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ウム・アルマラディム級ミサイル艇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウム・アルマラディム級ミサイル艇
P3721 アルファハヒール
基本情報
艦種 ミサイル艇
建造所 ノルマンディ機械製作所(CMN)[1]
運用者  クウェート海軍[1]
就役期間 1998年 - 就役中[1]
建造数 8隻[1]
要目
満載排水量 245t[1]
全長 42m[1]
最大幅 8.2m[1]
吃水 1.9m[1]
主機 MTUディーゼルエンジン ×2基[1]
推進器 カメワ製ウォータージェット×2基[1]
出力 2.95MW[1]
最大速力 30ノット[1]
航続距離 1,350海里[1]
乗員 29名[1]
兵装 OTOブレダ 40mm機関砲×1基[1]
GIAT M621 20mm機関砲×1基[2]
12.7mm機関銃×2基[1]
シースクア SSM連装発射筒×2基[1]
ミストラル艦対空ミサイル用シンバッド連装発射機×1基[1]
C4ISTAR タレス TAVITAC[1]
レーダー BAE シースプレイ 射撃指揮レーダー[1]
タレス MRR E/Fバンド3次元レーダー[2]
Racal Iバンド航海レーダー[2]
光学機器 SAGEM Najir Mark 2[2]
電子戦
対抗手段
タレス DR-300S1 レーダー警報受信機[2]
タレス・オプトロシス サラマンドルB1 レーダー妨害装置[2]
SAGEM Dagaie チャフ/IRデコイ発射機[2]
テンプレートを表示

ウム・アルマラディム級ミサイル艇英語: Um-Almaradim Class Missile Boat)は、クウェート海軍英語版のミサイル艇の艦級[1]。フランスのノルマンディ機械製造所(CMN)によって8隻が建造された[1]

概要

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本級は、湾岸戦争により壊滅したクウェート海軍の再建のために発注され、1998年から2000年にかけて就役した[1]

CMN社のコンバタントI型と呼ばれる設計で、上部構造物はステルス性を重視しており、複雑な形状のマストを特徴としている[1][3]。艦体は鋼製で、全長42m、最大幅8.2m、喫水1.9m、航続距離は1,350海里(14ノット時)である[1][2][4]。その他の諸元は資料ごとに微妙に異なっており、満載排水量は245t[1][2]または250t[4]、最大速力は30ノット[1][2]または32ノット[4]、乗員数は24名[2]または29名[1][4]となっている。

主兵装にはMBDA製の「シースクア」艦対艦ミサイルの連装発射機2基を搭載しており、これは射程15km、飛翔速度マッハ0.9、セミアクティブレーダー誘導方式の小型ミサイルである[1][2]。主砲はオートブレダ製の40mm機関砲塔を艦首に搭載し、他にGIAT製の「M621」20mm機関砲1基(艦尾)と12.7mm重機関銃2基がある[1][2]。また、対空用として「ミストラル」艦対空ミサイル用のシンバッド連装発射機を1基搭載している[1]。ただし、これらの兵装は艇の規模と比較して射程や威力がやや貧弱であり、以下のような高度なC4Iシステムやセンサー類を活かせていないと評されている[1]

C4Iシステムには、タレス製の「TAVITAC」を搭載している[1]。これは建造当時では最新の戦闘情報システムで、搭載するセンサーや「リンクY」戦術データ・リンクから得た様々な情報を分析し、脅威度判定や目標指示、兵装選択を自動的に行うことができる[1][2]レーダーには、BAE製の「シースプレイ」射撃指揮レーダーをメインマスト上部に搭載するほか、対空/対水上捜索用のタレス製「MRR」E/Fバンド3次元レーダーと、Racal製のIバンド航海用レーダーを搭載している[1][2]。また、光学式射撃指揮装置としてSAGEM製の「Najir Mark 2」を搭載している[2]

このほか、電子戦・対抗手段として、タレス製の「DR-300S1」レーダー警報受信機、タレス・オプトロシス製の「サラマンドルB1」レーダー妨害装置、SAGEM製の「Dagaie」チャフ/IRデコイ発射機を搭載している[2]

同型艦

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番号 艦名 建造所 進水 就役 状況
P3711 ウム・アルマラディム[1]
Um-Almaradim
ノルマンディ機械製作所(CMN)[1] 1997年2月27日[1] 1998年7月31日[1] 現役[3]
P3713 オウハ[1]
Ouha
1997年5月29日[1] 1998年7月31日[1]
P3715 ファイラカ[1]
Failaka
1997年8月29日[1] 1998年12月19日[1]
P3717 マスカン[1]
Maskan
1998年1月6日[1] 1998年12月19日[1]
P3719 アル・アーマディ[1]
Al-Ahmadi
1998年4月2日[1] 1999年7月1日[1]
P3721 アルファハヒール[1]
Alfahaheel
1998年6月16日[1] 1999年7月1日[1]
P3723 アル・ヤルモウク[1]
Al-Yarmouk
1999年3月3日[1] 2000年6月7日[1]
P3725 ガロオ[1]
Garoh
1999年6月[1] 2000年6月7日[1]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au av aw ax ay az ba bb bc bd be bf bg bh 『最新海洋兵器図鑑』学習研究社、2002年12月1日。 
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q Um Al Maradim Class (Combattante I)”. naval-technology.com. 2024年11月16日閲覧。
  3. ^ a b The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 337. ISBN 978-1-032-50895-5 
  4. ^ a b c d Weyers Flotten Taschenbuch 2008/2010. Mönch Verlagsgesellschaft mbH. (2011-03-01). pp. 194,195. ISBN 3763745181