エドガー・マルティネス賞
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エドガー・マルティネス賞(エドガー・マルティネスしょう、Edgar Martínez Outstanding Designated Hitter Award)は、メジャーリーグベースボールの賞。
年間で最も活躍した指名打者に贈られる。このため、2021年までは指名打者制度を採用しているアメリカンリーグのみの賞となっていた。2022年よりナショナルリーグも指名打者制度を採用したため、対象となった。メジャーリーグ各球団の担当記者やアメリカンリーグ、ナショナルリーグの広報担当などの投票で決定する。
1973年の設立当初は最優秀指名打者賞 (Outstanding Designated Hitter Award) であったが、エドガー・マルティネスの功績を称えて、2004年に改称した。マルティネスは2019年にアメリカ野球殿堂に表彰された。
デビッド・オルティーズはマルティネスの5回受賞を超えて、現役最終年の2016年を含む8回受賞した。
2020年はナショナルリーグ史上初の指名打者制が導入され、アトランタ・ブレーブスのマーセル・オズナがナ・リーグ史上初の受賞者となった。
2021年はロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平がアジア人、日本人として初の受賞者となった。
同一年にシルバースラッガー賞 (指名打者部門)と同じ選手が受賞する傾向が強い。
受賞者一覧
[編集]年 | 選手名 | 所属球団(当時) | 成績 |
---|---|---|---|
1973 | オーランド・セペダ | ボストン・レッドソックス | 打.289 20本 86点 O.794 |
1974 | トミー・デービス | ボルチモア・オリオールズ | 打.289 11本 84点 O.702 |
1975 | ウィリー・ホートン | デトロイト・タイガース | 打.275 25本 92点 O.740 |
1976 | ハル・マクレー | カンザスシティ・ロイヤルズ | 打.332 8本 73点 O.868 |
1977 | ジム・ライス | ボストン・レッドソックス | 打.320 39本 114点 O.969 |
1978 | ラスティ・スタウブ | デトロイト・タイガース | 打.273 24本 121点 O.782 |
1979 | ウィリー・ホートン(2) | シアトル・マリナーズ | 打.279 29本 106点 O.784 |
1980 | ハル・マクレー(2) | カンザスシティ・ロイヤルズ | 打.297 14本 83点 O.825 |
1981 | グレッグ・ルジンスキー | シカゴ・ホワイトソックス | 打.265 21本 62点 O.841 |
1982 | ハル・マクレー(3) | カンザスシティ・ロイヤルズ | 打.308 27本 133点 O.910 |
1983 | グレッグ・ルジンスキー(2) | シカゴ・ホワイトソックス | 打.255 32本 92点 O.854 |
1984 | デーブ・キングマン | オークランド・アスレチックス | 打.268 35本 118点 O.826 |
1985 | ドン・ベイラー | ニューヨーク・ヤンキース | 打.231 23本 91点 O.760 |
1986 | ドン・ベイラー(2) | ボストン・レッドソックス | 打.238 31本 94点 O.783 |
1987 | ハロルド・ベインズ | シカゴ・ホワイトソックス | 打.293 20本 93点 O.831 |
1988 | ハロルド・ベインズ(2) | シカゴ・ホワイトソックス | 打.277 13本 81点 O.758 |
1989 | デーブ・パーカー | オークランド・アスレチックス | 打.264 22本 97点 O.741 |
1990 | デーブ・パーカー(2) | ミルウォーキー・ブルワーズ | 打.289 21本 92点 O.781 |
1991 | チリ・デービス | ミネソタ・ツインズ | 打.277 29本 92点 O.892 |
1992 | デーブ・ウィンフィールド | トロント・ブルージェイズ | 打.290 26本 108点 O.867 |
1993 | ポール・モリター | トロント・ブルージェイズ | 打.332 22本 112点 O.911 |
1994 | ストライキのため該当者なし | ||
1995 | エドガー・マルティネス | シアトル・マリナーズ | 打.356 29本 113点 O1.107 |
1996 | ポール・モリター(2) | ミネソタ・ツインズ | 打.341 9本 113点 O.858 |
1997 | エドガー・マルティネス(2) | シアトル・マリナーズ | 打.330 28本 108点 O1.009 |
1998 | エドガー・マルティネス(3) | シアトル・マリナーズ | 打.322 29本 102点 O.993 |
1999 | ラファエル・パルメイロ | テキサス・レンジャーズ | 打.324 47本 148点 O1.050 |
2000 | エドガー・マルティネス(4) | シアトル・マリナーズ | 打.324 37本 145点 O1.002 |
2001 | エドガー・マルティネス(5) | シアトル・マリナーズ | 打.306 23本 116点 O.966 |
2002 | エリス・バークス | クリーブランド・インディアンス | 打.301 32本 91点 O.903 |
2003 | デビッド・オルティーズ | ボストン・レッドソックス | 打.288 31本 101点 O.961 |
2004 | デビッド・オルティーズ(2) | ボストン・レッドソックス | 打.301 41本 139点 O.983 |
2005 | デビッド・オルティーズ(3) | ボストン・レッドソックス | 打.300 47本 138点 O1.001 |
2006 | デビッド・オルティーズ(4) | ボストン・レッドソックス | 打.287 54本 137点 O1.049 |
2007 | デビッド・オルティーズ(5) | ボストン・レッドソックス | 打.332 35本 117点 O1.066 |
2008 | オーブリー・ハフ | ボルチモア・オリオールズ | 打.304 32本 108点 O.912 |
2009 | アダム・リンド | トロント・ブルージェイズ | 打.305 35本 114点 O.932 |
2010 | ブラディミール・ゲレーロ | テキサス・レンジャーズ | 打.300 29本 115点 O.841 |
2011 | デビッド・オルティーズ(6) | ボストン・レッドソックス | 打.309 29本 96点 O.953 |
2012 | ビリー・バトラー | カンザスシティ・ロイヤルズ | 打.313 29本 107点 O.882 |
2013 | デビッド・オルティーズ(7) | ボストン・レッドソックス | 打.309 30本 103点 O.959 |
2014 | ビクター・マルティネス | デトロイト・タイガース | 打.335 32本 103点 O.974 |
2015 | ケンドリス・モラレス | カンザスシティ・ロイヤルズ | 打.290 22本 106点 O.847 |
2016 | デビッド・オルティーズ(8) | ボストン・レッドソックス | 打.315 38本 127点 O1.021 |
2017 | ネルソン・クルーズ | シアトル・マリナーズ | 打.288 39本 119点 O.924 |
2018 | クリス・デービス | オークランド・アスレチックス | 打.247 48本 123点 O.874 |
2019 | ネルソン・クルーズ(2) | ミネソタ・ツインズ | 打.311 41本 108点 O1.031 |
2020 | マーセル・オズナ | アトランタ・ブレーブス | 打.338 18本 56点 O1.067 |
2021 | 大谷翔平 | ロサンゼルス・エンゼルス | 打.257 46本 100点 O.965 |
2022 | 大谷翔平(2) | ロサンゼルス・エンゼルス | 打.273 34本 95点 O.875 |
2023 | 大谷翔平(3) | ロサンゼルス・エンゼルス | 打.304 44本 95点 O1.066 |
球団別受賞回数
[編集]回数 | 球団 | 受賞年 |
---|---|---|
11回 | ボストン・レッドソックス | 1973, 1977, 1986, 2003-07, 2011, 2013, 2016 |
7回 | シアトル・マリナーズ | 1979, 1995, 1997-98, 2000-01, 2017 |
5回 | カンザスシティ・ロイヤルズ | 1976, 1980, 1982, 2012, 2015 |
4回 | シカゴ・ホワイトソックス | 1981, 1983, 1987-88 |
3回 | トロント・ブルージェイズ | 1992-93, 2009 |
デトロイト・タイガース | 1975, 1978, 2014 | |
オークランド・アスレチックス | 1984, 1989, 2018 | |
ミネソタ・ツインズ | 1991, 1996, 2019 | |
ロサンゼルス・エンゼルス | 2021-23 | |
2回 | ボルチモア・オリオールズ | 1974, 2008 |
テキサス・レンジャーズ | 1999, 2010 | |
1回 | ニューヨーク・ヤンキース | 1985 |
ミルウォーキー・ブルワーズ | 1990 | |
クリーブランド・インディアンス | 2002 | |
アトランタ・ブレーブス | 2020 |
注記
- ミルウォーキー・ブルワーズは1998年から2021年まで指名打者制を採用しなかったナショナルリーグに所属。
- アトランタ・ブレーブスはナ・リーグ史上初の指名打者制導入によるもの。
- 受賞者が出ていないのはタンパベイ・レイズ、2013年からアメリカンリーグ所属のヒューストン・アストロズの2球団と、アトランタ・ブレーブスとミルウォーキー・ブルワーズを除くナショナルリーグ全球団。