ウェルニッケ・コルサコフ症候群
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ウェルニッケ・コルサコフ症候群 | |
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別称 | コルサコフ精神病、アルコール性脳症[1]、浮腫脳[2] |
チアミン | |
概要 | |
種類 | ウェルニッケ脳症、コルサコフ症候群[3] |
診療科 | 精神科、脳神経内科 |
症状 | 意識障害、視覚異常、低体温症、低血圧、記憶喪失、失調[3] |
原因 | チアミン(ビタミンB1)の欠乏[3] |
危険因子 | アルコール使用障害, 摂食障害、栄養失調、長期にわたる嘔吐、化学療法 (悪性腫瘍)[3] |
診断法 | 症状に基づき鑑別診断を行う[4] |
鑑別 | アルツハイマー病、単純ヘルペス脳炎、一過性全健忘、脳震盪[5] |
治療 | チアミンサプリメント、食事の改善、禁酒[3] |
頻度 | 1-2% (USA)[5] |
分類および外部参照情報 | |
Patient UK | ウェルニッケ・コルサコフ症候群 |
ウェルニッケ・コルサコフ症候群(ウェルニッケ・コルサコフしょうこうぐん、英: Wernicke–Korsakoff syndrome、WKS)は、ウェルニッケ脳症(WE)とコルサコフ症候群を含む疾患である[3]。ウェルニッケ脳症の症状は、急性の混乱、視覚異常、低体温症、低血圧、失調などである[3]。コルサコフ症候群の症状は、記憶喪失、 振戦、長期にわたる視覚異常である[3]。コルサコフ症候群を治療しなかった場合、ほとんどの人がウェルニッケ脳症を発症する[4]。
原因は、チアミン(ビタミンB1)欠乏である[3]。最も一般的な起因はアルコール使用障害であるが、摂食障害、栄養失調、長期にわたる嘔吐、化学療法(悪性腫瘍)などによる場合もある[3]。この障害は脳への障害を伴う。診断は、考えられる他の原因を排除した後の症状に基づいておこなわれる[4]。
治療には、チアミンのサプリメントが含まれ、その後に食事の改善が含まれる[3]。飲酒はやめるべきである[3]。症状の多くは改善する可能性があるが、記憶機能の回復は遅く、多くの場合は不完全である[3]。 治療しなかった場合、20%は死亡し、75%は永久的な障害を患う[6]。コルサコフ症候群の罹患者の約25%は長期の施設入所が必要となる[6]。米国では、約1%から2%の人が罹患している[5]。
出典
[編集]- ^ MedlinePlus Encyclopedia Wernicke-Korsakoff syndrome
- ^ Wet Brain from Alcohol: Signs, Symptoms, and Recovery Archived 2021-07-01 at the Wayback Machine. November 25, 2020
- ^ a b c d e f g h i j k l m “Wernicke-Korsakoff Syndrome Information Page | National Institute of Neurological Disorders and Stroke”. www.ninds.nih.gov. 14 January 2022時点のオリジナルよりアーカイブ。18 February 2022閲覧。
- ^ a b c “Wernicke-Korsakoff Syndrome - Brain, Spinal Cord, and Nerve Disorders” (英語). Merck Manuals Consumer Version. 8 November 2021時点のオリジナルよりアーカイブ。18 February 2022閲覧。
- ^ a b c “Wernicke-Korsakoff Syndrome”. NORD (National Organization for Rare Disorders). 25 January 2022時点のオリジナルよりアーカイブ。18 February 2022閲覧。
- ^ a b Thomson, Allan D.; Marshall, E. Jane (2006). “The natural history and pathophysiology of Wernicke's Encephalopathy and Korsakoff's Psychosis”. Alcohol and Alcoholism 41 (2): 151–8. doi:10.1093/alcalc/agh249. PMID 16384871.