エデアグス
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エデアグス(英語: aedeagus, aedoeagus, edeagus[1])は、節足動物のうち昆虫の雄に特有の生殖器である[2]。雌との交尾中に挿入器として精巣から精子を分泌する。哺乳類の陰茎にあたる。
外性器であるが、通常では腹部の内部に収納され、交尾の際に腹部の先端から突出する。発生学的には第9腹節と第10腹節由来の2対の付属肢(生殖肢 gonopod)を集約した部分であり、その中で第10腹節生殖肢由来の部分はペニスと呼ぶ[2]。
名称
[編集]フランスの生物学者ルネ・ジャネル(René Jeannel)がペニスや陰茎、包皮といった用語は「脊椎動物の者である」としてギリシャ語の生殖器を指す「Ta aidoia」から作った[3](p48)。ジャネルは、メクラチビシデムシの体を研究中、同種間の生殖器が異常な多様性を持つ点に注目し、研究を行っていたが、ペニスの研究に際し弟子である「女学生」に泣かれたため、この造語を作ることになったとされる。また、ジャネルの1955年の著書は『L’Édéage』(エデアグスをフランス語風にしたもの)という。
脚注
[編集]- ^ “Terminalia / The Insects”. www.entomologa.ru. 2021年12月15日閲覧。
- ^ a b Boudinot, Brendon E. (2018-11-01). “A general theory of genital homologies for the Hexapoda (Pancrustacea) derived from skeletomuscular correspondences, with emphasis on the Endopterygota” (英語). Arthropod Structure & Development 47 (6): 563–613. doi:10.1016/j.asd.2018.11.001. ISSN 1467-8039 .
- ^ 『ダーウィンの覗き穴:性的器官はいかに進化したか』Menno Schilthuizen (著), 田沢 恭子 (翻訳)、早川書房、2016年1月。ISBN 978-4-15-209596-1。OCLC 944470055 。