イマージュ (小説)
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『イマージュ』(仏: L'Image)は、カトリーヌ・ロブ=グリエがジャン・ド・ベールの筆名で1956年に発表した小説。
概要
[編集]パリを舞台に、主人公ジャンと、写真家クレール、その「モデル」アンヌの3人によって展開される、倒錯と女性の性を描いた性愛文学。
下記の10章から構成されている。また、冒頭にはポーリーヌ・レアージュが序文を寄せている。
- X…家の夜のパーティ
- バガテル庭園の薔薇
- お茶と、その結果
- 偽りの行動
- 写真
- 贖罪の供物
- 試着
- 浴室にて
- ゴチック様式の部屋
- すべてがもとどおりになる
(章題は榊原訳による)
作者「ジャン・ド・ベール」
[編集]この作品は、主人公の名前でもあるジャン・ド・ベール (Jean de Berg) という筆名で発表された。『O嬢の物語』の発表から間もなかったため、正体が誰であるか議論を呼んだ。評論家ジャン・ポーラン、『O嬢の物語』の作者レアージュ、その他フランス文壇の大物の名前が挙げられた。後に、発表後に小説家アラン・ロブ=グリエと結婚した女優カトリーヌ・ロブ=グリエの作であることが明かされた。
映画
[編集]1975年に、『イメージ』 (The Image)の題で映画化された。89分、監督はラドリー・メツガー。原作に沿った10章から構成される。
日本語版
[編集]日本では、1967年に榊原晃三訳で、講談社より出版された。その後、行方未知、伊藤緋紗子の訳も出ている。また、1973年に牧神社出版から出た版は、訳者名が伏せられていた。
当初は『肉体の映像』の邦題であったが、以降の訳では原題通りの『イマージュ』、あるいは『イマージュ 甘美なる映像』となった。
1970年代までは、作者名の表記は「ジャン・ド・ベルグ」であった。