ウム・アルマラディム級ミサイル艇
ウム・アルマラディム級ミサイル艇 | |
---|---|
P3721 アルファハヒール | |
基本情報 | |
艦種 | ミサイル艇 |
建造所 | ノルマンディ機械製作所(CMN)[1] |
運用者 | クウェート海軍[1] |
就役期間 | 1998年 - 就役中[1] |
建造数 | 8隻[1] |
要目 | |
満載排水量 | 245t[1] |
全長 | 42m[1] |
最大幅 | 8.2m[1] |
吃水 | 1.9m[1] |
主機 | MTUディーゼルエンジン ×2基[1] |
推進器 | カメワ製ウォータージェット×2基[1] |
出力 | 2.95MW[1] |
最大速力 | 30ノット[1] |
航続距離 | 1,350海里[1] |
乗員 | 29名[1] |
兵装 |
OTOブレダ 40mm機関砲×1基[1] GIAT M621 20mm機関砲×1基[2] 12.7mm機関銃×2基[1] シースクア SSM連装発射筒×2基[1] ミストラル艦対空ミサイル用シンバッド連装発射機×1基[1] |
C4ISTAR | タレス TAVITAC[1] |
レーダー |
BAE シースプレイ 射撃指揮レーダー[1] タレス MRR E/Fバンド3次元レーダー[2] Racal Iバンド航海レーダー[2] |
光学機器 | SAGEM Najir Mark 2[2] |
電子戦・ 対抗手段 |
タレス DR-300S1 レーダー警報受信機[2] タレス・オプトロシス サラマンドルB1 レーダー妨害装置[2] SAGEM Dagaie チャフ/IRデコイ発射機[2] |
ウム・アルマラディム級ミサイル艇(英語: Um-Almaradim Class Missile Boat)は、クウェート海軍のミサイル艇の艦級[1]。フランスのノルマンディ機械製造所(CMN)によって8隻が建造された[1]。
概要
[編集]本級は、湾岸戦争により壊滅したクウェート海軍の再建のために発注され、1998年から2000年にかけて就役した[1]。
CMN社のコンバタントI型と呼ばれる設計で、上部構造物はステルス性を重視しており、複雑な形状のマストを特徴としている[1][3]。艦体は鋼製で、全長42m、最大幅8.2m、喫水1.9m、航続距離は1,350海里(14ノット時)である[1][2][4]。その他の諸元は資料ごとに微妙に異なっており、満載排水量は245t[1][2]または250t[4]、最大速力は30ノット[1][2]または32ノット[4]、乗員数は24名[2]または29名[1][4]となっている。
主兵装にはMBDA製の「シースクア」艦対艦ミサイルの連装発射機2基を搭載しており、これは射程15km、飛翔速度マッハ0.9、セミアクティブレーダー誘導方式の小型ミサイルである[1][2]。主砲はオートブレダ製の40mm機関砲塔を艦首に搭載し、他にGIAT製の「M621」20mm機関砲1基(艦尾)と12.7mm重機関銃2基がある[1][2]。また、対空用として「ミストラル」艦対空ミサイル用のシンバッド連装発射機を1基搭載している[1]。ただし、これらの兵装は艇の規模と比較して射程や威力がやや貧弱であり、以下のような高度なC4Iシステムやセンサー類を活かせていないと評されている[1]。
C4Iシステムには、タレス製の「TAVITAC」を搭載している[1]。これは建造当時では最新の戦闘情報システムで、搭載するセンサーや「リンクY」戦術データ・リンクから得た様々な情報を分析し、脅威度判定や目標指示、兵装選択を自動的に行うことができる[1][2]。レーダーには、BAE製の「シースプレイ」射撃指揮レーダーをメインマスト上部に搭載するほか、対空/対水上捜索用のタレス製「MRR」E/Fバンド3次元レーダーと、Racal製のIバンド航海用レーダーを搭載している[1][2]。また、光学式射撃指揮装置としてSAGEM製の「Najir Mark 2」を搭載している[2]。
このほか、電子戦・対抗手段として、タレス製の「DR-300S1」レーダー警報受信機、タレス・オプトロシス製の「サラマンドルB1」レーダー妨害装置、SAGEM製の「Dagaie」チャフ/IRデコイ発射機を搭載している[2]。
同型艦
[編集]番号 | 艦名 | 建造所 | 進水 | 就役 | 状況 |
---|---|---|---|---|---|
P3711 | ウム・アルマラディム[1] Um-Almaradim |
ノルマンディ機械製作所(CMN)[1] | 1997年2月27日[1] | 1998年7月31日[1] | 現役[3] |
P3713 | オウハ[1] Ouha |
1997年5月29日[1] | 1998年7月31日[1] | ||
P3715 | ファイラカ[1] Failaka |
1997年8月29日[1] | 1998年12月19日[1] | ||
P3717 | マスカン[1] Maskan |
1998年1月6日[1] | 1998年12月19日[1] | ||
P3719 | アル・アーマディ[1] Al-Ahmadi |
1998年4月2日[1] | 1999年7月1日[1] | ||
P3721 | アルファハヒール[1] Alfahaheel |
1998年6月16日[1] | 1999年7月1日[1] | ||
P3723 | アル・ヤルモウク[1] Al-Yarmouk |
1999年3月3日[1] | 2000年6月7日[1] | ||
P3725 | ガロオ[1] Garoh |
1999年6月[1] | 2000年6月7日[1] |
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au av aw ax ay az ba bb bc bd be bf bg bh 『最新海洋兵器図鑑』学習研究社、2002年12月1日。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q “Um Al Maradim Class (Combattante I)”. naval-technology.com. 2024年11月16日閲覧。
- ^ a b The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 337. ISBN 978-1-032-50895-5
- ^ a b c d Weyers Flotten Taschenbuch 2008/2010. Mönch Verlagsgesellschaft mbH. (2011-03-01). pp. 194,195. ISBN 3763745181