イノシン
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イノシン | |
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イノシン | |
別称 ヒポキサンチンリボシド | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 58-63-9 |
KEGG | C00294 |
特性 | |
化学式 | C10H12N4O5 |
モル質量 | 268.23 |
外観 | 無色固体(二水和物) |
融点 |
90 (二水和物) |
水への溶解度 | 1.6 g/100 mL (20 ℃) |
比旋光度 [α]D | −49.2 (18 ℃, c = 0.9, 水) |
出典 | |
Merck Index 14th ed., 4975. | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
イノシン (inosine) は、ヌクレオシド構造を持つ有機化合物の一種である。ヒポキサンチン(6-ヒドロキシプリン)とD-リボースからなるN-リボシドで、その構造は ヒポキサンチンリボシドとも表される。Ino、Iと略記される。肉類などの中に存在する天然化合物である。
天然における存在
[編集]イノシンは肉類に含まれる。また、RNA中にまれに存在する微量塩基の一種である。イノシンの構造は、しばしば tRNA (transfer-RNA) に含まれ、特にアンチコドン部位に存在する場合はmRNAに対してゆらぎ塩基としての作用が知られる。これは、イノシンが持つヒポキサンチン部位が、複数の種類の核酸塩基(シトシン、アデニン、ウラシル)と水素結合により会合して塩基対を形成できるためである。
リボース部位の5'位にリン酸が導入されたイノシン酸やそのナトリウム塩は、肉類に含まれるうま味成分として重要である。
合成と反応
[編集]合成
[編集]アデノシンに脱アミノ化酵素(アデノシンデアミナーゼ)を作用させる発酵法により、イノシンが得られる。
また、アデノシンに亜硝酸を作用させて6位のアミノ基をジアゾ化すると、その部位が酸素で置換されたイノシンが生成する。
反応
[編集]希硫酸中で加熱すると、加水分解を受けてヒポキサンチンとD-リボースに変わる。
利用
[編集]イノシンが細胞中に取り込まれるとATPサイクルを活発化させることから、臨床的根拠がないにもかかわらずスポーツ選手の持久力を高める効果が期待された。そのため、イノシンは健康食品(サプリメント)の成分として市場に流通している。