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エディ号 (東京 - 徳島線)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エディ号(徳島バス
エディ号専用カラーの車両
エディ号(京急観光バス運行当時)
続行便に運用された徳島バスの観光バス車両

エディ号(エディごう)は、徳島バスと各社が共同運行していた徳島発着の高速バスである。路線愛称の「エディ (Eddy) 」は英語で「渦」を意味し[1]鳴門の渦潮を表している。

大阪府枚方市方面の「あわひらかた号」、広島県広島市方面「あわひろしま号」なども、徳島バスでは「エディ号」と称しているが、中でも「エディ号」と言えば、京浜急行バスと徳島バスが共同運行していた東京 - 徳島間の路線を指すことが多い。京急側でも「エディ号」の名称を使用していたため、当項目では東京 - 徳島線のみを扱う

夜行便であることから、徳島バスが運行する他の高速バス(総称して「エディ号」と呼ぶこともある)と区別するため「ムーンライトエディ号」と呼ばれていた[2]

エディ号全般については、徳島バス#高速バス路線のページを参照のこと。

概要

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1989年平成元年)7月14日、定期路線「エディ号」として運行開始[3][4]。鉄道での直行手段がない東京と徳島県を結ぶ路線として開設された。

定期路線としての運行に先立ち、1988年8月には2週間にわたって帰省バスでの運行が行なわれた。これはツアーバス形式をとってはいるものの、運行期間は14日間と帰省バスとしては長めに設定された上、両社で隔日交互で夜行バスを運行するという、通常の夜行高速バスと同様の運行形態が採られていた[5]。「エディ号」の愛称はこの時に採用されたものである。この時には1250人もの利用があり、同年の年末にも同様の運行形態で運行したところ、常時2台運行という状態になった[5]ことから、定期的に運行する路線バスとしての運行に踏み切ったものである[6]

当路線の運行開始当初は明石海峡大橋が開通していなかったため、神戸市須磨区 - 東浦町(現:淡路市)間は淡路フェリーボートを利用し、フェリーにバスごと載せて明石海峡を渡るという珍しい方策を採っていた[5]。明石海峡大橋開通とともにルート変更され、フェリー航送はなくなった。

なお、定期バスのフェリー航送は2017年現在、鹿屋市コミュニティバスで行われている。 過去には、徳島バス・阪神電気鉄道南海電気鉄道が共同運行する徳島 - 神戸三宮 - 梅田・難波線が、本路線と同様に明石大橋開通前に淡路フェリーを利用して運行された(現在は明石海峡大橋経由)。また、伊勢湾フェリーを利用する三重交通近鉄鳥羽駅 - 中部国際空港間リムジンバス(路線廃止)、九州横断バス(現在は区間短縮して航送区間なし)、「ありあけ号」(路線廃止)、「しまなみライナー」三原線(路線廃止)、スオーナダフェリーを利用する「別府ゆけむり号」(路線廃止)の例が存在するが、夜行高速バスのフェリー航送は「エディ号」以外の事例は存在しない。

京浜急行・徳島バスと淡路フェリーボートの契約により、バスが多少遅れても優先的に乗船できた[7]。また各便1号車は専用乗船枠が用意されていた[7]。フェリー航行中、乗客・乗務員は車両甲板に入れないため客室に滞在した[7]。このためフェリー区間が深夜帯にかからないように配慮されたダイヤとなっていた[8]

フェリー利用時代の運行時刻は次の通りとなっていた(1990年頃の時刻表より)。

  • 下り便:品川21:30・浜松町21:50→鳴門撫養07:40・徳島駅08:10
  • 上り便:品川06:40・浜松町06:20←鳴門撫養20:25・徳島駅20:00

当時は渋谷・東浦・志知・松茂(徳島とくとくターミナル)は停車せず、1往復運行で徳島駅が起終点であった。「鳴門撫養」は現在の「高速鳴門」。

運行会社

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夜行便1日1往復(毎日運行)。片道1便が京急、徳島バスの隔日で担当(続行便は担当が替わることがある)。
京浜急行バスへの徳島側の運行支援は鴨島営業所が担当していた。

運行系統および停車停留所

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○…品川発は乗車のみ、徳島発は降車のみ扱い
●…徳島発は乗車のみ、品川発は降車のみ扱い
所在地(都県名) 所在地(区市町名) 停留所名 乗降車 備考
東京都 港区 品川バスターミナル
渋谷区 渋谷マークシティ 91番乗り場に停車
兵庫県 淡路市 東浦
南あわじ市 志知
徳島県 鳴門市 高速鳴門
板野郡松茂町 松茂 徳島とくとくターミナル
徳島市 徳島駅
加茂名 加茂名小学校前停留所
名西郡石井町 石井 石井駅
吉野川市 徳島バス鴨島営業所
川島 吉野川市役所川島庁舎前

誤乗防止のため、先行する渋谷経由便を「エディ1」、後発の渋谷通過便を「エディ2」と案内することがあったが、2009年11月の路線延長時から(2往復運行の最終日である)2019年9月30日まで、それぞれ「エディ1号」「エディ2号」という名称に変更されていた[9]

渋谷マークシティ高速バス乗り場が狭隘であるため、2019年9月30日運行分まで渋谷経由便のエディ1号は通年1台運行であった。また、1往復化された2019年10月1日以降も2号車以降の続行便は設定されなかった。渋谷マークシティ乗り入れ台数制限については「夕陽号」でも見られる。

エディ1号

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エディ2号

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沿革

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車両

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独立3列シートでトイレ付きのスーパーハイデッカー車が運用されていた。京浜急行バスは三菱ふそう・エアロクィーン日野・セレガを使用。徳島バスはエアロクィーン、セレガ(セレガR、2代目セレガ)を使用。

続行便で観光バス車両(4列シート車、トイレ設備なし)が運用されることがあり、その際は運賃が若干割引されていた。

膝掛け毛布・スリッパ・お茶・冷水・おしぼりのサービスがあった。京急便と徳島バス便で設備が若干異なり、京急便には通路側フェイスカーテンを増設した車両もあった。

脚注

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  1. ^ eddyとは 英辞郎アルク
  2. ^ 高速バス - 東京線「ムーンライトエディ号」”. 徳島バス. 2019年10月2日閲覧。
  3. ^ a b 京浜急行バス クロニクル 年譜”. 京浜急行バス. 2021年6月6日閲覧。
  4. ^ a b “夜行バス開設免許”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1998年6月21日) 
  5. ^ a b c 鈴木文彦『新版・高速バス大百科』p.63
  6. ^ 鈴木文彦『新版・高速バス大百科』p.64
  7. ^ a b c 鈴木文彦『新版・高速バス大百科』p.66
  8. ^ 鈴木文彦『新版・高速バス大百科』p.66の記述では、下り便については明石5時50分発の便が指定されていた。
  9. ^ a b 京浜急行バストピックス 【高速バス】 徳島ゆき「エディ」号は阿南へ、吉野川へ
  10. ^ バスの駅「徳島とくとくターミナル」完成 - 国土交通省四国地方整備局四国技術事務所「四国技報」第3巻5号 平成15年7月1日(2003年7月1日、2018年10月10日閲覧)
  11. ^ 高速バス:東京行き、発着地点を延伸--来月から /徳島”. 毎日新聞 地方版 (2009年10月29日). 2009年11月5日閲覧。
  12. ^ 徳島バス 東京線にお得な回数券登場!
  13. ^ 国土交通省中部運輸局自動車交通部 4月14日に開通する『新東名』に高速バス17社が運行
  14. ^ 「エディ号」徳島方面ゆきの運行について”. 京浜急行バス (2019年8月23日). 2019年8月24日閲覧。
  15. ^ 【東京線】改正について”. 徳島バス (2019年8月30日). 2019年10月22日閲覧。
  16. ^ 消費税引き上げに伴う運賃改定について”. 京浜急行バス (2019年9月6日). 2019年10月22日閲覧。
  17. ^ 【高速バス】消費税率変更に伴う運賃改定について”. 徳島バス (2019年8月30日). 2019年10月22日閲覧。
  18. ^ 新型コロナウイルスの影響に伴う高速・空港バス運行について(4月16日18時現在)”. 京浜急行バス (2020年4月16日). 2020年4月18日閲覧。
  19. ^ 新型コロナウイルスの影響に伴う運休について(4/17松山、京都、高知、広島、岡山更新)”. 徳島バス (2020年4月17日). 2020年4月18日閲覧。
  20. ^ 一部運休路線の運行再開について”. 京浜急行バス (2020年7月3日). 2020年7月4日閲覧。
  21. ^ 高速バス一部路線の運行再開について(6/23更新)” (PDF). 徳島バス (2020年6月23日). 2020年7月4日閲覧。
  22. ^ a b 長距離バスの停留所移設等運行について”. 京浜急行バス (2020年8月11日). 2020年10月2日閲覧。
  23. ^ a b 高速バス運行状況”. 徳島バス (2020年9月30日). 2020年10月3日閲覧。
  24. ^ a b 【川島東京線(ムーンライトエディ号)】路線休止のお知らせ”. 徳島バス (2021年2月15日). 2021年2月15日閲覧。
  25. ^ a b 長距離高速バス「エディ号」徳島ゆきの休止について”. 京浜急行バス (2021年2月15日). 2021年2月15日閲覧。
  26. ^ ただし、徳島バスに限り、ドリーム阿南・徳島号ジェイアールバス関東担当便の受託運行という形で東京都内への乗り入れが継続している。

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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