その分を支払わないため6月11日再び収監された[25]

長らく薬物依存症とアルコール依存症の問題が続いていたが快方に向かい、2021年には息子の15歳の誕生日に、息子の近影をインスタグラムに投稿した[26]

44歳になった2022年には、デイリー・メールの取材で、4年間も断薬&断酒を通していると告白した[27]。「ハイになっているときは、人と仲間意識を感じた。ただ飲んで、パーティーをした。すると突然、孤独じゃなくて、人と上手くやれているような感覚になれたんだ。これが始まりだ」「ヘロインや覚せい剤、DMTなどを絶え間なく次々キメた。そうして毎日過ごしてた。生きてるのがウソみたいだよ…危ない時が2回あった」「間違いなく過剰摂取だったけど、当たり前になってたんだ。一度依存症になると抜け出すのが難しい。人々に理解して欲しいところだよ…抜け出す道はあるけれど、難しいんだ」「(現在は)二日酔いでもなく、前夜に何をしていたか思い出せないこともない」「シラフでいるに値する、素晴らしいことや理由がたくさんあるからね。続けられることを願う」と、心のうちを明かした[27]。長年の依存症で多くの歯を失っていたエドワードは、歯も新しくし、本格的に俳優としての活動の再開を宣言した[28]

2023年には、かつて接近禁止命令を出されていた元恋人のモニカ・キーナとのデートが現地メディアで報じられた[29]

主な出演作品

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映画

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公開年 邦題
原題
役名 備考
1991 ターミネーター2
Terminator 2: Judgment Day
ジョン・コナー MTVムービー・アワード ブレイクスルー演技賞 受賞
サターン賞 若手俳優賞 受賞
1992 アメリカン・ハート
American Heart
ニック・ケルソン
ペット・セメタリー2
Pet Sematary II
ジェフ・マシューズ
1993 母の贈りもの
A Home of Our Own
シェーン・レイシー ヤング・アーティスト・アワード 主演男優賞 受賞
1994 ブレインスキャン
Brainscan
マイケル
リトル・オデッサ
Little Odessa
ルーベン・シャピラ
1995 グラスハープ/草の竪琴
The Grass Harp
コリン・フェンウィック
判決前夜/ビフォア・アンド・アフター
Before and After
ジェイコブ・ライアン
1996 ターミネーター 2:3-D
T2 3-D: Battle Across Time
ジョン・コナー ユニバーサルスタジオのアトラクション用として作られた短編映画
1998 I love ペッカー
Pecker
ペッカー
アメリカン・ヒストリーX
American History X
ダニー・ヴィンヤード
1999 デトロイト・ロック・シティ
Detroit Rock City
ホーク
2000 アニマル・ファクトリー
Animal Factory
ロン・デッカー
2001 ナイト・オブ・ゴッド
I cavalieri che fecero l'impresa
シモン
2002 マーダー・ネット
3 Blind Mice
トーマス・クロス
2005 インターメディオ
Intermedio
マリク
L.A.アンダーグラウンド
Venice Underground
ゲイリー
クロウ -真・飛翔伝説-
The Crow: Wicked Prayer
ジミー/クロウ
Cruel World
Philip Markham 日本未公開
2006 悪魔と天使
The Visitation
ブランドン
Jimmy and Judy
Jimmy Wright 日本未公開
コベナント
The Covenant: Brotherhood of Evil
デヴィッド・グッドマン
BIOHAZARD デス・プラント
Warriors of Terra
クリス
2007 エドワード・ファーロングの バンク・ジョブ/凶弾殺人
Living & Dying
サム
2008 オーディション2
Dark Reel
アダム
2009 ファイナル・デッドパーティー
Night of the Demons
コリン
ダルフール・ウォー 熱砂の虐殺
Darfur
エイドリアン・アーチャー
2011 グリーン・ホーネット
The Green Hornet
タッパー
This Is Not a Movie
Pete Nelson 日本未公開
The Mortician
Petrovsky 日本未公開
フローズン・ライター
Below Zero
ジャック/フランク
スパイダー・シティ
Arachnoquake
チャーリー テレビ映画
2012 ギャング・イン・L.A.
For The Love Of Money
トミー
Crave
Ravi 日本未公開
Paranormal Abduction
Frank 日本未公開
2013 Matt's Chance
Matt Golden Bulb Best Ensemble Film賞 受賞
日本未公開
キング・オブ・ゾンビ
The Zombie King
サミュエル・ピーター
ウォールストリート・ダウン
Assault on Wall Street
ショーン
アウェイク
Awakened
トーマス・バートン
2014 Stitch
Marsden 日本未公開
Aftermath
Brad 日本未公開
The Last Light
Noah 日本未公開
2015 A Perfect Vacation
Berto 日本未公開
2016 A Winter Rose
Willy 日本未公開
2017 The Reunion
Skip 日本未公開
2019 ターミネーター:ニュー・フェイト
Terminator: Dark Fate
ジョン・コナー CGのモーションキャプチャ(ボディダブルの子役の演技にターミネーター2出演時のエドワード・ファーロングの姿をCGで合成)にて動き等のみ担当
2023 Heart of a Champion
Troy 日本未公開
The Forest Hills
Billy 日本未公開
2024 Unspeakable: Beyond the Wall of Sleep
Ambrose London 日本未公開

テレビシリーズ

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放映年 邦題
原題
役名 備考
2006,2009,2010 CSI:ニューヨーク
CSI: NY
シェーン・ケイシー シーズン3第4話「見せしめ」、第11話「レイジング・シェーン」
シーズン6第19話「贖罪」、第23話「失われた休暇」
シーズン7第1話「The 34th Floor (2)」
2012 The Glades Way N.E. Bey/Wayne Balldinger エピソード: Public Enemy
2015 Star Trek: Renegades Fixer エピソード: Pilot

参考文献

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  1. ^ Totty with talent | Sunday Herald, The | Find Articles at BNET.com
  2. ^ The Crow Wicked Prayer: Star Edward Furlong
  3. ^ Edward Furlong's Calvin Klein Ads
  4. ^ Japander.com
  5. ^ The House of Diabolique vs. Edward Furlong
  6. ^ a b “E・ファーロング、薬物の過剰摂取で病院へ”. シネマトゥデイ. (2001年5月21日). https://www.cinematoday.jp/news/N0000535 2009年8月20日閲覧。 
  7. ^ “エドワード・ファーロング、酔って大失態”. シネマトゥデイ. (2000年10月12日). https://www.cinematoday.jp/news/N0000068 2009年8月20日閲覧。 
  8. ^ “E・ファーロング、リハビリ前に麻薬パーティー”. シネマトゥデイ. (2001年5月25日). https://www.cinematoday.jp/news/N0000556 2009年8月20日閲覧。 
  9. ^ “E・ファーロング、1日に2度逮捕される”. シネマトゥデイ. (2001年10月12日). https://www.cinematoday.jp/news/N0001067 2009年8月20日閲覧。 
  10. ^ “エドワード・ファーロング、ロブスターを逃がそうとして逮捕”. シネマトゥデイ. (2004年9月21日). https://www.cinematoday.jp/news/N0005428 2009年8月20日閲覧。 
  11. ^ “エドワード・ファーロングに男児誕生”. シネマトゥデイ. (2006年9月26日). https://www.cinematoday.jp/news/N0009138 2009年8月20日閲覧。 
  12. ^ “『ターミネーター2』のジョン・コナー役、エドワード・ファーロング、妻が離婚を申請”. シネマトゥデイ. (2009年7月10日). https://www.cinematoday.jp/news/N0018776 2009年8月20日閲覧。 
  13. ^ 『ターミネーター2』のエドワード・ファーロングに3年間の接近禁止令 妻に近づくことを許されず シネマトゥデイ 2010年11月27日
  14. ^ 『ターミネーター2』エドワード・ファーロングに「審判の日」!120万円におよぶ養育費の支払い命令! シネマトゥデイ 2011年10月4日
  15. ^ 『ターミネーター2』ジョン・コナー俳優、恋人へのDVで逮捕 シネマトゥデイ 2012年10月30日
  16. ^ 美少年だったターミネーター俳優、震撼ものの巨漢に激変!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS”. MOVIE WALKER PRESS (2016年10月26日). 2024年4月7日閲覧。
  17. ^ DV逮捕の『ターミネーター2』ジョン・コナー俳優、新作映画から降ろされる シネマトゥデイ 2012年11月2日
  18. ^ 『ターミネーター2』エドワード・ファーロングの6歳の息子からコカイン反応 シネマトゥデイ 2012年12月19日
  19. ^ 『ターミネーター2』ジョン・コナー俳優、DVでまた訴えられる 1か月で2度目 シネマトゥデイ 2012年12月19日
  20. ^ 『ターミネーター2』エドワード・ファーロング、DVの疑いで3度目の逮捕 シネマトゥデイ 2013年1月16日
  21. ^ 『ターミネーター2』エドワード・ファーロング、新作映画の主役をクビ シネマトゥデイ 2013年1月19日
  22. ^ 『ターミネーター2』の美少年、エドワード・ファーロングが逮捕 この半年で4回目 シネマトゥデイ 2013年2月16日
  23. ^ 『ターミネーター2』エドワード・ファーロング、6か月の禁固刑が決定 シネマトゥデイ 2013年3月6日
  24. ^ 『ターミネーター2』エドワード・ファーロングが逮捕 接近禁止命令を破る シネマトゥデイ 2013年5月18日
  25. ^ 『ターミネーター2』のエドワード・ファーロング、再び刑務所へ シネマトゥデイ 2013年6月12日
  26. ^ エドワード・ファーロング、現在15歳の息子が美しすぎる!まさに『ターミネーター』のジョン・コナー【写真】 - フロントロウ | グローカルなメディア”. front-row.jp. 2024年4月7日閲覧。
  27. ^ a b 『ターミネーター2』エドワード・ファーロング、断薬&断酒して4年になると告白”. クランクイン!- エンタメの「今」がわかる 映画&エンタメニュースサイト (2022年7月18日). 2024年4月7日閲覧。
  28. ^ 美少年から変貌を遂げた「ターミネーター」俳優、断酒4年&新しい歯でカムバック宣言!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS”. MOVIE WALKER PRESS (2022年7月19日). 2024年4月7日閲覧。
  29. ^ 『ターミネーター2』の元有名子役エドワード・ファーロング、接近禁止命令を出されていた元恋人と約10年ぶりにデート - セレブニュース”. SPUR. 2024年4月7日閲覧。

外部リンク

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