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イバラモエビ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イバラモエビ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
亜門 : 甲殻亜門 Crustacea
: 軟甲綱 Malacostraca
: 十脚目(エビ目) Decapoda
亜目 : 抱卵亜目(エビ亜目) Pleocyemata
下目 : コエビ下目 Caridea
上科 : テッポウエビ上科 Alpheoidea
: モエビ科 Hippolytidae
: イバラモエビ属 Lebbeus
White, 1847
: イバラモエビ L. groenlandicus
学名
Lebbeus groenlandicus
(Fabricius, 1775)
英名
Spiny lebbeid, Greenland lebbeid

イバラモエビ(茨藻海老)、学名 Lebbeus groenlandicus は、十脚目モエビ科に分類されるエビの一種。寒帯深海に分布する大型種で[1]、食用に漁獲される。方言呼称としてイバラエビ(茨海老)、オニエビ(鬼海老)[2]サツキエビ(五月海老)、ゴジラエビ(ゴジラ海老、北海道)などもある。

形態

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体長100mm以上に達し、モエビ科の中では大型種である。全身が橙色-ピンクの硬い甲に覆われる。額角は細く斜め上に突き出し、鋸歯が下側に3つ、上側に7つある。さらに上側の歯のうち後ろの4つは複眼より後ろの頭胸甲上にあって大きく発達し、モヒカン刈りのような形状となる。その他にも前面や腹節側板外縁等、体の各所に棘をもつ[1][2]。「」や「」に因む呼称はここに由来し、英名でも「棘だらけの」という意の形容詞"Spiny"が用いられる。

生態

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日本海オホーツク海ベーリング海を含む北太平洋北極海に広く分布する。学名の種名"groenlandicus"は「グリーンランドの」という意味で、本種の分布域内にあるグリーンランドを指す。日本では山陰沖から北海道にかけて見られる。水深180-300mほどの深海に生息する[1][2][3]

人との関係

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小型種の多いモエビ科にあって数少ない食用種で、分布域ではトヤマエビホッコクアカエビなどと同様に漁獲される。エビ対象の漁だけでなく、エッチュウバイ等を狙った籠漁でも混獲される。別名サツキエビはに多く漁獲されることに由来する。殻が硬く棘も多いが美味とされ、刺身塩焼きなどで食べられる。ホッコクアカエビ等に比べると漁獲量は少ないが、流通網も発達した21世紀初頭頃には食材として名も知られるようになった[2]

参考文献

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  1. ^ a b c 三宅貞祥『原色日本大型甲殻類図鑑 I』1982年 保育社 ISBN 4586300620
  2. ^ a b c d エビ(モロトゲアカエビ、イバラモエビ、クルマエビ) - 島根県水産課・島根県水産技術センター『島根の水産業(海)と魚』(解説:石田健次)
  3. ^ Chace Jr, Fenner Albert (1997). The caridean shrimps (Crustacea: Decapoda) of the albatross Philippine expedition, 1907-1910, part 7: families Atyidae, Eugonatonotidae, Rhynchocinetidae, Bathypalaemonidae, Processidae, and Hippolytidae. doi:10.5479/si.00810282.381.1. https://repository.si.edu/bitstream/handle/10088/5144/SCtZ-0587-Lo_res.pdf.