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ウィルソンテソーロ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウィルソンテソーロ
2023年白山大賞典
欧字表記 Wilson Tesoro[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2019年2月25日(5歳)[1]
キタサンブラック[1]
チェストケローズ[1]
母の父 Uncle Mo[1]
生国 日本の旗 日本北海道日高町[2]
生産者 リョーケンファーム株式会社[1]
馬主 了徳寺健二ホールディングス(株)[1]
調教師 高木登美浦[3]
田中博康美浦[4]
小手川準美浦
→高木登(美浦)[1]
競走成績
生涯成績 20戦8勝[1]
中央:10戦4勝
地方:7戦4勝
海外:2戦0勝
獲得賞金 5億1365万3800円[5]
日本:3億9381万2000円[1]
(中央)1億4281万2000円
(地方)2億5100万円
海外:1億1984万1800円
UAE)60万米ドル[6]
韓国)3億2000万ウォン[7]
(2024年12月1日現在)
WBRR M115 - I115 / 2023年[8]
勝ち鞍
JpnI JBCクラシック 2024年
JpnIII かきつばた記念 2023年
JpnIII マーキュリーC 2023年
JpnIII 白山大賞典 2023年
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ウィルソンテソーロ(欧字名:Wilson Tesoro2019年2月25日 - )は、日本競走馬[1]。主な勝ち鞍は2024年JBCクラシック2023年かきつばた記念マーキュリーカップ白山大賞典

馬名の意味は、人名より+冠名[5]

戦績

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デビュー前 - 3歳( - 2022年)

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了徳寺健二が私財を投じて2018年に設立したリョーケンファームの1期生で、2019年に生まれた仔馬はウィルソンテソーロも含め9頭だった[9]。母のチェストケローズは了徳寺がアメリカのセリで購入し、産駒デビュー前のキタサンブラックがつけられた[9]。なお、チェストケローズは初子のウィルソンテソーロ出産後、蹄葉炎で死亡したため、ウィルソンテソーロが唯一の産駒となった[9]

2021年8月28日、新潟競馬場第5レースの2歳新馬戦(芝1800m)で、鞍上三浦皇成にてデビューし、イクイノックスの6着[10]。レース後、左前脚の骨折が判明し、長期休養に入った[9]。なお、この休養中に高木登厩舎から田中博康厩舎に転厩している。3歳6月から復帰するも、2戦連続で着外に終わる。8月からダートに路線を変更すると、この判断が功を奏して初勝利を収めた。続く1勝クラスと2勝クラスも連勝し、3歳シーズンを終えた。

4歳(2023年)

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4歳となった2023年、年明け初戦の3勝クラス・招福ステークスを勝利[11]、未勝利戦から4連勝でオープンクラスに昇格した。3月19日の名古屋城ステークスは1番人気に支持されたが、直線で伸びきれず5着に敗れた[12]。レース後、小手川準厩舎に再転厩した。

5月2日、初の重賞挑戦としてかきつばた記念に鞍上川田将雅にて出走。中団から3コーナーを回って好位に取り付き、直線でドライスタウトとの激しい追い比べをハナ差で制し、1分31秒1のレコードタイムで重賞初制覇を果たした[13][14]。次走は7月17日のマーキュリーカップに出走。鞍上は再び川田が務めた。道中は好位でレースを進め、勝負所で一気に加速。逃げたテリオスベルをあっさり交わすと、最後はこれに4馬身差をつける完勝で重賞2連勝を飾った[15][16]。続く9月26日の白山大賞典も川田が騎乗。道中は5番手を追走し、2週目3コーナー付近で外から一気に上昇。逃げ粘るメイショウフンジンを直線半ばでかわして、単勝1.2倍の圧倒的1番人気にこたえる重賞3連勝を飾った[17][18]

11月3日、初のJpnI挑戦としてJBCクラシックに出走。これまで主戦を務めていた川田は海外遠征で騎乗できず、新たに菅原明良とコンビを組んだ。レースでは先行集団の後ろを追走するも、深い馬場が合わず5着に敗北[19][20]。巻き返しを図った12月3日のチャンピオンズカップ原優介とコンビを結成し、後方2・3番手を追走。直線では逃げるレモンポップを上がり最速の末脚で猛追し、12番人気の低評価を覆す2着に力走[21]。3着に入った9番人気ドゥラエレーデとともに3連単190万2720円の大波乱を演出した[22]。続く12月29日の東京大賞典も原とのコンビを継続。自身初となる逃げを打ち、ウシュバテソーロに差し切られるも2着に入った[23][24]

5歳(2024年)

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シーズン初戦として出走した2月18日のフェブラリーステークスは3番人気に支持されたが、ラスト1ハロンで余力を残せず、8着に沈む[25]。初の海外遠征となったドバイワールドカップは最後の直線で猛追を見せるも、4着に敗れた[26]

6月26日、帝王賞に出走。道中は4・5番手で折り合い良く脚をため、3コーナーから一気に仕掛けたが、先に動いていたキングズソードを捉えきれず、1馬身3/4差の2着に惜敗した[27]。2度目の海外遠征となった9月8日のコリアカップクラウンプライドの逃げ切りを許し、2戦連続の2着[28]

11月4日、前年に引き続きJBCクラシックに出走。6月の帝王賞から3戦連続で1番人気に支持された。まずまずのスタートから中団に付け、2周目の3コーナーで一気に先頭へ。そのまま直線で後続を突き放し、4馬身差の完勝で悲願のGI級競走初制覇を果たした[29]。また、この勝利が父キタサンブラックにとって初のダートGI級競走制覇となった。

12月1日のチャンピオンズカップでは前年同様、レモンポップの2着となる。その後、次走は東京大賞典へ出走することとなったが、同月12日付で小手川厩舎から再びデビュー当時に在籍した高木登厩舎に転厩した[30]


競走成績

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以下の内容は、JBISサーチ[31]およびnetkeiba.com[32]の情報に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2021.08.28 新潟 2歳新馬 芝1800m(良) 15 2 3 027.00(6人) 06着 R1:49.3(36.2) -1.9 三浦皇成 54 イクイノックス 460
2022.06.26 東京 3歳未勝利 芝2400m(良) 12 7 10 004.20(3人) 07着 R2:27.9(36.2) -0.5 戸崎圭太 56 オーションズヨリ 482
0000.07.17 福島 3歳未勝利 芝1800m(良) 15 7 14 004.50(2人) 13着 R1:51.3(37.4) -1.4 戸崎圭太 56 コスモエクスプレス 476
0000.08.28 新潟 3歳未勝利 ダ1800m(稍) 14 6 10 005.30(4人) 01着 R1:51.8(37.0) -1.8 戸崎圭太 56 (サトノギベオン) 478
0000.10.15 東京 3歳上1勝クラス ダ1600m(稍) 12 6 7 001.30(1人) 01着 R1:36.5(35.5) -0.8 戸崎圭太 55 (グリュースゴット) 480
0000.11.12 東京 3歳上2勝クラス ダ1600m(良) 16 3 6 001.40(1人) 01着 R1:36.6(36.1) -0.2 戸崎圭太 56 (ダイシンピスケス) 486
2023.01.05 中山 招福S 3勝 ダ1800m(良) 12 7 9 001.50(1人) 01着 R1:52.3(37.4) -0.3 戸崎圭太 57 (ベストリーガート) 494
0000.03.19 中京 名古屋城S OP ダ1800m(稍) 16 4 8 002.00(1人) 05着 R1:51.1(37.1) -0.9 鮫島克駿 58 ルコルセール 484
0000.05.02 名古屋 かきつばた記念 JpnIII ダ1500m(良) 12 6 8 003.00(2人) 01着 R1:31.1(36.2) -0.0 川田将雅 56 ドライスタウト 486
0000.07.17 盛岡 マーキュリーC JpnIII ダ2000m(重) 13 6 9 002.20(1人) 01着 R2:01.8(36.6) -0.6 川田将雅 55 テリオスベル 485
0000.09.26 金沢 白山大賞典 JpnIII ダ2100m(良) 12 3 3 001.20(1人) 01着 R2:11.0(35.9) -0.1 川田将雅 55 (メイショウフンジン) 488
0000.11.03 大井 JBCクラシック JpnI ダ2000m(良) 10 5 5 004.70(3人) 05着 R2:06.9(39.4) -1.8 菅原明良 57 キングズソード 486
0000.12.03 中京 チャンピオンズC GI ダ1800m(良) 15 4 7 092.0(12人) 02着 R1:50.8(36.6) -0.2 原優介 58 レモンポップ 482
0000.12.29 大井 東京大賞典 GI ダ2000m(良) 9 8 9 014.20(6人) 02着 R2:07.4(37.9) -0.1 原優介 57 ウシュバテソーロ 487
2024. 2.18 東京 フェブラリーS GI ダ1600m(良) 16 7 14 003.90(2人) 08着 R1:36.6(38.5) -0.9 松山弘平 58 ペプチドナイル 484
0000.03.30 メイダン ドバイワールドC GI ダ2000m 12 11 12 000 04着 R2:04.7 - 原優介 57 Laurel River 計不
0000.06.26 大井 帝王賞 JpnI ダ2000m(稍) 13 6 8 003.20(1人) 02着 R2:07.2(38.0) -0.3 川田将雅 57 キングズソード 486
0000.09.08 ソウル コリアC G3 ダ1800m(稍) 11 8 001.50(1人) 02着 R1:52.7(37.4) -0.9 川田将雅 57 Crown Pride 480
0000.11.04 佐賀 JBCクラシック JpnI ダ2000m(良) 11 8 10 002.10(1人) 01着 R2:08.0(37.1) -0.8 川田将雅 57 メイショウハリオ 486
0000.12.01 中京 チャンピオンズC GI ダ1800m(良) 16 4 8 005.50(2人) 02着 R1:50.1(36.2) -0.0 川田将雅 58 レモンポップ 482
  • タイム欄のRはレコード勝ちを示す
  • 競走成績は2024年12月1日現在

血統表

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ウィルソンテソーロ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系
[§ 2]

キタサンブラック
2012 鹿毛
北海道日高町
父の父
ブラックタイド
2001 黒鹿毛
北海道早来町
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
*ウインドインハーヘア Alzao
Burghclere
父の母
シュガーハート
2005 鹿毛
北海道門別町
サクラバクシンオー サクラユタカオー
サクラハゴロモ
オトメゴコロ *ジャッジアンジェルーチ
*テイズリー

*チェストケローズ
2013 鹿毛
アメリカ
Uncle Mo
2008 鹿毛
アメリカ
Indian Charlie In Excess
Soviet Sojourn
Playa Maya Arch
Dixie Slippers
母の母
Deputy's Delight
1997 芦毛
アメリカ
*フレンチデピュティ Deputy Minister
Mitterand
Bishop's Delight Sawbones
Med Coed
母系(F-No.) (FN:4-n)
5代内の近親交配 Lyphard:5×5(父内)
出典
  1. ^ ウィルソンテソーロ 5代血統表
  2. ^ [33]


脚注

[編集]

注釈

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出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n ウィルソンテソーロ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2024年9月9日閲覧。
  2. ^ ウィルソンテソーロ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2024年3月31日閲覧。
  3. ^ 2歳新馬(netkeiba)
  4. ^ 3歳未勝利(netkeiba)
  5. ^ a b 競走馬情報 - ウィルソンテソーロ”. 日本中央競馬会. 2024年9月9日閲覧。
  6. ^ 2024ドバイ・ワールドカップ・デイ施行競走 登録要綱(簡易版)”. 2024年3月30日閲覧。
  7. ^ 2024 韓国国際競走: コリアカップ、コリアスプリントの要綱 (詳細版)”. 2024年9月9日閲覧。
  8. ^ The LONGINES World's Best Racehorse Rankings For 3yos and upwards which raced in 2023”. 国際競馬統括機関連盟. 2024年1月29日閲覧。
  9. ^ a b c d 【とっておきメモ】たった9頭から…ウィルソンテソーロが勝ち取った格別1勝/JBCクラシック”. 日刊スポーツ (2024年11月4日). 2024年11月5日閲覧。
  10. ^ 5R サラ系2歳 新馬|2021年8月28日(土) 4回 新潟 5日”. JBISサーチ. 2024年2月25日閲覧。
  11. ^ 9R 招福S 3勝クラス|2023年1月5日(木) 1回 中山 1日”. JBISサーチ. 2024年2月25日閲覧。
  12. ^ 11R 名古屋城S オープン|2023年3月19日(日) 2回 中京 4日”. JBISサーチ. 2024年2月25日閲覧。
  13. ^ 2番人気ウィルソンテソーロ、接戦制して重賞初制覇/かきつばた記念」『極ウマ』日刊スポーツ新聞社、2023年5月2日。2023年5月7日閲覧。
  14. ^ 11R かきつばた記念(中央交流)|2023年5月2日(火) 3回 名古屋 1日(JBIS-Search)”. JBISサーチ. 2024年2月25日閲覧。
  15. ^ 【マーキュリーC】ウィルソンテソーロが力強く4馬身差で圧勝!初の二千を克服し重賞連勝」『サンスポZBAT!』産業経済新聞社、2023年7月17日。2023年7月17日閲覧。
  16. ^ 12R マーキュリーC(中央交流)|2023年7月17日(月) 4回 盛岡 5日”. JBISサーチ. 2024年2月25日閲覧。
  17. ^ 【白山大賞典】圧倒的1番人気ウィルソンテソーロ優勝、交流重賞3連勝 強い勝ちっぷりに小手川師「馬体の完成度まだまだ」」『中日スポーツ』中日新聞社、2023年9月26日。2023年10月15日閲覧。
  18. ^ 10R 白山大賞典(中央交流)|2023年9月26日(火) 13回 金沢 4日”. JBISサーチ. 2024年2月25日閲覧。
  19. ^ 11R JBCクラシック(中央交流)|2023年11月3日(金) 12回 大井 6日”. JBISサーチ. 2024年2月25日閲覧。
  20. ^ 【チャンピオンズカップ・耳より】ウィルソンテソーロ前走の敗因明確「脚抜きいい中京のほうが合う」」『東スポ競馬』東京スポーツ新聞社、2023年11月28日。2023年12月10日閲覧。
  21. ^ 11R チャンピオンズC|2023年12月3日(日) 4回 中京 2日”. JBISサーチ. 2024年2月25日閲覧。
  22. ^ 【チャンピオンズC】12番人気ウィルソンテソーロが猛追2着 3連単190万オーバーの波乱演出も原は悔しさあらわ」『東スポ競馬』東京スポーツ新聞社、2023年12月3日。2023年12月10日閲覧。
  23. ^ 【東京大賞典】GI連続2着のウィルソンテソーロ 〝まさかの逃げ〟に出た理由」『東スポ競馬』東京スポーツ新聞社、2023年12月29日。2023年12月30日閲覧。
  24. ^ 9R 東京大賞典(中央交流)|2023年12月29日(金) 15回 大井 4日”. JBISサーチ. 2024年2月25日閲覧。
  25. ^ 【フェブラリーS】2番人気ウィルソンテソーロは8着に沈む 松山「結果を出せず申し訳ないです」」『東スポ競馬』東京スポーツ新聞社、2024年2月18日。2024年11月4日閲覧。
  26. ^ 【ドバイ・ワールドC】ウィルソンテソーロ猛追4着も悔やむ原優介騎手「もう一列前に行けていたら」」『』2024年3月31日。2024年11月4日閲覧。
  27. ^ 【帝王賞】1番人気ウィルソンテソーロ2着 川田「具合は良かったが勝った馬が強かった」」『』2024年6月27日。2024年11月4日閲覧。
  28. ^ 【コリアC】逃げ切りでライバル圧倒!クラウンプライドが日本馬5勝目&レース史上2度目の連覇 横山武史騎手「いい一日でした」」『』2024年9月8日。2024年11月4日閲覧。
  29. ^ 【JBCクラシック】川田将雅が地元・佐賀で涙の凱旋V ウィルソンテソーロ戴冠「本当に騎手冥利に尽きるなと」」『』2024年11月4日。2024年11月4日閲覧。
  30. ^ チャンピオンズC2着ウィルソンテソーロが小手川準厩舎から高木登厩舎に転厩 - サンスポZBAT! 2024年12月12日
  31. ^ ウィルソンテソーロ 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年9月26日閲覧。
  32. ^ ウィルソンテソーロの競走成績”. netkeiba.com. Net Dreamers Co., Ltd.. 2024年11月30日閲覧。
  33. ^ ウィルソンテソーロ - Wilson Tesoro - 競走馬データベース”. 競馬ラボ. 2024年11月30日閲覧。

外部リンク

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