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イソプロピルアンチピリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イソプロピルアンチピリン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
Drugs.com 国別販売名(英語)
International Drug Names
データベースID
CAS番号
479-92-5 ×
ATCコード N02BB04 (WHO)
PubChem CID: 3778
ChemSpider 3646 チェック
UNII OED8FV75PY チェック
ChEBI CHEBI:135538 チェック
ChEMBL CHEMBL28318 チェック
化学的データ
化学式C14H18N2O
分子量230.306 g/mol
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イソプロピルアンチピリン(Isopropylantipyrine)、別名、プロピフェナゾン(Propyphenazone)は、アンチピリンの誘導体であり[1]、ピリン系に属する解熱鎮痛薬である。日本では配合用の原末が医療用に販売されているほか、第2類医薬品として市販の風邪薬に配合されている。重篤な副作用により、いくつかの国では製造販売が禁止されたが、日本やイタリア、ドイツ、スペイン、南米、インド、パキスタン、インドネシア等では使用されている[2]。OTCの「セデス・ハイ」の主成分である。

副作用

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医療用医薬品の添付文書に記載されている重大な副作用は、ショック皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、再生不良性貧血、無顆粒細胞症、黄疸(いずれも0.1%未満)である[3]

心房性の徐脈を伴う急性下壁心筋梗塞コーニス症候群)が報告されている[4]

イソプロピルアンチピリンが禁止されている国

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WHOのコメントから抜粋:

ピラゾロン系の解熱鎮痛消炎薬であるイソプロピルアンチピリンは1951年にリウマチ治療薬として発表された。構造的には重篤な造血機能障害を生ずるアミノピリンと同系統であるが、発癌作用のあるニトロソアミンにはならず、アミノピリンの代替薬として広く使用されている。いくつかの国ではイソプロピルアンチピリンを含む製品は効能・効果を制限されているが、流通は続いており、OTCとして入手可能な場合もある。”[5]
“OTC鎮痛剤の安全性に関する社会的関心の高まりに充分に対応できていない事から、食品医薬品安全庁バイエル社のサリドンA等、計28品目を15歳未満の小児に用いることを禁止した。”[7]

  ※ただし、15歳以上の子供及び大人には禁止されておらず、本成分を含有する生理痛などに効能がある解熱鎮痛剤

  「ケボリン」などが一般の薬局で購入できる。

出典

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  1. ^ Göres, E.; Kossowicz, J.; Schneider, H. G. (2004). “Propyphenazone. Pharmacology and use [Propyphenazone. Pharmacology and use]” (German). Medizinische Monatsschrift für Pharmazeuten 27 (3): 72–76. PMID 15032249. 
  2. ^ Propyphenazone”. Drugs.com. 2016年6月5日閲覧。
  3. ^ ヨシピリン 添付文書” (2009年6月). 2016年6月5日閲覧。
  4. ^ Akyel, A.; Alsancak, Y.; Yayla, Ç. R.; Şahinarslan, A.; Özdemir, M. (2011). “Acute inferior myocardial infarction with low atrial rhythm due to propyphenazone: Kounis syndrome”. International Journal of Cardiology 148 (3): 352–353. doi:10.1016/j.ijcard.2010.05.038. PMID 20541820. 
  5. ^ a b (pdf) Consolidated List of Products whose Consumption and/or Sale have been Banned, Withdrawn, Severely Restricted or not Approved by Governments, Twelfth Issue. New York: Department of Economic and Social Affairs of the United Nations Secretariat. (2005). p. 232. http://www.un.org/esa/coordination/CL12.pdf 
  6. ^ a b c d Multi-Country Survey On Banned And Restricted Pharmaceuticals”. Health Action International Asia Pacific. p. 7 (August 2008). 2012年10月26日閲覧。
  7. ^ “Bayer’s Saridon-A Among 28 Painkillers Banned To Those Under 15 In Korea”. PharmAsia News. (2009年3月12日). http://www.elsevierbi.com/publications/pharmasia-news/2009/3/12/bayers-saridona-among-28-painkillers-banned-to-those-under-15-in-korea