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イオンシネマ西大和

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イオンシネマ西大和
ÆON CINEMA Nishiyamato
イオンシネマ西大和
(閉館日の2022年8月21日に撮影)
情報
正式名称 イオンシネマ西大和
旧名称 ワーナー・マイカル・シネマズ西大和
完成 2000年
開館 2000年12月1日
閉館 2022年8月21日
収容人員 (7スクリーン)1,318人
延床面積 2,300[1]
設備 5.1chデジタルサウンド
DLPRealD
用途 映画上映
運営 イオンエンターテイメント株式会社
所在地 636-0073
奈良県北葛城郡河合町広瀬台3丁目5-1
(現在の「リバティ西大和店」の位置)[2]
最寄駅 近鉄田原本線大輪田駅
最寄バス停 奈良交通バス「中山台二丁目」停留所
最寄IC 西名阪自動車道法隆寺IC
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イオンシネマ西大和(イオンシネマにしやまと・ ÆON CINEMA Nishiyamato)は、かつて奈良県北葛城郡河合町にあったシネマコンプレックス映画館)。運営はイオンエンターテイメント

2000年12月1日にワーナー・マイカル・シネマズ西大和として開業し、2013年にイオンシネマに改称。2022年8月21日をもって閉館した[3][4]

歴史

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ワーナー・マイカル時代

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2000年(平成12年)12月1日、奈良県北葛城郡河合町の西大和ニュータウン内にあった「西大和サティ」(後のイオン西大和店)北側の立体駐車場に隣接する地上4階建ての建物に、ワーナー・マイカル・シネマズ西大和が開館した[1]近畿地方としては東岸和田(1993年4月29日開業 - 2008年2月3日閉館)・明石(1997年10月23日開業)・近江八幡(2000年10月6日開業)・三田ウッディタウン(2000年11月1日開業)に続く5サイト目のワーナー・マイカル直営館であった。

北葛城郡河合町は当館以前に映画館が一つも存在しておらず、開館前年の1999年(平成11年)時点における奈良県の映画館は奈良市に9スクリーン[注 1]大和高田市に3スクリーン[注 2]橿原市に6スクリーン[注 3]の計18スクリーンと、近畿地方としては最少であった[6]。当館は奈良県としては20世紀最後にオープンした映画館であり、東京都内に本社を置く大手シネコンチェーンとしては奈良県内初進出となった[1]

2007年(平成19年)11月には河瀨直美監督の『殯の森』が上映され、同月10日には河瀬監督と主演のうだしげき(宇多滋樹)によるトークショーが行われた[7]

3Dブーム真っ只中の2010年(平成22年)5月1日にはスクリーン1・6・7に3Dデジタルシネマシステム(RealD)を導入[8]。その後全スクリーンが35mmフィルムからデジタル上映に完全移行した。

イオンシネマ時代

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2013年(平成25年)にワーナー・マイカルがイオンシネマズを吸収合併し、社名もイオンエンターテイメントに商号変更されたことから、当館は同年7月1日付でイオンシネマ西大和に改称した。翌2014年7月には河瀬直美監督の『2つ目の窓』が上映され、7月27日には河瀬監督と金峯山寺長臈の田中利典によるトークショーが行われている[9]

舞夢プロ所属の女優・澤井里依は2017年(平成29年)に自身が出演した舞台「美女と野獣とその愛人」に関連して、同年4月22日に“ハリウッド版『美女と野獣』を観に行こう!”と題したツアーを西大和で行っていた[10]

2019年(令和元年)6月には奈良県のアイドルユニット「Le Siana」の永瀬かこ主演による『手のひらに込めて』が上映され、6月30日には永瀬ら出演者7人[注 4]と監督の中村みのりによる舞台挨拶が行われた[11]

開業20周年を迎えた2020年(令和2年)に入ると、中国・武漢に端を発した新型コロナウイルスが全国的に感染拡大。この影響で緊急事態宣言が発令されたことにより同年4月18日から5月21日まで1ヵ月程休館[12]。更に翌2021年(令和3年)6月2日には従業員の一人がPCR検査で陽性反応を示したことが報じられたが、それに伴う臨時休館はなかった[13]

2021年1月には上西雄大監督・主演による『ひとくず』が上映され、1月24日には共演女優の古川藍徳竹未夏が上西と共にお忍びで同作を観賞している[14][15]

イオンシネマ西大和跡地に建設されたリバティ西大和店(2024年6月撮影)

2021年7月31日にイオン西大和店が閉店[16]して以降も営業を継続していたが、建物の賃貸借契約更新を機に2022年(令和4年)8月21日をもって21年9か月の歴史に幕を閉じた[3][4][17]。この閉館によりイオンシネマは奈良県から撤退[注 5]。奈良県に所在する映画館は、橿原市のTOHOシネマズ橿原(2004年4月1日開業)とユナイテッド・シネマ橿原(2015年12月18日開業[注 6])、大和郡山市シネマサンシャイン大和郡山(2011年7月1日開業)のシネコン3サイト[注 5]を残すのみとなり、20世紀内に開業した奈良県の映画館はすべて姿を消した。シネコンの建物は2023年春頃から解体・再建築が行われ[18]、2024年4月27日に中古車販売店「リバティ西大和店」がオープンしている[2][19]

最終上映

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最終上映終了後、多くの観客がロビー内に残り閉館を惜しんだ。
(2022年8月21日撮影)

2021年10月29日に封切られたアニメーション映画アイの歌声を聴かせて』(吉浦康裕監督、以下「アイ歌」と略す)はファーストラン時の全国的な興行収入及び動員数が振るわなかった反面、SNS上で評判を呼んで人気を拡大したが、西大和は同年11月第2週の夕方に356席を有するスクリーン7でアイ歌を上映するという伝説を残した。この評判が更に話題となったことから、当館のクロージングを飾る特別興行として2022年8月5日から21日まで再上映された[20]。しかし最終日の夕方にスクリーン7で上映されたのは『トップガン マーヴェリック』(ジョセフ・コシンスキー監督)[3]で、アイ歌はスクリーン1での上映となった。なお、この閉館に際し、アイ歌でヒロインの声優を担当した女優の土屋太鳳が、役名の“芦森詩音”名義で「しあわせだよ!」というメッセージを添えた記念バルーンを西大和に贈呈したという逸話も残っている[20]

特徴

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イオンシネマ西大和のコンセッション

7スクリーン・1,318席を有しており、近畿地方でワーナー・マイカルを冠したシネコンとしては最も客席数が少なかった[1][注 7]。またコロナ禍になった2020年代に入ると、飛沫防止のパーテーションを設置した「アップグレードシート」を導入してリニューアル・及び新規開業するイオンシネマが相次いだが[21]、それに伴うシート更新はなく閉館を迎えた[17]

イオンシネマ西大和スクリーン詳細
スクリーン 座席数 車椅子スペース 備考
1 202 2 3D対応
2 164 2
3 162 2
4 160 2
5 137 2
6 137 2 3D対応
7 356 4

脚注

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注釈

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  1. ^ 奈良観光会館地下劇場(2009年3月13日閉館[5])、シネマデプト友楽(8スクリーン・2010年1月31日閉館)。
  2. ^ 高田シネマ1・2(2004年8月閉館)、高田大劇(2006年閉館)。
  3. ^ ファミリーシアター百人劇場(近鉄百貨店橿原店内・2000年3月30日閉館)、橿原シネマアーク(5スクリーン・2009年4月30日閉館[5])。
  4. ^ 永瀬、大山蒼生、林穂乃花、横堀菜々美、朝丘初、おおうえくにひろ、天谷桃寧[11]
  5. ^ a b イオンモール高の原内に所在するイオンシネマ高の原(旧ワーナー・マイカル・シネマズ高の原)は地理的には奈良県奈良市に位置しているが、住所としては京都府木津川市とされている。
  6. ^ 2001年6月27日から2014年8月31日までは「MOVIX橿原」。
  7. ^ イオンシネマ統合後は、2021年3月16日にオープンした「イオンシネマ シアタス心斎橋」の382席(7スクリーン総計)が最少[21]

出典

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  1. ^ a b c d 複合映画館オープン 河合に県内3館目 年間50万人の集客見込む」『読売新聞』2000年12月3日
  2. ^ a b リバティ西大和店”. 株式会社リバティ. 2024年7月28日閲覧。
  3. ^ a b c “22年の歴史に幕「イオンシネマ西大和」閉館”. 奈良新聞 (奈良新聞社). (2022年8月22日). https://www.nara-np.co.jp/news/20220822214118.html 2022年8月26日閲覧。 
  4. ^ a b “財布手にサンダル姿で行けた映画館閉館へ フォロワー6倍、惜しむ声”. 朝日新聞 (朝日新聞奈良支局). (2022年8月9日). https://www.asahi.com/articles/ASQ8655D0Q82POMB028.html 2022年8月26日閲覧。 
  5. ^ a b “さよなら老舗映画館 奈良の観光会館地下劇場、橿原シネマアーク”. 奈良新聞 (奈良新聞社). (2009年3月9日). https://www.nara-np.co.jp/news/20090309132309.html 2022年8月26日閲覧。 
  6. ^ 日本映画製作者連盟配給部会『映画年鑑2000別冊 映画館名簿』時事映画通信社、1999年。
  7. ^ 殯の森 最新情報”. 映画「殯の森」公式 (2007年11月). 2022年8月26日閲覧。 “ワーナー・マイカル・シネマズ西大和にて河瀨直美監督と、主演うだしげきさんによるトークショーを開催”
  8. ^ “ワーナー・マイカル・シネマズ、全60の劇場にデジタル3D上映システムを導入”. TECH+. マイナビ. (2010年4月8日). https://news.mynavi.jp/techplus/article/20100408-a072/ 2022年8月26日閲覧。 
  9. ^ 田中利典 [@t_riten] (2014年7月27日). "今朝は西大和のイオンで行われる、河瀬直美監督の「2つ目の窓」上映会&河瀨監督主演のお二人で舞台挨拶に行ってきまーーす。". X(旧Twitter)より2022年8月26日閲覧
  10. ^ 4月22日イベントのお知らせ!”. 澤井里依オフィシャルブログ「さわりえ」. サイバーエージェント (2017年4月3日). 2022年8月26日閲覧。
  11. ^ a b 舞台挨拶スケジュールご案内(再掲)”. 映画「手のひらに込めて」公式. SAKURA ENTERTAINMENT (2019年6月28日). 2022年8月26日閲覧。
  12. ^ イオンシネマ 14府県38劇場 営業再開のお知らせ』(PDF)(プレスリリース)イオンエンターテイメント、2020年5月20日https://www.aeoncinema.com/company/press/20/05/0520.pdf2022年8月26日閲覧 
  13. ^ 新型コロナウイルス感染者に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)イオン西大和店、2021年6月2日https://assets-aeoncom-store-public.e-aeon.com/pdf/587588.pdf2022年8月26日閲覧 
  14. ^ 上西雄大 [@10antsyoudai] (2021年1月23日). "映画『ひとくず』、明日はイオンシネマ西大和の11時40分の回に客席にて僕と古川藍、徳竹未夏も鑑賞致します^ ^". X(旧Twitter)より2022年8月26日閲覧
  15. ^ 徳竹未夏 (2021年1月24日). “超ロングラン目指してます!!”. 未夏のブログ. サイバーエージェント. 2022年8月26日閲覧。
  16. ^ “河合の「イオン西大和店」閉店”. 奈良新聞 (奈良新聞社). (2021年8月3日). https://www.nara-np.co.jp/news/20210803090053.html 2022年8月26日閲覧。 
  17. ^ a b “国原譜「映画を見るなら映画館に限る。暗闇に身を…」”. 奈良新聞 (奈良新聞社). (2022年8月17日). https://www.nara-np.co.jp/opinion/20220817214838.html 2022年8月26日閲覧。 
  18. ^ オンオフ切り替え上手でいきましょう”. ブログ 全世界空手道連盟新極真会奈良支部. サイバーエージェント (2023年5月6日). 2024年7月28日閲覧。
  19. ^ 実績紹介:リバティ西大和店”. ルーシック株式会社. 2024年7月28日閲覧。
  20. ^ a b 土屋太鳳 [@taotsuchiya_official] (2022年8月6日). "「アイの歌声を聴かせて」…なんとこの8月にまだスクリーンで上映してくださってる映画館が😳💡💡イオンシネマ「西大和」です☺️". Instagramより2022年8月26日閲覧
  21. ^ a b 石川知京 (2021年3月25日). “1席4000円の映画館とは? 心斎橋PARCOの「シアタス心斎橋」に行ってみた”. Walkerplus. KADOKAWA. 2022年8月26日閲覧。

外部リンク

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