ウィンガー (バンド)
ウィンガー Winger | |
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フィンランド・ヘルシンキ公演 (2006年10月) | |
基本情報 | |
出身地 |
アメリカ合衆国 ニューヨーク州ニューヨーク |
ジャンル |
ハードロック ヘヴィメタル グラムメタル |
活動期間 |
1987年 - 1994年 2001年 - 現在 |
レーベル |
アトランティック・レコード フロンティアーズ・レコード |
公式サイト |
wingertheband |
メンバー |
キップ・ウィンガー (Vo/B) レブ・ビーチ (G) ジョン・ロス (G) ロッド・モーゲンスタイン (Ds) ポール・テイラー (G/Key) |
旧メンバー | センク・エログル (G/Key) |
ウィンガー(Winger)は、アメリカ合衆国のロックバンド。
アメリカ出身のロック・ミュージシャン、キップ・ウィンガーが主宰するグループとして知られる。デビュー当初からアルバムが百万枚以上のセールスを記録するなど、1980年代末に隆盛を極めた。実働7年余りで解散したが2000年代に復活し、以降断続的に活動を続けている。
概要・略歴
[編集]隆盛から解散まで (1987年 - 1994年)
[編集]1987年、元「アリス・クーパー・バンド」のキップ・ウィンガー(ボーカル、ベース)とポール・テイラー(キーボード)によって結成され、さらにレブ・ビーチ(ギター)と、「ディキシー・ドレッグス」の活動で知られるベテラン、ロッド・モーゲンスタイン(ドラム)が加入してオリジナルのラインナップが固まった。当初のバンド名は「Sahara」が候補に挙がっていたが、すでに他のバンドに使用されていたため、キップ・ウィンガーの姓である「Winger」を採用した。なお「Sahara」の文字は、デビュー・アルバムのジャケット右下に見ることができる。
セルフタイトルのファースト・アルバム『ウィンガー』は、1988年8月にメジャー・レーベル「アトランティック・レコード」からリリースされた。作品は米国でプラチナ・ディスクを、日本とカナダでゴールド・ディスクを獲得し、デビュー早々に大きな成功を掴んだ。その後もバンドは「アメリカン・ミュージック・アワード」の「Best New Heavy Metal Band」にノミネートされるなど、評価を上げていく。
1990年、セカンド・アルバム『イン・ザ・ハート・オブ・ザ・ヤング』をリリース。2作連続して米国でプラチナ・ディスク、日本でゴールド・ディスクを獲得。全米アルバムチャートも15位にランクインした。
バンドはこのアルバムを引っさげて「スコーピオンズ」「キッス」「エクストリーム」「ZZトップ」「スローター」らとともに13ヶ月に及ぶ長期ツアーを敢行。しかしこれでポール・テイラーは疲弊し、バンドを離れる事になった。この時期にアメリカのヘヴィメタル・ハードロックシーンは急激に斜陽化を迎え、ウィンガーの音楽性は陳腐化され、嘲笑の対象にすらなってしまう。1992年に公開されたメタリカのドキュメンタリービデオの中で、ラーズ・ウルリッヒらがウィンガーをこき下ろす言動をし、さらにはキップのポスターを的にして「Kip Die!!」などとラーズらが叫びながらダーツをしているシーンなどが公開され、メタリカのファンから格好のバッシング、嫌がらせなどの標的にされてしまう。キップ自身やレブも、このメタリカからの揶揄、バッシングでモチベーションを大きく削がれ、解散の一因になったことを公言している。当時のスラッシュメタル、グルーヴメタル等を賛美していたMTVのアニメ作品、「ビーバス・アンド・バットヘッド」の劇中でも、「北米で一番SUCKS(ダサい)なバンド」と扱われ、主人公達がウィンガーのTシャツを着ている子供を虐めても、何の咎めも受けず正当化されるシーンなどが描写されるなど、バンドのマイナスイメージが独り歩きすることとなった。
次作のサード・アルバム『プル』は1992年から1993年にかけ、残る3人で録音が行われた。タイトルは当初、アルバムの1曲目である「Blind Revolution Mad」が使用される予定だったが、諸事情から「Pull」に変更された。このアルバムはマイク・シプリーのプロデュースの元で制作され、当時流行していたグルーヴ・メタルなどの要素も取り入れた。しかし結果は芳しくなく、成功には至らなかった。『プル』ツアーの後にバンドは解散。キップ・ウィンガーはソロ活動に専念し、他のメンバーもそれぞれのプロジェクトに移った。
再結成以降 (2001年 - 現在)
[編集]2001年、バンド再評価の機運に応え、オリジナル・ラインナップで再結成を果たす。前活動末期にライブをサポートしたジョン・ロスも正規に加入し、新たに5人編成を組んだ。同年、新曲「On the Inside」収録のコンピレーション『ヴェリー・ベスト・オブ・ウィンガー』をリリース。翌年には北米ツアーを行い、2003年までの短期の間だけ活動した。
2006年5月に再び始動し、ニュー・アルバムのレコーディングに入る。しかしポール・テイラーは参加せず、代わりにセンク・エログル(ギター、キーボード)を加えた編成で活動。約13年ぶりの4thアルバム『IV』をリリースする。
2007年、バンド発足からのデモ・テイクを、1年以上の歳月をかけてリミックスした2枚組コンピレーション・アルバム『デモ・アンソロジー』を発表。同年、来日公演を開催する。2007年度ライブツアーの模様は、ライブ作品『ライヴ』としてリリースした。
2009年、センク・エログルが脱退。残る4人編成で5thアルバム『カーマ』を制作し10月にリリース。その後メンバー各々は掛け持ちの仕事で多忙になり、活動休止を余儀なくされる。
2013年、ポール・テイラーが復帰して、10年ぶりにオリジナル・ラインナップが出揃い活動を再開。同年8月、ファースト・アルバム『ウィンガー』の発売25周年を記念し、同アルバムの完全再現ライブを実施した[1]。
2014年初頭、ロックバンド「Y&T」のデビュー40周年記念も兼ねた、日本のロック・イベントで来日公演[2]。春には、センク・エログルも制作に協力した6thアルバム『ベター・デイズ・カミン』を発表する[3]。秋も日本のロックイベントに招聘され、年内2度目の来日公演を開催[4]。セカンド・アルバム『イン・ザ・ハート・オブ・ザ・ヤング』の発売25周年を記念し、全曲再現ライブを披露した[5]。
2017年に結成30周年を迎え、秋にHR/HMフェス『LOUD PARK 17』参加のため来日する[6]。
2023年5月5日、9年ぶりとなるアルバム『セヴン (Seven)』を発表。アルバムのプロデュースはキップ・ウィンガーが務めており、アメリカのナッシュビルでレコーディングされた[7]。
メンバー
[編集]※2019年9月時点
現ラインナップ
[編集]- キップ・ウィンガー (Kip Winger) - ボーカル、ベース (1987年- )
- レブ・ビーチ (Reb Beach) - ギター (1987年- )
- ジョン・ロス (John Roth) - ギター (サポート1993年-1994年、正規2001年- )
- ロッド・モーゲンスタイン (Rod Morgenstein) - ドラムス (1987年- )
- ポール・テイラー (Paul Taylor) - キーボード、ギター (1987年-1992年、2001年-2003年、2013年-2017年、2018年- )
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キップ・ウィンガー(Vo/B) 2006年
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レブ・ビーチ(G) 2015年
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ジョン・ロス(G) 2018年
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ロッド・モーゲンスタイン(Ds) 2008年
旧メンバー
[編集]- センク・エログル (Cenk Eroglu) - リズムギター、キーボード (2006年-2009年 セッション ; 2014年、2023年)
ディスコグラフィ
[編集]スタジオ・アルバム
[編集]- 『ウィンガー』 - Winger (1988年) ※全米21位
- 『イン・ザ・ハート・オブ・ザ・ヤング』 - In the Heart of the Young (1990年) ※全米15位
- 『プル』 - Pull (1993年) ※全米83位
- 『IV』 - IV (2006年)
- 『カーマ』 - Karma (2009年)
- 『ベター・デイズ・カミン』 - Better Days Comin' (2014年) ※全米85位
- 『セヴン』 - Seven (2023年)
ライブ・アルバム
[編集]- 『ライヴ』 - Winger Live (2007年)
コンピレーション・アルバム
[編集]- 『ヴェリー・ベスト・オブ・ウィンガー』 - The Very Best of Winger (2001年)
- 『デモ・アンソロジー』 - Demo Anthology (2007年)
シングル
[編集]- "Madalaine" (1988年)
- "Seventeen" (1989年) ※全米26位
- "Headed for a Heartbreak" (1989年) ※全米19位
- "Hungry" (1989年) ※全米85位
- 「キャント・ゲット・イナフ」- "Can't Get Enuff" (1990年) ※全米42位
- 「マイルズ・アウェイ」- "Miles Away" (1990年) ※全米12位
- "Easy Come Easy Go" (1991年) ※全米41位
- 「ブラインド・レヴォリューション・マッド」- "Blind Revolution Mad" (1993年)
- "Down Incognito" (1993年)
その他
[編集]- サウンドトラック: 『ベスト・キッド3 最後の挑戦』 - The Karate Kid, Part III (1989年) ※「Out For The Count」収録
- サウンドトラック: 『ビルとテッドの地獄旅行』 - Bill & Ted's Bogus Journey (1991年) ※「Battle Stations」収録
映像作品
[編集]- 『ウィンガー』 - The Videos Vol. 1 (1989年)
- 『イン・ザ・ハート・オブ・ザ・ヤング』 - In the Heart of the Young, Vol. 1 (1990年)
- 『イン・ザ・ハート・オブ・ザ・ヤング PART II』 - In the Heart of the Young, Vol. 2 (1991年)
- 『ライヴ・イン・トーキョー』 - Live in Tokyo (1991年)
- The Making of Pull (1993年)
- The Making of Winger IV (2007年)
- Winger Live (2007年)
脚注
[編集]- ^ ウィンガーが88年1stアルバム『Winger』の全曲再現ライヴを8月に開催 - amass
- ^ ウィンガー、Y&T、ファイアーハウスが2014年1月に来日公演を開催 - amass
- ^ ウィンガー 5年ぶりの新作『Better Day’s Comin'』、日本発売決定 - amass
- ^ ウィンガーとスローターが出演 <KAWASAKI ROCK CITY VOL.2 2014><NAMBA ROCK CITY VOL.2 2014>が11月に開催 - amass
- ^ ウィンガーが2014年11月に来日。『イン・ザ・ハート・オブ・ザ・ヤング』25周年ライヴが実現 - YAMAHA
- ^ LOUD PARK 17、第1弾ラインナップが発表に - NME JAPAN
- ^ “ウィンガー 9年ぶりの新アルバム『Seven』全曲公開”. amass.jp. 2023年5月5日閲覧。