エゴイスト (漫画)
表示
『エゴイスト』(Egoist)は、ボブ・バトルによるアメリカ合衆国の漫画作品。文藝春秋が発行していた『漫画讀本』において1956年から1962年まで日本語に翻訳掲載されていたが、同誌では掲載号によって『エゴイスト爺さん』『意地悪じいさん』など何通りかの表題が使用されていた。
ただし、「Bob Battle」というアメリカの漫画家、および『Egoist』というアメリカの漫画の実在が確認されていない。『漫画讀本』1963年9月号目次絵に「意地悪じいさん」の絵と伊坂芳太良のクレジットがあることから、伊坂の変名らしい。
解説
[編集]『漫画讀本』掲載時の表題の一つからもわかるように、意地悪なお爺さん(以下、仮に「エゴイスト爺さん」とする)が他人に様々な嫌がらせをする様子を描いている。4コマ漫画形式で登場人物の台詞はコマ内には書かれず、表題が主人公のエゴイスト爺さんかその被害者の台詞を兼ねていることが多い。
長谷川町子は『サザエさんうちあけ話』において、本作を読み「おバァさんのほうがグッと迫力あるのになァ」と言う感想を抱いたことが『いじわるばあさん』を『サンデー毎日』誌上で連載する契機になったと述べている。『いじわるばあさん』の作中では、主人公の伊知割石が旅行先のイギリスで“本家”のエゴイスト爺さんらしき人物に遭遇して「冥土インジャパン」と嘲笑されたことを憤慨すると言うエピソードがある。
『漫画讀本』の休刊後、新評社から『エゴイスト』の表題で日本語版の単行本が発売された。
書誌情報
[編集]- ボブ・バトル『エゴイスト』新評社、全2巻
この他、1989年刊の文春文庫ビジュアル版『漫画讀本傑作選』にも数点が再録されている[1]。
出典
[編集]- ^ 『漫画讀本傑作選』 ISBN 4-16-811604-2